人生初バックパック旅 -青い街が最高すぎた編-
前回の様子はこちら。
今回は、この旅行を決めたきっかけ、青い街シャウエンでの体験をご紹介します。結論はタイトルの通り、最高すぎた。
テトゥアンの朝
夜景が大変美しかったテトゥアン、朝も期待できるぞ、ということで早起きして日の出を眺めることに。
早起きは三文の徳と言いますが、やはり旅先で早起きして眺める朝陽は最高です。まだ街が静まっている中、ニワトリの鳴き声も聞こえてきて気持ちの良い朝…
と思っていたのですが、断末魔が聞こえてきて、そういえば前日も市場を歩いていたときにフレッシュそうな鶏肉が売っていたな…と現実を見せつけられた。
現実は厳しい。しかし、美しいものは美しい。朝陽に照らされた白い町も素晴らしかった。
アンミカさんの言う通り、白い街といえど朝昼晩でそれぞれ違った良さを見せてくれた。
前日ミントティーを入れてくれたおじちゃんが、ワンオペで5組くらいの宿泊客の朝ごはんを準備してくれた。メニューはモロッコでめっちゃ出てくる生地がフランスパン風の平べったいパン・イングリッシュマフィン・クレープみたいなペラペラの3種類と、ジャム数種類・なんか癖のあるバターかチーズかわからんもの・濃いめの蜂蜜・モロッコ恒例のオリーブといったパンのお供四天王、そして搾りたてのオレンジジュース。
美味しすぎてつい食べすぎてしまい、シャウエンまでのバス乗車5分後にはかなり気持ち悪くなっていました。だが一片の悔いなし。
モロッコの高速バス CTMを大真面目に解説する
さて筆者の記事で度々出てくるバス、その名をCTMと言います。
CTMバスについては、検索すれば、有能な先人達が書いてくれた、筆者のnoteより遥かに有益な記事がたくさん出てくるので、詳しくはそちらを見れば良いかと思います。
が、一応2024年2月の最新情報として体験談をまとめておきます。
予約について
まず、頑張れば日本にいながらチケットの予約もできます。日本のクレカでは買えないというような記事も出てきますが、タンジェ→テトゥアン・テトゥアン→シャウエン・シャウエン→フェズ・フェズ→ラバトに関しては、筆者は5日前くらいに検索したところ予約できました。
ただ2週間前くらいに見たときはどのバスも、なぜか2月分は全て見られるのに3月1日以降を選択しようとすると、ページが固まってしまいました。そういうこともあるよね。
次に、クレジットカードの支払いでエラーが出るというような記事を度々見かけましたが、自分の場合は、3Dセキュアを有効にしよう的な記事を見かけたので対応しましたが、それ以外は特に何も設定はいじらず決済ができました。ちなみに使ったのはVISAカードです。
金額に関しては、タンジェ→テトゥアン・テトゥアン→シャウエンが1人あたり500円前後、シャウエン→フェズ・フェズ→ラバトが1人あたり1,500円前後と区間によって結構差があります。
乗り方について
予約をしていなくても、CTMのバス停で普通に買えそうな雰囲気だったので、余程混む時期でなければ、モロッコについてからどこかのバス停で旅行期間中のチケットを買うのもありかもしれません。
ちなみにバス停までのアクセスについては、前回のようなぼったくりタクシーではなく普通に道を走っているタクシーを捕まえて、「CTM(セーテーエムとフランス語発音の方が通じるという噂もある)」と言えば大体通じるらしいです。
なお我々は通じない人を引いたので、助手席で地図を見せながらナビをして近くでおろしてもらいました。
そして、乗る際ですが、不安だったのでチケットを印刷した紙を持参し、それを係の人に見せて乗車しました。確認した証なのか、毎回紙の端っこを微妙にちぎられたので、スマホ画面でQRコードをみせた場合どうなるのかわかりません。画面に微妙にヒビを入れられたりしたくない人は、めんどくさがらずに印刷していった方が安心かもしれません。
乗ってしまえば、割と日本の長距離バスみたいな感じなのでご安心を。乗る前にトイレは済ませておきましょう。
シャウエンで第一日本人発見
CTMで爆睡しているうちにシャウエンに到着。
バス停で荷物を整理していると、The! 日本人大学生!みたいな2人組に、「Are you Japanese?」と聞かれ、
「はい日本人です」
「おおお日本人だ!!!」
というあんまり聞いたことのない英語と日本語混じりの会話をしました。
その2人は既にシャウエンを満喫した後らしく、絶賛していました。しかも、シャウエンはやたら日本人率が高いそうで、前日に出会った日本人4人組と意気投合して、これからそのまま一緒に旅行をするらしい。楽しそう。
と話しているところに4人組の1人が登場。
ドンピシャこんな格好ではないですが、第一印象の系統で言ったらこんな感じの人。
思わず我々も「強そう」「世界3周くらいしてそう」と口々に好き勝手な感想を伝えたところ、まさかの生まれて初めての旅行とのこと。なんそれ。
The大学生と世界3周目とそのまましばらく話していると、1件のレストランを強くオススメされた。何を食べても美味しいのだが、「パナチジュース」が特に美味しく、6人で8杯頼んでしまったとのこと。なんそれ。
日本語での会話を楽しんだところで、3人と解散。念願の青い街シャウエン観光です。3人曰く、坂を登っていくとあるそうなんですが…
めっちゃ坂だ…スーツケースじゃなくて本当によかった。バックパック旅のありがたみを感じました。
プチ登山を乗り越え、市街地らしきところに到着。Restaurant Bab Kasabaを目指し、更に街の奥へ進んでいくと、街の中心地感満載のレストラン街が見えてきました。
あまり日本の昼間には見ないレベルの客引きの多さに圧倒されつつも、Bab Kasabaの前に到着。すると、Bab Kasabaの王様(と呼ばせてもらう、理由は後ほど)に声をかけられ、客引きさせる暇も与えず、入るよとアピール。
すると、王様から謎の握手を求められ手を握り合ったのち、「お・も・て・な・し」と言われながら店内へ。
王様はおそらく数々の日本人をもてなしてきたようで、変な日本語をいっぱい覚えていた。その最たる例が「王様」で、「I'm King!王様!Call me 王様!」と言ってきたので、王様と呼ばせてもらっている。
そして、注文は、モロッコでどはまりしたケフタタジン、謎のおすすめパナチジュース。
結論、パナチジュースはpanache juiceというもので、panacheというフルーツがあるわけではなく、ミックスジュースを想像してもらうのが1番いいと思います。それを、オレンジジュースか牛乳で割ってもらうのが一般的らしく、おすすめは牛乳。オレンジだと本当にただのさっぱりしたフルーツジュースになってしまったので。
食事中、野良猫が無限に湧いてきて、いかにダメージを与えず、かつしっかり追い払うかに心を燃やしていたのですが、食べ終わってよそ見をしている間に机にのぼられてしまい、食器をぺろぺろされました。
どかす前に店員さんが気付いてしまい、猫がひどい目にあわないか心配でしたが、エアチョップ(つまり当たってない)をされたあとに、The 猫の持ち方でそっと地面に降ろされていて安心しました。
動物に優しい人に悪い人はいない。
その後、一旦ホテルにチェックイン。
Riad Sakuraではあるのですが、リヤドというより普通のホテルに近く、入り口にオートロックもセルフロックもない、開放的な作り。これが後々事件につながるのですが…
オーナーが日本に住んでいたことがあるらしく、普通に日本語が通じる。そしてお金は少しかかるが、洗濯もやってくれる。
ちなみに、雨が降るから早めに取りに来てねと再三言われていたのに、帰りに道に迷って洗濯物がしばらく雨ざらしになりました。ごめんなさい。
青い街の泥臭いところ
さて、衣食住の問題を解決したところで、ようやく青い街探索です。
念願の青い街、どこを見ても青くて、でも1色ではなく(200色あるかはわかりませんが)様々な青色なので、青が多すぎて目がぎゅいーんとなることもなく、散策している間ずっとハピハピハッピーでした。
散策を続けていると、この色んな青がある謎が、すぐに解決することとなります。
塗ってる。しかも手作業で塗ってる。星の王子さまみたいな世界観です。来るまでは、建材に青い成分を使っているのかと思っていたのですが、どうやら全部手で塗っているらしい。
すごい。街全体の青が人の手で塗られたものだと考えると気が遠くなります。青い理由は調べたのですが、諸説ある感じだったので、ご興味ある方は調べてみてください。
その後は、少し離れた展望スポットまでプチ登山をしたり、ショッピングを楽しんだり、夕食を食べたり、広場にいる怪しげな着ぐるみを盗撮したり。
赤い部屋でのプチ事件
青い街を満喫したところで、ホテルに戻り、私はシャワーを浴びていました。ちなみにシャワールームの電球がなぜか真っ赤なせいで、尖ったラブホテルか殺人鬼の部屋か、みたいな雰囲気であまり快適ではなかった。
すると、どこからか言い争う声と、ドンドンという音。初めは、自分の部屋に誰か来たのかなと思っていたのですが、その後静かになったので、気にせずシャワー続行。しばらく経つと今度は上の階からまた言い争うような声。水漏れでもしたかな、大丈夫かなと思いながらお風呂から出ると、同行人が「さっきやばかった」と。
どうやら、下のガバガバセキュリティを突破した酔っ払いが、各部屋をノックして回っているようで、同行人がうっかりドアを開けたところ、なにか叫びながら突撃してきたらしく、咄嗟に押し返してドアを無理矢理閉めて追い出したとのこと。
え、こわぁ…なにも気づかずシャワー浴びてたけど、突撃されてたら全裸で酔っ払いとご対面するところだった。もしくは同行人が先にシャワーを浴びていて私がドアを開けてしまっていたら、全裸の同行人と酔っ払いが戦うところだった。全裸と酔っ払いなんて1番こわいんだから。
というような事件もあったので、夜はビクビクしながらベッドに入りましたが、気付いたら寝てました。
青い街シャウエンでの体験はそんな感じでした。
次回はシャウエンより更にモロッコ色が強く、客引きがやばいと噂のフェズ編です。こちらでもかなり印象的な体験をしたので、お楽しみに。