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読書録

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読んだ本の感想などです。
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#絵本

読書録 「生きがいについて」

神谷美恵子「生きがいについて」(みすゞ書房) 書店や図書館で手に取った本の中で心に刺さる一文を見つけた時、生きていてよかったなと感じる。 本書はそんな一冊だ。 結局、人間の心のほんとうの幸福を知っているひとは、世にときめいているひとや、いわゆる幸福な人種ではない。かえって不幸なひと、悩んでいるひと、貧しいひとのほうが、人間らしい、そぼくな心を持ち、人間の持ちうる、朽ちぬよろこびを知っていることが多いのだ。 人間の存在意義は、その利用価値や有用性によるものではない。 野

読書録「寝ながら学べる構造主義」2011/2023

内田樹「寝ながら学べる構造主義」(文春新書) 約5か月前、新千歳空港で時間つぶしのために購入した本。 大学入試の現代文の問題に出典されていたことをおぼろげながら覚えていたので手に取った。 「超カンタン現代思想入門書」というキャッチコピーの通り平易な文体で書かれており、肩ひじ張らずに読むことができた。同時に読んでいた「新証券市場入門」がチンプンカンプンだっただけに卑近な例示が多い本書が格段に読みやすく感じられたのだろう。 本書によると「構造主義」とは、所属している社会集団

誰かにとってのお守り-読書録「思いがけず利他」-

中島岳志「思いがけず利他」(ミシマ社) 僕たちは、いつも順風満帆にいくことばかりではない。 予期せぬ出来事から突然、弱い立場に陥ることもある。 ロールズの無知のベールのたとえもあるように、自らの属性が全く分からない場合、弱者を切り捨てるのではなく、手を差し伸べる思いやりを僕たちは持っているはずだ。 「他力本願」とは、すべてを仏に委ねて、ゴロゴロしていればいいということではありません。大切なのは、自分の限りを尽くすこと。自力で頑張れるだけ頑張ってみると、私たちは必ず自己の

大切な絵本

子どもの頃から大好きな絵本の1冊に「ぐるんぱのようちえん」という作品があります。 簡単にストーリーを紹介すると自信がなく孤独でいつもメソメソしていたゾウのぐるんぱは、仲間のゾウたちの励ましと応援によって見違えるようになり町へ働きに出掛けます。 クッキー屋さん、お皿屋さん、靴屋さん、ピアノ職人、自動車屋さんと色々な仕事を経験しますが、どこの職場でも、あまりに大きすぎる規格外のものを作るので、売り物にならないと否定され続けます。 心が折れそうになったぐるんぱですが、ある日1