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こんな時、どうする?

財布を無くした。
中小企業診断士の実務補習を終えて札幌から新潟に戻る道中で財布を無くした。
それもバレンタインデーの日に…。
街ゆくカップルを恨めしく思う元気もないほど意気消沈してしまった。

最後に財布を使ったのは新潟駅のみどりの窓口で、長岡までの特急しらゆきの切符を購入した。

普段なら自由席にするのだが、スーツケースの他にお土産の手提げ袋など多くの荷物を抱えていたので荷物を置ける指定席の最後尾の座席にした。

特急の車内はガラガラ。
夜遅い時間帯のせいもあってか観光客は少なくサラリーマンが多かった。

スーツケースの他、リュック、手提げバッグ等を最後尾の荷物置き場に置く。

ここまでは記憶がある。
その後、座席につくと中小企業診断士の実務補習の疲れが一気に出たのか前後不覚にも眠りに落ちてしまった。

東三条駅付近で目覚める。

あれ、財布がない。

ズボンと上着のポッケを探してもない。
もしかしたらリュックの中に入れっぱなしだったかな、と思い荷物置き場へ行ってみたが見つからない。

だんだん心臓の鼓動が早まってきた。
幸い特急の切符は切符フォルダーに置いてあるので大丈夫だが小銭がないので長岡駅から帰りのバスに乗れない。

どうしよう、どうしよう。

とりあえず車掌に報告しようと僕は1号車にいたので最前列の運転席に向かった。

鍵のかかった運転席をノックして
「財布がなくなってしまいました」
と伝えるとキツネ顔の若い車掌は、それは最後尾にいる車掌に言ってくださいと軽くあしらわれる。

腹を立てても仕方ないから急いで最尾の車掌に話をするために移動する。
車掌室に入ると3人のJR職員がいた。

事情を説明すると

「では、新潟駅構内に財布が落ちていないか確認してみます。少々お待ちください」

と言われた。

僕は財布を落とした記憶はないけれど、新潟駅の改札口からホームに移動する間に落としたのか、考えたくないが僕の眠っている間に特急車内で盗まれたかという二つの可能性を考えた。

結局、長岡駅に到着しても財布は見つからなかった。

僕はもう長岡で下車するけど、どうすればよいかと車掌に尋ねたところ、
「交番に行って紛失届を出した方がよいですね」
と親切に教えて頂いた。

長岡駅について長岡駅前の交番に行く。
パトロール中なのか警察官はいなかった。

鍵がかかっていたので交番の中に入ることさえできない。
寒空の中、段々腹が立ってきた。

仕方がないから110に電話をかけて

何で駅前の交番に誰もいないのですか?
誰かひとりでも駐在していないと駐在所の意味がないのではないのですか?とクレームを言ってしまった。

電話に出た警官は
「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。パトロールに出る際は二人で回っているので恐らく出先だと思われます。どうされましたか?」

と親身になって話を聞いてくださった。
電話で一連の状況と財布の中の中身について説明した。

それでは、こちらで紛失届の手続きをしておきます。

あっさり電話口の警官に説明して事なきを得た。
それにしても最後の最後で、まさかしかも新潟で財布を無くすとは。

お金がないので家人に電話で連絡し迎えに来てもらう。
帰りの車内でクレジットカード会社に電話をして利用停止とカードの再発行を依頼する。

明日やるべきことを考える。
運転免許センターに行って、免許証の再発行、保険証の再発行、新潟駅の落とし物センターに確認…。

疲れていたけど頭は冴えていた。

逆に疲れのピークを飛び越していたから悲しむ余裕もなく実務的に次に何をするべきかを考えるしかなかったのかしれない。

逆説的かもしれないが悲しむことは大切だけど、忙しさの中に身を置けば時間的にも物理的にも悲しむことはないのかもしれないなと思った。

2024/2/22
ネコの日に新潟警察から財布が見つかったとの連絡が入った。
本当に良かった。

ネコの恩返しだと思いたい。

チコちゃん

今日も皆様にとって、良い一日でありますように。
すべてのことにありがとうと伝えたい。


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竹内康司
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