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自分の心に素直になれず、ウソを付きながら生きる
起業当初は、26歳で彼女なしの山形の実家住みで、県外の移動は全て夜行バスでした。
家族からは、
「早く安定した職に付きなよ」
と散々言われて、申し訳ない気持ちで一杯だった。
警察官になった時は、めちゃくちゃ喜んでくれたのに、
それなのに、その期待を裏切って、突然、辞めて、無職として実家に帰ってきたのですから。
車はガソリン代が掛かるから、自転車で行動していた。
正直、惨めでした。
恥ずかしくして、同級生からのご飯の誘いは毎回断っていたし、
外に出る時は、バレないように帽子を深く被っていました。
田舎は、すぐにウワサが広がります。
前職の時は、社会的に認められた職業で、
新幹線や飛行機は普通に使っていたし、カッコイイ車も乗っていた。
彼女もいた。
でも、そんな外見的な見栄を犠牲にしてまで、"自分"の欲望を優先した。
このギャップに最初は耐えられませんでした。
「なんで、辞めたんだっけ?」
月5万も稼げない月が6ヶ月以上も続いた。
貯金もギリギリでした。
その時に、僕は外部からの賞賛に飢えていたことに気づきました。
前職の時は、周りに優秀な大卒の人が多くいました。
対して、僕は偏差値50の高卒。
優秀な大卒は、あっという間に先に行ってしまう。
この前までは、一緒だったのに。
その度に、劣等感が溢れてきました。
今まで何ひとつ頑張ってこなかった人間だったので、これは罰だと思った。
悔しくて、見返したくて、頑張りました。
仕事に集中するために、自分の外部刺激を求めて、
遠距離で6年間付き合った彼女も切り捨てた。
すべては、"自分"の承認欲求のために。
でも、ステージが上がる度に、思い知らされました。
いまの俺では無理だわ。
外部刺激ばかりを追い求めていたプライドの塊である自分では、
これ以上、上に上がることはできない。
嫌でも気づかされるのです。
人間的な魅力や器を広げなくていけないことを。
最初は、バカにしていました。
魅力とか器とか、そんな綺麗事ばかり馬鹿じゃないの。
でも、間違っていたのは、僕でした。
どれだけ能力があっても、実力があっても、僕たちは、そもそも、"人間"であることを。
感情的な生き物なんです。
論理では理解できない領域があります。
だから、僕も論理では認められない世界をようやく受け入れることにしました。
すると、急激に成果が出るようになった。
ここで、やったぜー!!とは全然思わなくて、
むしろ、
俺って、ここまでしないと理解できない頭の硬い人間だったんだと絶望した。
でも、そんな経験があるから、今の僕がいると思います。
そんな失敗や遠回りばかりしてきて、その代償として、
素敵な人たちとたくさん出会えたし、"人間"として成長していきたいと本心で思えました。
でも、まだまだ足りない。
やはり、理想と現実の差が激し過ぎて、落ち込む日々だし、まだまだ届かない。
知識も、実行力も、器も、魅力もすべて、全然足りない。
だから、毎日、夜になると弱い自分が顔を出します。
「なんで、こんなに頑張るんだろう」
「才能ないんじゃない」
「無理だよ」
・・・でも、絶対に諦めなくない。
絶対にやり遂げたい。
今度こそ、自分に素直になろうと。
あの時みたいに、自分にウソを付く日々を過ごしたくない。
そう本気で思っています。
だから、いつの日か、どれだけ時間がかかっても必ず達成する。
これは、僕の人生をかけた挑戦です。
不器用で、プライドの塊で、1人では何ひとつできない人間だけど、
でも、この命が尽きるまで諦めたくない。
今度こそ、自分に嘘を付きたくない。
今まで散々逃げてきたので。
そう本気で思ったので、逃げ道を無くすために。
何年経とうが、絶対にやり遂げる。
この気持ちを忘れないように。
記録として、記憶として残します。