原点
ここから入ってはいけないと言い渡したら、承諾したから、信用した。覆いかぶさってきた。抵抗したが、やめなかった。
抵抗しながらそれ以上に抵抗する方法は、大きな声を出すか、暴力的になるかだと考えた。
大声を出して近所に被害に遭ったとわかってしまったら、顔をあげて住み続けることはできないと思った。
いろんなことを考えていたと思う。ここに住み続けたかった。この場所での目標が少し先に実現するのを楽しみにしていたからだ。
混乱した。禁止して、それに同意したのに、襲ってくる、抵抗してもやめない、これはなんなんだ?生まれて初めてだ。
身体を大事にしたかった。会いたい人がいたからだ。
暴力的に抵抗をしなかった自分を怪しんだ。気持ちは無いのに、もしかして本当は、自分には分からないだけで、好きなのではないかと。