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神様からひと言

標題は荻原浩のサラリーマン小説のタイトルである。
仕事が面白くないなと感じている人に手にとって頂きたい一冊だ。

当初、読書録にしようと思ったが「お客様は神様です」という言葉に対し「では、神様のようなお客様とはどのような存在か?」を考えてみたくなったので、それを書くことにする。

以前の記事でクレームを言う「お客様」のことに触れた。

当社に落ち度があるのだからお怒りなのはごもっともであるが、
「あなたでは話にならないから社長を出せ!」
と言われたこともあった。(当然社長には繋がないが。)

誠意をもって対応しようとしているのにも関わらず必要以上に難癖をつけてくるのは果たして望ましい「お客様」なのだろうか。

「お客様は神様」だから何を言っても、どんな要求をつきつけても当然である、という認識に僕は違和感を覚える。

たしかに売り手と買い手の関係性でみれば、お金を頂く売り手は買い手に対し、へりくだって対応しなければならないかもしれない。

しかし、サービスの受け手・提供者という関係性から例えば、地域社会の経済を良くする、社会的インフラを支えるパートナーという認識で考えてみると自社と「お客様」は同じベクトルを向くのではないのだろうか。

だから自分の便益のためだけに何かを要求するのではなく、社会のためになることを共同で創り上げていくという視点が必要ではないかと思う。

「神様のようなお客様」とは、そのような広い視野に立ち、サービス提供者に対しても配慮することができる存在ではないのだろうか。

少し話が脱線するが、人間の活動には誤差があり、均一ではなく時に感情の影響も受ける。例えば、美容院で美容師さんに話をしていて、ファッションを褒めるといつもより仕上がりがよくなっているような気がする。

レストランで食事をして美味しかったと店員さんに伝えるだけではなく、後片付けしやすいように食器をまとめる。
トイレを借りたらきれいにしてから出る。
立つ鳥跡を濁さず。

そんな細やかだけど、人を思いやることがAI時代に人間に残されたことのような気がする。

今日も皆様にとってよい一日でありますように。


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竹内康司
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