3D図鑑を作る (8) Vroid Studioとの邂逅

Blenderでモデルを作るのに疲れていろいろやっているうちにVroid Studioのメジャー・バージョンがリリースされた. Vroidという3Dのアバターが作れるソフトだ. 従来のBlenderやMayaといったDCC(Digital Content Creation)ツールでの作成とは違い, 元になるVroidのパラメータを調整してアニメ風人体モデルが作れる. ゲームなどでよくあるキャラクリ(キャラクター・クリエーション)だけを切り出したソフトウェアともいえる.

トポロジーの参考程度にと思って触り始めたのだが自由度が高くなっていてびっくりした. 操作性や見た目も改善されており使い心地が良くなっていた.

触っているうちにもうこれでいいんじゃないかと思い始めた. ものの5分でこんな感じのモデルができてしまった. よくある実質作業時間5分(+思考時間)ではなく, 手を動かしてモデルができるまでが正味5分である.

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ありあわせのものでオリジナリティという点では少し物足りない気もするが(作りこみの問題かもしれませんが)以前のVroid Studio臭は薄まっている. パラメータも多彩になりオリジナルなキャラクターの作成が可能になっていると思います.

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ジト目などで目をつむるとまつ毛が食い込むといった破綻があったがVRChatで使うアバターとしてなら許容範囲内だろうか. どうしても物足りないならBlenderなどにもっていって改造もできる.

ややアニメ・アニメしているのが個人的に嫌なポイントで, 個人的には下のような感じのデフォルメ具合を目指しています.

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Vroid(Vroid Studioで作成されたアバターを指す)題材にして勉強しつつ自分のモデルにフィードバックできたらいいなと思っている. 特に個体差が少ない体はそのまま引っ付けたらいい気がする.

Vroid Studioの特徴

自由度の高さとかいろいろあるがもっとも特徴的なのは利用規約の開放性だろう. 改変はもちろん有償無償の再頒布もでき用途は問わないとなっている.

VRoid Studioガイドライン

オープンソースソフトウェア(OSS)に通じるところがある(Vroid Studio自体はクローズド・ソースだが・・・). 唯一禁止されているのはVroid Studioクローンの作成だ. これはフリーでやってるソフトウェアを販売されるのを避けるための規約だろう(なお個人的な用途なら不問としている). ソフト自体は(おそらく)ブレンド・シェイプのお化けなのである程度のスキルや経験があれば似たものが作れるだろう.

同じようなキャラクター作成のソフトとしてはDaz 3DやBlenderにもHuman Generatorというアドオン, Unreal Engine 5にはMetaHuman Creatorというのがある. すべてリアルな人間を作れるものでアニメ風のキャラクターのものはこれまでなかった.

この手のモデル自体は昔から作られていてBlenderやMetasequoia, XISMOといったソフト(もちろんMayaや3ds max, Modoなど)などでたくさん作られていた. 私も書籍を何冊か買ったしいろんなサイトにノウハウを載せている人もたくさんいて参考にしました. ただこの手の情報は(バイアスかもしれませんが)日本語の情報が多く海外の人には敷居が高かったのではと想像している.

3Dキャラメーカー「VRoid Studio」、実は海外で人気? 背景には英語話者のVTuber

とにかくアニメキャラの作成を民主化したと評してもいいのではないだろうか.

何よりボーンとかスケルトンとか,  スキニング, あるいはシェイプキー(Blenderでのブレンド・シェイプの呼称), テクスチャ(後なんだっけ?)といった定型的なんだけど職人的なモデル作業から解放されたのが嬉しい.

今後の作業(Unityとか)でぬか喜びだった/早とちりという可能性もあるが, ひとまずこの解放の喜びをここに記しておきたいと思う.

作りかけのキャラクターの供養もかねて(いや、まだ作りますけどね💦)

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