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これが中年の危機か
50歳を目前に控えた頃からどこか落ち着かない気分に苛まれている。将来に対する漠然とした不安や焦り、現状に対する失望や諦め、自分を取り巻く環境に対する不満や後悔。例を挙げればキリがない。ずっと男性の更年期なのかと思っていたらもう少し今の自分に近い言葉に出くわした。
それは「ミッドライフクライシス」と言う。「中年の危機」、「第二の思春期」とも表されるらしいのだがネットを参照するとこうある。「中高年が陥るうつ病や不安障害」。
その要因としては次の3つの変化があげられていた。
・加齢による身体的変化
・家族ライフサイクルの変化
・職場での変化
なるほどそうか、確かにそのどれもに思い当たる節がある。
50歳前後からがくっと疲れやすくなり無理が効かなくなった。仕事で夜遅くなると翌朝がつらく回復力が著しく衰えた。老眼も進み遠近両用メガネが必要になり頭髪も白いものが多くなり顔にしわが増え見た目にも枯れてきた。
家族ライフスタイルではいつも最優先だった子供から手が離れた。親離れできていないのに大丈夫かと子供を心配していたが実は親の方が子離れできていなかった。残された夫婦の関係を見ると「子は鎹」という言葉が腑に落ちる。妻を人として尊重しているものの2人で寄り添い長い老後を過ごすのは互いの精神衛生上好ましくないような気がする。さらにそばには年々年老いてゆく親の姿がある。親はいつまで元気でいてくれるのだろうか。
一方、職場では中間管理職とあってここ数年、人事異動にせわしない。慣れない部署に加えコンプライアンス、各種ハラスメント、売上ノルマ、新規案件の獲得といった部署の責任がのしかかる。これまでの経験が通用しない局面にこの年齢で出くわし人間力の無さを思い知る。同期や後輩の昇進、目標を見つけて清々しく退職する仲間を見るとこのまま昇進し責任を背負うことが自分の望む道なのかそれさえ疑問に思えてくる。
ただ幸いなことに私はもともと深刻に考えすぎない性格なのか防衛本能に長けているのか心身が参るほどには至っていない。嫌なことは割りかしすぐに忘れるタチだ。こうして素性を伏せてnoteに書いて発散できる。この年になると自分の身の程をわきまえ適当に折り合いをつけてやり過ごせる術も身に着けているのだ。
なんのあてもなく書き続けている男性機能の問題もそのうちのひとつ。その確認と維持を目指す風俗店での「定期健診」がある意味、私の正気のバランスを保ってくれている。
しかしどうやってこの状況から抜け出すか、道筋は見通せない。ミッドライフクライシスをネットで調べている際、人の一生の幸福度を折れ線グラフにすると48歳が一番底になるというグラフを目にした。今が底辺、今が第二の思春期真っただ中。果たして中年の危機を脱し幸福度が増す日がくるのだろうか。