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【独り言】てるの子育て②《家の中の年功序列》

 家族の年功序列

 私のうちは、長男が生まれた時、義祖母、義父、義母、義妹(年上)、旦那さん、私で暮らしていました。
次男が、生まれた時、義祖母は亡くなっていました。義父は、病気があり長期入院中で、家にはいませんでした。そんなこともあり、他の家よりも少しだけ、家族関係が複雑でした。

長男と、次男は年子なので、この2人も喧嘩が絶えませんでした。
長男は、のんびり屋さんで、しっかり考えて動く。
でも、時々失敗。
次男は、お兄ちゃんを見ているので とにかく要領がいい。
足もお兄ちゃんより速い。
たぶん、自分はお兄ちゃんより何でもできると思っている模様。
だもんで、2人も喧嘩ばっかりでした。

で、その頃気になったのは、義母への言葉使いです。
家族ですから 敬語を使えとは言いませんが、
孫に甘いお婆ちゃんでしたので、無知と、甘えから 考え無しの言葉をぶつけていました。

「えー?お婆ちゃん こんな事も出来ないの?」
「お婆ちゃん、さっさとしなよ。」

こんな感じです。
あ、この『さっさとしなよ。』は、多分私の責任です。
事をうながす時、『はいはい、さっさとやってくださーい。』とか、よく言っていたので。

お婆ちゃんに、そういう事を言うな、と、言っても その場は納まるかも知れませんが、それじゃあなあ・・・。
私より年上の義妹もいるし。

色々考えた結果、めんどくさいので(?)年功序列にする事にしました。
ここで例の《ルール決め会議》です。
この時は 長男9才 次男8歳 末っ子4歳だったと思います。
3人を集めて 部屋の真ん中で車座になります。

私「はい、ここで問題です。じゃじゃん!    
  この家で、1番偉いのはだれでしょう?」
子「んーパパ!」

本当は偉い、偉くないの問題では無いのですが子供に分かりやすいように『偉い』と言う言葉を使いました。
子供も 父親中心にこの家が動いているのは、分かっているようです。

私「ほうほう。で、次は?」
子「お母さん!」

この頃何故か、主人は『パパ』と呼ばれ、私は『お母さん』と呼ばれていました。

私「なるほど、次は?」
子「・・・お姉ちゃん?」

ここでの『お姉ちゃん』は、義妹の事です。

私「ふんふん。次は?」
長男「・・お婆ちゃん・・・」
次男「え、お兄ちゃんと、僕じゃない?」

この辺りで 2人が考えている『家族内の自分の立ち位置』が、分かって可笑しくなったのを覚えています。
末っ子は、まだ、よく分からず(なんか 面白そうなことやってるな。)的な感じで ニコニコ座っております。

私「2人ともおしい!半分正解!」
この時、『半分しか合ってない』とか、『半分間違い』とかではなく、『半分正解!』と、正解したことを強調します。

私「では、正解を発表します!じゃじゃん。」

あくまでクイズ形式で。

私「この家で、1番偉いのはー?仏様でーす」
子「??」
私「仏様は、長男君や次男君、末っ子ちゃんの 
 ご先祖様で、皆を守ってくれるから1番でー                         
 す。」
子「えー?そんなの分かんないよー。」

どんどん行きます。

私「次は、お婆ちゃんでーす。お婆ちゃんは                 パパのお母さんだから2番でーす。お爺ちゃんもいるけど、入院中だから帰ってきたらお爺ちゃんが2番になりまーす。パパは、3番でーす。4番はお姉ちゃん(義妹)でーす。」

子「えー、お母さんじゃないの?」

嬉しいが ぶれてはいけない。

私「お姉ちゃんは、お母さんより年上だから4番でーす。」

私「5番は お母さんでーす。」

長男「じゃあ、次は僕?」

私「正解!」

次男は、不満そうです。

私「6番長男君、7番次男君、8番末っ子ちゃんでーす。」

この時に、お婆ちゃんは、大変な思いをしてここで暮らしてきた事や、パパが、働いているから生活できている事、義妹も、子供たちを可愛がってくれていることを お話しします。

家族内では、この順番を結構重視しました。
と言っても、ご飯やお味噌汁を配るのは仏様からとか、お菓子などお婆ちゃんにも分けるとか、おやつは長男から貰うとか、そんなものものですが。
いまだに、これは守られています。
子供たちがご飯をよそったりしてくれる時は、まず、仏様から配られています。
そして、(義父)、義母、父、母、長男、次男、末っ子の順です。

まあ、劇的に言葉使いが、良くなるわけでもないのですが、義母に乱暴な事を言ったりした時、
「お婆ちゃんに、そんな口きくんじゃないよ。」
と、私に言われても、何で駄目なのかの理由が一応、明確になっているので、分かってくれます。
そもそもお婆ちゃんは穏やかな人だったので、子供たちも それに習った部分も大きかったと思います。
私の希望として、取り敢えず 年寄りを敬え。
と言うことが言いたかったのです。
うちのお婆ちゃんは、割りと穏やかな人だったので上手くハマりました。
このやり方は、お爺ちゃん、お婆ちゃんの性格で ハマる、ハマらないが決まるかもしれないですね。

3人の年功序列

 兄妹3人の序列も作りました。
この序列には、次男君は、不満です。
自分は何でも、お兄ちゃんと同じか、それ以上に出来ると思っているからです。
でも、ここは明確にしておきたい事でした。
長男と次男は、何十年経っても長男と次男で、そこは、絶対に変わらないものだからです。

私「長男君は、この中じゃ1番なんだから、ど うしなきゃいけないんだっけ。」

長男「・・・?」

私「仏様は、皆をどうしてる?」

長男「! 守ってる。」

私「その通り。長男君は次男君と末っ子ちゃんを 優しくして守ってあげなきゃいけないんだよね。これは大変だよー。2人を守らなきゃいけないんだから。出来るかな。」

長男「・・・うん。」

神妙な顔付きで頷きました。

私「次男君は、まず、長男君の言うことは全部聞きなさい。」

次男「えー?」

私「長男君は、次男君を守ってくれるんだから、言うことを聞いて欲しいの。もし、物を盗んでこいとか、逆立ちで外を回ってこいとか、言われても、ひとまず、『わかった』って言いなさい。」

次男「え?」

私「でも、それはできなかったり、しちゃいけないことだって、次男君は分かってるよね。そしたら『長男君が、こう言ってるんだけど』ってお母さんに言いに来て。その時はお母さんがちゃんと長男君に言ってあげるから。」

次男「分かった。」

私「で、末っ子ちゃんの事は、君もちゃんと守ってあげるんだよ。」

次男「うん。」

長男も、とんでもないことを言う様な子ではなかったので、その辺りはあまり心配はしていませんでした。

私「末っ子ちゃん、あなたは、お兄ちゃん達が あなたを守ってくれるんだから、2人の言うことをちゃんと聞いてね。」

末っ子「はーい。」

ここは訳が分かっていないので簡単でした(笑)
そして、最後にもう一度長男に戻ります。

私「2人は あなたの言うことを聞くんだから、あなたは2人に優しくして、守ってあげるんだよ。」

と、念押し。
これで、理想通り行けばいいですが、まず、そんな事はありません。
子供の喧嘩は どっちが悪いと、ハッキリしているものは、少なかったように思います。
明確にどちらかが悪い場合は、それを指摘すればいいのです。
勿論、説明付きで。
これ、大事です。
で、問題は、どっちも悪いし、どっちも悪くない場合。
こう言う時に、3人の(2人の?)序列が使えます。

ゲームの取り合い、本の取り合い、そんな事が多いです。

長男「次男が、僕がやってるゲーム、取ろうとする。まだ、やってたのに。」

次男「お兄ちゃんがゲーム 貸してくれない。僕だってやりたいのに。」

2人の言い分はわかります。
どっちも悪いし、悪くない。

私「ふーん、そっかー。長男君は、次男君にどうするんだっけ。」

長男「・・優しくする。」

私「だよね。優しくした?」

長男「・・・」

私「次男君は、お兄ちゃんの事、どうするんだっけ。」

次男「・・・言うこと 聞く。」

私「うん。言う事聞いた?」

次男「・・・聞いてない。」

私「2人が、2人に違う事してるから、喧嘩になっちゃうんじゃないのかな。どうしたらいいか、2人とも考えてごらん。」

私はそのまま、その場を離れます。
すると、2人で解決してくれる事が多かったです。
この ゲームの時は長男が次男に貸してあげていた様ですが、その時々で、長男が終るのを次男が待つ時もありました。
まあ、いちいち喧嘩はするんですけどね。
で、私に「どうするんだっけ。?」と、言われて考えて、2人でどうにかしていたので、それで良しとしました。
この「どうするんだっけ。」のやり取りは、かなりの回数だったと思います。
喧嘩のたびでしたから。
でも、約束したので、根気よく「どうするんだっけ。」と、言い続けました。

この、3人の年功序列には、後日談があるので、次回はその話を あげたいと思います。

皆様の上に たくさんの幸せがあります様に
                光川 てる



 
      





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