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禁煙者には禁断の海外ドラマ

最近ハマっている海外ドラマは、Amazonオリジナルの「マーベラス・ミセス・メイゼル」。



夫を支え、子育てをすることが女の仕事だった1958年頃のニューヨーク。
アッパーウエストサイドの広いアパートメントで何不自由なく暮らす主婦のミリアム・メイゼル。ある事をきっかけに自分の人生を考え直し、コメディアンとして活動することに。
ミリアムのコメディアンとしての才能を見出したのは、ガスライトというカフェのスタッフ、スージー・マイヤソン。
彼女はミリアムのマネージャーとなり「女は家庭にいろ」「女にコメディはできん」などと言われ妨害を受けながらも、一つひとつ障壁を乗り越えていく…


的なドラマなのだけど。
まず、最初は夫にだだ、ひたすら尽くす昔ながらの女性像であり、お嬢気質なミリアムにイラっとする。
とりあえず、それ、一旦我慢して下さい。
このドラマの味は、そんな世間知らずな女性が家庭の外の世界へ踏み出した時に広がる世界と、本来の強い自分に気付く過程を垣間見ることにあるのです!
さながらリアリティショーですよ!

そして、内容が面白いのはもちろん、とにかくスージーが愛おしい!
ガサツで男に間違われることも多い。お金もなく、学もなく(と見せている)、なのにしれっとピアノが弾けたり、調律までできたり…能ある鷹は爪を隠しているかっこいいパターン!
正直、スージーの性自認がどうだとか、恋愛対象が同棲か異性かとか、どうだっていい。
作中でも、その意図は反映されている。
だって、スージーはスージー・マイヤソンであれば良いのだから。
それだけで、カッコいいし、可愛いし、おちゃめだし、聡明だし、スージーだ!

いや、なにより…スージーが美味しそうに吸っているのはラッキーストライク!
しかも取り出すのはソフトパック!あの頃はボックスはなかったのだろうけど。
スージーだけでなく、1958年という時代背景もあってか、屋内外問わずみーんなスパスパ吸ってる!
これがまた…実においしそぅ!

禁煙して約6年経つ私としては、目の毒でたまらない。
いや、実際に吸いたいとは思わない。今となっては残り香も気分が悪くなるくらい。
だけど、あんなに美味しそうに、しかも自分が吸っていた銘柄を吸われると…
食後や一仕事終えた後の一服目。
肺に煙がいき渡るあの感覚と、ふーーーっと吐き出す時の安堵感が、たまらなく懐かしい。

「名探偵モンク」のモンクも出演してるし、軽快に早口でまくしたてるミリアムの話術はすこぶる痛快。
最終話のタイトルとなっている、その“4分間”。
主に、最終話となるシーズン5第9話の46:49から…もう…シビレる!生きてて良かった!
ミリアムとスージーの掛け声
“Tits up!”
が最高にかっこいい!

そして、最終話の終わり方!
一時期、悲しいフィナーレがトレンドみたいな時期があったアメリカドラマですが、この終わり方は大好き!
爽やかで、幸せなフィナーレをありがとう!
そして、噛ませ犬的なことにはなってしまうのだけど。レニー・ブルースの色気がハンパない件はハズせない。
私なら絶対にレニーになびいてる…

因みに。禁煙中で、まだ葛藤している人には危険な海外ドラマです。

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