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5kmしか走れないランニング初心者がハーフマラソンの大会に出てみた話
どうも、旅行記を書く人みたいなポジションになっていますが、タイトル通りハーフマラソンの大会に出てみて色々初めての経験をしたので、忘れないうちに書き残しておこうと思います。
なんでいきなりハーフマラソン?
一応理由がありまして、前提としていきなりフルマラソンを走ることになりましたと(後で説明するので一旦受け入れてください)。
で、自分の意思で20kmとか30km走る練習をできる気がしなかったので、程よい時期に練習がてら申し込んでみたわけです。
実際、大会に出るまでコンスタントに走れるのは5km、元日に暇すぎて10kmを1回だけ走った状態でハーフマラソンの大会に出たわけなので、申し込んだ過去の私、ナイスすぎる。
この大会がなければ、おそらく最高記録10kmでフルマラソンを走ることになっていたでしょう。
お待たせしました。なぜフルマラソンに急に出ることになったかというと、待たせた割にそんな大層な理由はないのですが、自分が一時期、浅草の人力車のバイトをやったことにより、「走るの意外と楽しいな」と思い始め、本当に気まぐれで「いつかマラソンとかも走ってみたいな」とこぼしたのが、母の職場のマラソンガチ勢(フルマラソン完走経験20回以上)に伝わってしまい、勢いでフルマラソンに申し込む流れになったというわけです。
なお、私が人力車のバイトをしていたことを知らない人にとっては、人力車のバイトをやっていた経緯のほうが気になるかと思いますので、過去の記事も貼っておきます。
背景説明はこの辺で、実際の大会でのできごとについて書いていこうと思います。
前日〜会場に行くまで
一応大会に向けて、フルマラソン前の過ごし方動画を見てみたところ、
「前日から階段ではなくエスカレーターを使うなどして、足に疲労を溜めないようにする」
「さらに数日前からカーボローディング(ざっくりまとめると、マラソンでエネルギー切れにならないように炭水化物を多めに食べること)」
「炭水化物を体に貯めるために、水も多めに飲むこと」
というような内容が語られており、ふむふむと思いながら前日を迎えました。
いうてもハーフマラソンなので、神経質に体を気遣っていたわけではなく、普通にウィンドウショッピングをし、歩くのに適していない荷物の量と靴でずっと歩き回っていた結果、なんなら普段以上に足がヘトヘトになりました。
そして昼はラーメン、夜は親子丼を食べてなんとなくカーボローディングした気になり、といっても全然水を飲んでいなかったので、夜寝る前から焦ってスポドリを飲み始め、さらに謎の焦りから突然筋トレを始め、早めに寝ました。
そして次の日、当然ながら若干の筋肉痛とともに目が覚め、いつも通り納豆ご飯を食べ、現地は着替える場所がないとのことだったので、ランニングウェアにダウンコートを着て会場に向かいました。
視界に入るランニングシューズを履いた人がみな大会参加者に見え、びくびくしながら電車に。
会場に近づくにつれ、「絶対脚早いじゃん…」という出立ちの人が増え、そういえば大学受験の日も、周りの人が全員賢そうに見えたなぁと思いながらマラソン会場へ。
大会の日が、幸か不幸か最高気温15度くらいの快晴の日で、天気がいいのは気分はいいのですが、会場に向かいながら河川敷を歩いているだけで顔が熱い。
筆者はランニング用のキャップやサングラスなどを持っていなかったため、若干の嫌な予感を感じつつ、「晴れてよかった!」と無理矢理テンションをあげていました。
会場到着〜スタートまで
会場が思っていたかなり先にあったようで、「あそこ会場じゃない?」と思っては、少年野球のチーム。
というくだりを何回かやってから、明らかに陽キャが流しているズッチャズッチャみたいなビートが聞こえ始め、「あーたぶんあれだわ…」となりました。
合ってました。
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そして会場に着くと、テントで名前を伝え、ゼッケンゲット。意外とあっさり。
あとアミノバイタル主催の大会だったので、なんか、走る1時間前に飲むといいらしいアミノ酸のなにかをいただきました。粉薬苦手マンにとっては飲むのが結構きつかった。
でもきっと走っている間、恩恵に預かっていたことでしょう。
そして、めっちゃ並ぶと話題の、マラソン大会前のトイレに行きます。
噂通りで、そもそも男女混合の大会だと女子の比率が少ないのもあり、男子トイレは3個くらい設置してあるのに、女子はトイレ1個(正確には男女兼用が1個あったのですが、なぜか男子トイレの列とあわせて1列になっていたため、女子は誰も並ばず)。
世の中の摂理として、女子トイレのほうが回転率が悪いので、女子が1人トイレに入っている間に、男子は5人くらい終わるという回転率の違いに愕然としながら、忍耐強く待ちました。
ちなみに、大会で設置してあるトイレ以外に、多摩川のバーベキュー会場近くのトイレもあり、電動自転車ですぐ行けますよと案内してくれていたのですが、なにせ筆者は自転車に乗ってまっすぐ走れる自信がない人間なので、マラソン前に自転車で転ぶわけにはいかず、待つ以外の選択肢がありませんでした。
そして、トイレに並んでいる間に開会式が始まり、ペーサーの紹介がスタート。
ホームページに、「3分から6分まで、豊富にペーサーを配置してます(意訳)」と書いてあり、普段6分から6分30秒くらいで走る自分としては、(ペーサーすら配置されない遅さということか…圧倒的最下位になるかも…)とかなり萎えていたのですが、6分50秒までペーサーがいたらしく、ものすごく安心しました。
そして、トイレも無事終え、参加者全員でウォーミングアップをおこない、開会式は終了。
いざ、戦いのとき。
スタートから2周目まで
ちなみに、この大会は、1周目が約6km、2-4周目が5kmの周回コースで、10kmと5kmの参加者もいるという形式。ハーフマラソン参加者だけ、たしか10分早めにスタートです。
ということで、少し早めにスタート位置へ。といっても、自分が遅めの自覚があったので、だいぶ後ろの位置にスタンバイしました。
スタンバイ位置でも陽キャミュージックは流れ続けていたのですが、スタート3分前からB'zのultra soulが流れ始め、さすがにボルテージが上がり始める会場。
MCが「なにしてほしいかはわかりますよね!いきますよ!大きな声で!」といい感じに煽っていたので、大盛り上がりするのかと思いきや、
「ウルトラソウル!」
「ファ-」
くらいの歓声しか上がらず、1人で参加しているのにそこそこのボリュームで「hey!」と叫んだ筆者、めっちゃ恥ずい思いをすることに。
そんなこんなで、なんともいえない気持ちのままハーフマラソンスタート。
スタート位置が後ろすぎた結果、6分50秒のペーサーがどこにいるか全く見えなかったので、諦めて自力でペースを管理して走ることに。
そして、普段はランニング中に音楽を聴かないのですが、気分を上げるのとペースを一定にするために、BPM170のプレイリストを聴いて走ってみました。
普段やらないことを突然やってみたので、ペースを一定にするはずが、足のテンポとBPM170がずれまくることに開始早々気づくも、スマホをポーチから取り出して操作する方がペースが崩れそうで嫌だったので、結局そのまま走り続けました。
そして、走り始めて1kmくらいで、人生初の給水所というものを目にするも、まだ喉乾いてないしなぁとスルー。
その先は割と淡々と、折り返しの旗を目指して走り続けます。2周目以降の5kmの折り返し地点で「1周目の折り返しはこの先です!」案内され、(まだ折り返せないのか…)と若干気分が下がりつつも、無事折り返し地点へ。
折り返してから、さすがに暑いし飲んでみるか、と紙コップを取ってみたものの、筆者は椅子に座っていたとしても水を一気飲みできず、口に含みながら少しずつ飲む癖があるため、仕方なく歩きながらのんびり飲みました。
1周目は、ウォーミングアップをかねて、いつもより30秒/km近く遅めに走ったので、全く苦労せずに完走。メンタル的には、もっと早く走りたい気持ちをこらえ、他の人にもどんどん抜かされ、という感じだったのでなかなかシビアでしたが、おかげで残り15kmを余力ある状態で迎えられました。
そして2周目。
気づいたのは、行きは直射日光を顔面に浴びることで結構体力を削られるということ。折り返して帰るときはその分、顔が涼しくて一気に楽に感じるので、まだ日の向きが逆でなかったことを喜ぶしかありませんでした。
ちなみに、レース後から3日間、鼻と頬が真っ赤になったので、フルマラソンはキャップを被ろうと心に誓いました。
2周目はウォーミングアップも済んだので、徐々にペースをあげ、最初に比べると20秒/kmくらいペースが上がりました。
すると目の前に、男女2人組。おそらく男性の影響でランニングを始めた、もしくは大会にエントリーしたであろう女性。男性が少し前を走っては、おいで!みたいな感じで手招きをしたり、振り返って様子を見たり。
(走りづらそうだなぁ)と思いながら、その後ろをしばらく走っていましたが、女性のペースがどんどん落ちてきたため抜かしました。
そんな自分も、しばらく走っていると少しずつ足が重たくなってきました。普段走らない距離で、最高でも10kmなので、2周目終わりが11kmであることを考えれば、当然といえば当然。
残りがあと10kmということは、走ったことある距離だ!いける!と自分に言い聞かせ、2周目も無事完走。
3周目
予想はしていましたが、1周目は余裕、2周目もまだ10kmくらいなので大丈夫、4周目は最後の1周目だと思えば頑張れる。
でも3周目は?
平日週5で働くときの水曜日みたいな感じ。月曜日は休み明け、火曜日は2日目だからまだ大丈夫、木曜日はあと1日働けば終わる、金曜日は明日休みだ。
水曜日が一番なににも繋げられなくてつらい、みたいな。
4周のレースなので、厳密には、3周目は木曜日の朝みたいな感覚に近いわけですが、足も重たくなってきて、なかなかつらい。
そして特に嫌だったのが、抜かしたはずのあの男女2人組になぜか追いつかれ、男性側にまず抜かされ、そして例の手招きで女性にも抜かされたこと。
1回抜かした相手に抜かされるってめっちゃペース落ちてるじゃん、という焦りもあり、結構きつかった。なにせ、私のつけているスマートウォッチは、「設定」の文字が「設置」みたいな中国語で表示される結構怪しいやつなので、ペースや距離があまり正確ではないのです。
現に、完走したときには23km走ったカウントになっていたので、ペースを一定にしていたはずが、徐々に落ちていたらしい。不覚。
そんな私を奮い立たせてくれたのは、BPM170の音楽たち。
正直勝手に作られたプレイリストだったので、あまり知らない曲も多く、BGM程度にしか流れていなかったのですが、辛くなってきたタイミングで流れてきた曲がこちら。
うまぴょい伝説
自分でもなぜだかわかりません。正直メロディーはサビしか知らない。
歌詞に至っては、「君の愛馬が!」のとこしか覚えていない。
なのになぜだかとても気分があがる。こんなレースは初めて、っていう気持ちで走れる、足が前に進む。
というわけでなぜかこの曲でリズムにのった筆者は、3周目もなんとか折り返し、補給ジェルもぶっつけ本番で食べてみながら走り切りました。
以前参加したNIKEのランニングイベントで、店員さんに「ジェルが口の中に残っていると気持ち悪いから、給水ポイントの手前で食べて水で流すといいですよ」と教わり、その通りにしたらたしかにいい感じでした。
意外と給水ポイントのスポドリとかも、飲んだあと口がずっと甘いのが意外と走っているときストレスだったので、飲むときは水をセットで取ろうかと思います。
ということで、ラスト1周!
4周目からゴール後まで
4周目は、最後の1周の気持ちでいけると思いきや、早い人たちは私が4周目に入るタイミングでゴールしていて、居残り練をさせられている気分でやや折れかけた。
でもここまできたら、絶対完走してやる。なんなら歩かずに走り切りたい(給水時を除く)。
同じくらいのペースの年上女性を発見したので、折り返しまでひたすらなにも考えずにその人のあとを走りました。
そして、とうとう折り返し直前のあたりで、3度目の遭遇の男女ペアを抜かし返しました。やったった。
折り返して少し経ったところで、年上女性の足が止まってしまい、自分1人で走ることに。もう追いかける目標もないので、ゴールだけを目指して走ります。
4周目だと、全ての景色が最後の景色になります。3周目までは、「この建物超えたらスタート地点まであと少しで折り返しだ…!」という気持ちで走っていたのが、「もうすぐゴールだ…!」になります。
比喩ではなく、本当に自然と笑みが溢れ、笑顔になると気分もあがってきて、最後ゴール前全力疾走したくなりました。
が、目の前に同じくらいのペースで走る男性がいて、ゴール直前に抜かすとすごい嫌な感じになるよなぁ、しかも私が目の前でゴールテープ切っちゃったらこの人はゴールテープ切れないよなぁとごちゃごちゃ考え、男性の真後ろでそのままゴールしたため、自分がゴールテープを切れないという結果に。
でももうそんなことどうでもよかった。
なにはともあれ無事ゴール!!!
やっと歩ける…と思った瞬間、ゴール先にいたスタッフに「ゼッケンのチップ(GPSついてるやつ)回収します!」と止められ、立ち止まった瞬間、急に足に力が入らなくなりギリギリで耐え、されるがままチップを外され、アミノ酸のなにかを再び渡され、放たれました。
いざ歩き始めると、逆に歩いていないと足がおかしくなりそうな、流れが止まるような感覚に襲われ、しばらく立ち止まれずずっとウロウロ歩き回っては水を飲んでいました。
おそらく乳酸がめちゃめちゃ溜まっていたということでしょう。
よく、長距離走ったあとは、ダウンジョグをしたほうがいいと情報としては知っていましたが、なるほど。たしかにこの状態で動くのをやめたら足がどうにかなりそうだ。
足の違和感が治ってきてから、ようやくストレッチをし、帰宅。
といっても、2時間30分走り続け、何か食べないとなと思い渋谷へ。完走直後の直感では牛タンを食べたい気持ちだったのですが、電車に乗って駅ビルに着く頃にはなににも食指が動かない状態に。
なお、アドレナリンでも出ていたのか、電車では一睡もしませんでした。
完走後のご飯と翌日まで
なんとなく量が調整できそうだし、好きなもの食べられそうと思い、回転寿司屋さんへ。
入店してタブレットを片っ端から眺めるも、普段なら「本マグロ!」「いくら!」「生タコ!」と注文する手が止まらないはずなのに、なにも食べる気がしない。
と思いきや、突然目に飛び込んできた「のり汁」を衝動的に注文。さらに、人生で注文したことがない「梅きゅう巻き」を注文。
届いたのり汁がおいしすぎて、大火傷しながら一気に完食。
食べられる温度と食べたい速度があっておらず、次の日まで口の中がめっちゃ痛かった。
梅きゅう巻きの酸味と塩味も体に染み渡る…
体がよほど塩分を欲していたのでしょうか。食べ終わったあたりでようやく少し食べたいと思えるものが増えた。
母が注文しただし巻き卵も、なんとなく食べたくなり一切れもらうと、止まらなくなり完食。
そして、いくらとカツオを追加注文。しかし、2皿食べたらもう満腹に。
結果的に、お会計は普段の半分ほどですみました。ハーフマラソンおそるべし。
と思いきや、帰りにいちご大福とポテチを衝動買いし、家で爆食いしてようやく落ち着きました。そして一気に眠気に襲われて昼寝。
その後、家の中を移動しようとするも、膝の違和感がすごい。痛いわけではないが、曲げるとなんかダメそうな感覚で、膝を伸ばしたまま超小股で家の中を動き回る羽目になりました。
なんとかお風呂をすませ、ものすごい達成感とともに就寝。
翌朝起きると、膝はおかしいわ、なぜだか腰がものすごい筋肉痛に襲われ、一日中ものすごくゆっくり家の中を移動。膝も腰も曲げづらいので、床にものが落ちようものなら、拾うのにも一苦労どころか、五苦労くらいしました。
といっても、私の目標はフルマラソン。ということで大会の3日後には軽くリハビリランニングをしました。筋肉痛が治ったと思いきや、腰の奥の方になんともいえない痛みがあったのでちょっと不安です。
フルまでに復活して、あと何回か長めのランニングができるといいですが、どうなることやら。
ハーフですら、自分の体が初めて感じる感覚や、ままならなさを感じたので、この倍の距離を走るなんて想像しただけでも恐ろしいですが、経験として楽しみたいと思います。
教訓まとめ
前日からスポドリを飲んだのはいい感じだった、おかげで全く足がつったりとかはなかった
前日に焦って筋トレはやめた方がいい
日焼け対策は万全に、日焼けしてもいいとかではなく直射日光に一気に体力を持っていかれる
当日は自分のペースを守りつつ、ペーサーの後ろにつけそうならきちんと見失わないようにする
給水は多すぎるくらいする(一応飲むとき紙コップを折って尖らせるのがコツと知識では知っている)
ジェルやスポドリを飲んだ後は水で流す
完走後も急に立ち止まったりしない、歩けそうならゆるゆる歩く
ストレッチ、あとその日の夜に水風呂とか交代浴やるといいらしい(自宅の風呂でどうやって交代浴すんねん…)
まとめとしてはこんな感じでしょうか。では、フルマラソン後にお会いしましょう…!無事完走できることを信じて…!!!