もうすぐラマダン
もうすぐラマダンが始まるらしい。イスラム教徒の断食月。
それに絡めたCMが出始めてきた。
イスラムなんて、日本にいるときは遠い遠い存在だという認識だったが、ここではイスラムのひとは身近に沢山いる。
日本にいる時のイスラム教徒のイメージはどちらかというと「厳格」な感じであった。
今の世の中の風潮に合っていようがなかろうが、イスラムの戒律が一番で、何が何でも守る……!!
というイメージで、そのイメージゆえに、「なんかとっつきにくい……」と遠巻きにしてしまっているところがあった。
しかしここへ来て、色々なイスラム教徒の方と接してみると。
たしかにそういった、戒律第一! みたいな「頭の固い」「融通のきかなさそうな」人も居るには居るが(ほんとはそんなふうに言っちゃあダメなんだろうな、ゴメンナサイ)、みんながみんなそうというわけでもないことが分かってきた。
けっこうユルユルのグダグダのイスラム教徒もいる。飲酒もするし、断食月? 何それ、という感じ。
「○○って店、知ってる? 美味しいで!」
とイスラム教徒の知人が教えてくれた店は、豚肉料理の専門店である。
いい。実にいい。イスラムにもちゃんと不真面目者がいる。それが実にいい!
彼らも私たちと何ら変わりのない人間なのだ!
そう思うと、自分とは永遠に交わることのない平行線上の文化、習慣だと思ってきたラマダンも、急に親しみのあるものに感じられてくる。
もっともイスラム教徒でない私は断食はしないので、あんまり関係ないといえば関係ないのだが、よく行くごはん屋さんがイスラム教徒のオーナーだったりすると、その期間は営業時間がいつもと違ったりして、こっちの予定も多少狂うという事態にはちょいちょい陥る。アテにして行ったお店が閉まっているのを前に、
「そうか! ここはイスラムのオーナーさんであったか……」
グーと鳴る空きっ腹を抱えてうなだれる。
まあ、これが私の断食月。
きっと今年もそうなんだろうな。