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何故、オフショア金融商品には長期積立商品が多いのか?
長期積立型の投資商品が多いのは、安定的な資産形成を支援するための設計によるもの
こんにちは。ブレインシード行政書士事務所の開田晋作です。本日はオフショア金融商品について、長期積み立ての商品が多いのは何故か?について解説します。
オフショア金融商品に長期積立型の投資商品が多いのは、投資家の安定的な資産形成を支援するための設計 によるものです。しかし、金融機関や紹介者のビジネスモデルの都合で長期契約を推奨されるケースもあります。
特に、紹介者の手数料が最も高くなるのが長期契約であるため、契約者の意図とは異なる勧誘が行われる場合があるのが度々問題視されています。
オフショア金融商品とは?
オフショア金融とは、シンガポール・ケイマン諸島・マン島などの国際金融センター(IFC)を活用した投資運用の仕組み であり、主に以下のような商品が提供されています。
オフショア生命保険(Investment-Linked Insurance) → RL360°、フレンズプロビデントなど
オフショア投資信託・ファンド → 海外の投資ファンドやETF
オフショア年金・積立投資プラン → プレミアトラストなど
オフショア信託・資産管理 → ケイマン信託、マン島信託
これらの商品は、基本的に 長期積立型 で設計されていることが多く、短期で利益を得るような設計ではない点が特徴です。
なぜオフショア金融商品は長期積立型が多いのか?
オフショア金融商品に長期積立型が多い理由は、大きく分けて以下の6つがあります。
1. 資産運用会社側の収益モデル
資産運用会社のビジネスモデルは、顧客の長期運用による手数料収入 に依存している。
長期積立であれば、一定の資金が継続的に流入し、安定した管理手数料収入を確保できる。
そのため、10年・20年単位で積み立てるプランが多く、短期売買を推奨する商品はほとんどない。
2. 世界基準の資産形成戦略
欧米の投資文化では、「資産形成は長期運用が基本」という考え方が根付いている。
短期売買よりも、時間を味方につけた複利効果を活かす積立投資が重視される。
そのため、オフショア金融商品も、自然と長期積立型が中心になっている。
3. 運用リスクの分散
投資信託やファンドの運用は、短期的な市場の変動に影響を受けやすい。
しかし、長期積立型にすることで、ドルコスト平均法(DCA)を活用し、リスクを分散できる。
特に、市場が下落した際にも定額で購入することで、長期的に平均購入単価を抑えられる メリットがある。
4. 顧客の資産保全と税務上のメリット
オフショア金融商品は、資産保全(アセットプロテクション)や国によっては相続対策として利用されることがある。
一定期間の積立を続けることで、資産の流動性を制限し、法的なリスクを軽減できる。
また、一部の国では、長期積立型の金融商品に対して税制優遇措置が適用される ケースもある。
5. 紹介者の手数料が最も高くなるから
オフショア金融商品の紹介者が受け取る手数料は、積立額 × 積立年数 × 手数料率 で決まる。
つまり、契約年数が長ければ長いほど、紹介者が得る報酬が増える。
そのため、契約者の意図とは関係なく、できるだけ長期の積立を勧める勧誘が横行している。
「長期契約の方が利回りが良い」「途中解約すると損する」といった説明がされるが、実際には紹介者の手数料を最大化するための勧誘であるケースが多い。
6. 解約ペナルティによる長期契約の確保
オフショア金融商品の多くは、途中解約時のペナルティが高く設定されている。
これは、金融機関側が長期的な契約を維持するための仕組み であり、短期解約を抑制する効果がある。
例えば、RL360°の積立投資プランでは、10年以上の積立が前提となる場合がほとんどで、途中解約すると大幅な損失が発生する。
そのため、長期運用することで最大のメリットを得られるような設計になっている。
長期積立型のオフショア金融商品を利用する際の注意点
オフショア金融商品を正しく活用するには、以下のポイントを確認することが重要です。
1. 途中解約時のペナルティを理解する
長期積立型の商品は、途中解約時に大きな手数料が発生するケースが多い。
契約前に、「最低何年間積み立てが必要か」「解約手数料はいくらか」 を必ず確認する。
2. 「長期積立が絶対にお得」とは限らない
長期積立型の契約が勧められる理由は、紹介者の報酬が最大化するからである可能性がある。
本当に自分に適した契約か?短期積立型や一括投資型の選択肢はないのか?を検討することが重要。
まとめ
オフショア金融商品には長期積立型が多いのは、資産運用会社のビジネスモデルと投資の安定性を重視した設計によるもの。
しかし、紹介者の手数料を最大化するために、契約者の本意とは違う長期契約を勧められるケースもある。
契約前に「解約ペナルティ」「積立期間の選択肢」「短期契約の可能性」について慎重に確認することが重要。
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次回予告
次回は、「オフショア金融商品は詐欺なのか?」 について解説!
オフショア金融商品には多様なラインナップがあります。契約時にそれが詐欺商品かどうかを見極めるポイントについて、詳しく紹介していきます。