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東北新社グループで最も落語に詳しい三浦さんに初めて落語を見た大野さんが聞いてみた!シリーズです!全4話(その4)
東北新社グループで最も落語に詳しい三浦さんに初めて落語を見た大野さんが聞いてみた!シリーズです!全4話(その4)
『TFC LAB Presents 集まれ伝統芸能部』
【山下】さっき、いろんな好きな演目っていうことで二つしか紹介できませんでしたけど(笑)。
【三浦】すみません。まずやっぱり話が分かったほうがいいかなっていうことで一応説明しちゃいましたが、あんまり覚えてないのとちょっと拙いので時間がかかってしまって申し訳ないです。すみませんでした。
【山下】まあ、三浦さんが生きている間に紹介し続けたいと思いますが。じゃあまた次の三浦師匠に聞く質問をですね、どうでしょうか?
【三浦】いえいえ、師匠はやめましょう(笑)。
【山下】三浦さん、三浦知之さん。
【大野】ちょっとまた、別の感じの質問になっちゃうんですけど、私、前回皆さんに連れて行っていただいて初めて落語を見に行ったわけですが。
【山下】桂吉坊。
【大野】はい。客として落語を鑑賞していてどう反応していいかとか、どういう態度で聞いていたらいいかとか。
【三浦】態度? 見る態度?
【大野】心がけといいますか、これだけはNGだみたいなことは何も分からないまま過ごしていたのですが、あるんですか? そういう……。
【三浦】噺家さんがすごい嫌がるのは、大野さんこれから落語を好きになっていろんな噺をCDで聞いたり落語会に行ったり寄席に行ったりしてどんどん理解していくじゃないですか。いわゆる覚えていくっていうことになりますよね。そうすると、例えば大野さんが自分の後輩とか「大野さん、ちょっと私落語に行きたいんですけど」って言う人が出てきて連れて行ったりする機会が出てくると思うんですよね。その人は初心者で、大野さんはまあ結構落語を聞いてると。そのときに、さっき、ちょろっと言いましたけど噺家さんってまくらを噺の前に振るじゃないですか。まくらに今日何を話すかっていうヒントが結構入っていたりするんですよね。そのときに大野さんがまくらを聞いて「あっ、今日こいつこの噺やるぜ」っていうのを声に出して言ったりするのはNGです。分かってても。
【大野】はい。
【三浦】そういうの噺家さんすごい嫌がります。
あと、結構年配のお客さんで多いんですけど「このあとこうなるんだぜ」とか言う人いるんですよ。
【大野】いるんですか? そんな(笑)。
【三浦】本当にいるらしいですよ。よく落語家さん、高座でまくらで振りますけど「演芸ホールには多いんですよ、こういう客が」って。「おじいちゃんがおばあちゃんにこのあとこうなるんだよとかっていうのを、したり顔で話すんだよね」っていう。それはNGですね。でもNGはそのぐらいかな。つまらなけりゃそっと寝てもいいし。いびきかくとまずいですけど。
【大野】はい。
【山下】なんかときどき観客がいじられたりしますよね、遅れて来たらね。「ここ空いてますよ、ここですか?」とかってやりますよね。
【三浦】それはお約束ですね。
【大野】そうなんですね(笑)。
【三浦】最初に話してた独演会が取れないとか落語会のチケットが取れないっていう話があるんですけど、そうするとみんな言うんですよ。「おかしいな、今日売り切れたんだけどなんでここ空いてるの?」って。
【山下】そうそう。そしたら遅れて来たりとかね。
【三浦】来たりするんですよ、また。「いらっしゃいませ」とかね。
【山下】一番前の真ん中とか最悪ですよ。絶対に早く行っておかないと。
【三浦】でもそれは別にいいんです。遅れて行っていじられるのも。それはもうそういう役どころだから。まあ遅れて行かないほうがいいですけど、自分にとってもね。わざと遅れて行くのは駄目ですよ、いじられたくて。
【大野】そうですね(笑)。
【山下】陰湿じゃないですか、それ(笑)。
【大野】怖いなあ(笑)。
【三浦】偶然遅れて行っていじられるのは仕方がないですけれども。もう今日は何か言われるなと。
【大野】はい。
【三浦】それをよくやるのは神田松之丞もやりますね。松之丞も過去によくやってました。あと立川談春。談春は始まる前によくブツブツ文句言ってますね。「おかしいな、完売してるのにな」とか言って。
【山下】あー、それの話か。
【大野】怖いじゃないですか(笑)。
【三浦】「いらっしゃいませ」って言うのは誰だったかなあ……? ちょっとあんまり覚えてないですけど。柳家三三とかは結構スルーしちゃいますね。あんまり気にせず。あっ、でもネタにはするか。あー、やっぱり三三も言いますね。噺しながら「いらっしゃいませ」とか言いますね。
【山下】あれはでも生っぽいですね。ライブのおもしろさですよね。
【三浦】それはそれでおもしろいです。他の客を喜ばせるためにその人をいじってるだけなので。
【山下】そうそう。だから見てるほうは笑っちゃうわけですよ。あー、あの人がいじられてるみたいなね。
【三浦】そうすると、いじられたほうはテヘへってなる。
【大野】なりますね(笑)
【三浦】まあ気にしなければ全然。だから噺のことを客席で説明したりするのはご法度ですね。どんだけ知ってても。
【山下】あと、寄席だとご飯とか食べられて飲み物も飲んで。
【三浦】あー、そうですね。今でも飲めないんでしょ? 確か。
【山下】コロナで? あー、そっか。
【三浦】停電、今しましたけど……。あっ、停電じゃない、電気が落ちましたけど、停電って昔あったらしいですよ、結構。落語会とかで普通に。
【山下】あっ、停電が?
【三浦】うん。あるでしょうね、そんなのね。自分が子どものころ停電とか普通にあったし。
【山下】あー、ありました。
【三浦】停電するとどうするんですかね? 会場とかね。
【山下】でも耳だけだと聞こえるから。
【三浦】でも続けるのも結構ザワザワしちゃいますね。
【山下】そう、俺が噺家だったら停電のネタに変えるとか?
【大野】それ聞きたいですね。
【山下】「あれ? 暗い、目が見えなくなっちゃいました」みたいな感じになっていくね。
【三浦】で、いきなり心眼っていう噺になって。
【山下】そっちの噺になるね。目が見えない人のお話とか。
【三浦】あと気を付けること……。これはちょっと私だけが気になるのかもしれないですけど、前のお客さんがあまりに動きすぎるとちょっと気になりますね。もう落ち着かない人いるんですよ。のべつまくなしにこうやってて。何首振ってるのかなあって。
【山下】でも首をこうして止めるわけにもいかないですしね、なかなか。
【三浦】やっぱり嫌でしょ? 止められたほうも。あれちょっと……、相当気になりますね。
【山下】筆か何か用意して後ろをコショコショっとかやったりしてあげるのもいいかもしれないですけどね。
【三浦】怒鳴りつけられてもね。会場全体の空気が悪くなるじゃないですか。
【山下】あと三鷹の森元さんとかは、コンビニの袋?
【三浦】あー、そうだ。
【山下】袋に入っている飴とかをガサガサ音が立たないように速攻開けないと、その音がずっと長く続くって言うね。一気に開けろって、あめちゃんの袋。
【三浦】コンサートだとチラシ配ったりするので、まあ落語会も配るか。チラシをバサっと落としたりする人いるんですよね。
【山下】椅子からね。
【三浦】居眠りしてて。寝るのはいいけど物を落とすのは駄目って。寝るのはもう百歩譲ってしょうがない。
【山下】特に『牡丹灯籠』みたいな噺だとしーんとしてるから。
【大野】確かに。
【三浦】あと今、山下さんが言った飴も駄目ですね。飴の袋のピリピリは結構聞こえるから。
【山下】飴は本当にアレなんですよ。今、個包装でしょ? まあコロナでアレかもしれないけど。(どうでもいいような話ですいません。)
【三浦】だからその辺はちょっと。結局他のお客さんに迷惑がかかっちゃうから。そのぐらいかな。あと、そうそう。身を乗り出して見ないほうがいいです。自分がすごく関心が高いと深まるのは分かるんだけど。一応背もたれがあるじゃないですか、椅子。ここからこうやって身を乗り出して聞いたり見たりするのはこれも駄目です。というのは後ろのお客さんは邪魔になる。
【山下】見えにくくなって。なんか体幹を鍛えるためかもしれないけどね。
【三浦】あと帽子かぶって行ったら帽子は取りましょう。
【大野】はい。
【三浦】それはもう落語に限ったことではなく、舞台の催し物を見るときの基本ルールですね。意外とそういうのを分かってない人いるので。そういうのはちょっと注意したほうが。気持ちがものすごく入っていって前傾姿勢に、前のめりになる気持ちも分かるけれども背中はぴったり付けて、気持ちだけで入っていきましょうっていうことかな。
【大野】はい。分かりました。
【山下】逆に、観客としていいお客さんっていうのがたぶんあると思っていて。すごいいい噺だとみんな集中して聞くじゃないですか。そうするとうけるとき一瞬でドンとうけるんですよ。これは全観客が集中してそれを聞いているからなんですよ。あれはいいですよね。
【三浦】いいですね。まあ何言っても笑う客っていうのはあんまり噺家としてもしらけるらしいですよ。「なんだよ、笑わせるつもりで言ったんじゃないのに」っていう。
【山下】お笑いライブとか多いですよ。お笑いライブに行くとファンが前のほうにいてワーっと笑うから、「おまえら笑いすぎやんけ」って、普通に見てるとなんかしらけちゃうの。
【大野】なるほど。
【山下】ファンだから。
【大野】そうですね。
【山下】それはあります。
【三浦】落語も笑いたくて行くのはいいんだけれども、あんまり無理やり笑う必要はないっていうことですね。
【山下】そりゃあそうですよね。自然体がいいんじゃないかな。
【三浦】噺家さん達も観客席の空気でずいぶん変わってきますから。乗るっていうのかな。
【山下】そう。空気は分かります。あれは分かるわ。あれ観客席にいても分かりますよね。
【三浦】分かりますね。
【山下】その空気。すごいわ、みんな集中してるわって。それがものすごく面白いんです、本当に。
【大野】いいですねー。
【三浦】あの人達、ものすごく敏感なので。やっぱり高座で話してる人達って。だからそういうのを一瞬で察して「これ駄目だ」と思うとおそらくサラっと流したりする可能性も。
【山下】そうですね。
【三浦】寄席なんか絶対そうですね。
【山下】あー、絶対そうですよね。
【三浦】自分の会、ホール落語とかだとさすがにそれはできないから、どうしたらこれをうまい方向に持っていけるかって考えるんでしょうね、きっと。
【山下】悩みますよね。だからちょっといじりを入れたりとか急にして、空気を変えたりとかね。
【三浦】伯山さんとか一生懸命それやりますよね。
【山下】ああ、空気変えようと。なるほどね。
【三浦】特に今はもう人気者だからでかいところでやることが多いので。
【山下】ちょっと分散しちゃいますよね。箱が大きいとね、空気がね。
【三浦】そうなんですよね。先週、久々に行ったんですよ、伯山。
【山下】どこでやってたんですか?
【三浦】錦糸町のすみだトリフォニーホールっていう。
【山下】大きいじゃないですか。
【大野】聞いたことある。
【三浦】オーケストラやる。
【山下】フルオーケストラやれるところじゃないですか。
【三浦】2000人ぐらい入るホールで。
【山下】いっぱいだったんですか?
【三浦】そうでもなかった。
【山下】一つずつ空けて? 密にならないように。
【三浦】どうしてたかな? 一番前と二番目は入れてなかったけど、あとは全部入れてるような気がしました。私の場合はどうやって行ったかって言うと、公演の三・四日ぐらい前にすみだトリフォニーホールからメールが入って。「チケットまだあります」っていうメールが入ったんですよ。
【山下】2000人も入るから。
【三浦】これどういうことだろうなあと思ったら、まだチケットあるのかと思って。
【山下】平日ですか?
【三浦】平日です。
【山下】あー、だからかもしれないね。
【三浦】じゃあ行こうと思って。もう二階席の端しかなくて、それで買って行ったら三階とかは全然売り切れなくて。当日券もあったみたいですけどね。そしたらやっぱり伯山は主催者を悪者にして、こんなでかいところでやるもんじゃないと、そもそも。主催者とスタッフを悪者にしてましたね。「ここでやるのを受けたのはうちのスタッフが受けてしまいました」と。
【山下】それ奥さんじゃないですか、でも(笑)。
【三浦】いや、もういるでしょう。スタッフはきっと。
【山下】そうなんですかね。奥さんは今やってないか。
【三浦】それで三階席って遠いんですよ、すごい。
【山下】そりゃあ、だってクラシックのコンサートするところですからね。
【三浦】私がいた二階でも遠いから、盛んに言うんですよね。「これ一階席と二階席と三階席、全部3500円じゃ三階の人怒りますよね」って3500円を連発。そうやって場を和ませてくるんですよ。
【山下】なるほど。
【三浦】だから当然すみだトリフォニーホールでやる伯山の会って、常連もいるけど初めて来る人も結構いっぱいいるわけで、少しずつ少しずつ空気を醸成していかないと。それがすごく上手でしたね。もう3500円と三階の皆様ごめんなさいと、その連発(笑)。
【山下】素晴らしい。でもそれが今の三浦さんのトークに生かされてるかもしれませんね。もしかしたらね。
【三浦】あー、そうですね。
【山下】絶対ありますよね、それ。
【三浦】伯山はうまいですけどね、やっぱりそういうのはね。伯山すごいなと思ったのは、でかいホールってやっぱりマイクの使い方が結構生命線じゃないですか。
【山下】分かります。
【三浦】かなり音響もよかったし、あと普段よりも身振りもでかくやっていたような気がしますね。
【山下】あ、大きい身振りでしてね。引きで見ている人がいるからね。
【大野】遠くから見ても。
【三浦】うん。だからかなり遠かったけど満足できましたね。
【山下】なるほどね。
【三浦】そういう意味で言うと、逆の話すると落語も歌舞伎座でかつて枝雀がやったり。
【山下】あと、あれじゃないですか? 親子会で談志と談春が。
【三浦】あれは確か新橋。
【山下】新橋演舞場か?
【三浦】うん。まあでかいですけどね。
【山下】でかいですよね。
【三浦】なかなかそういうところでやるのは、本当に特別な会っていうことで。あんまり広いところで……。だからホール落語を聞くときに、このホールだとどうなんだろうっていうふうに選択眼っていうかな? そういうのを持っておいたほうがいいかもしれないですね。
【山下】それも選択する基準になると。三浦さんお勧めとかどこですか? ホールで。
【三浦】そうですねー、ホールだとどこだろうなあ。好きなのは狭いですけど深川にある深川江戸資料館のホールはすごい結構小さくて好きですね。
【山下】あそこ小さいですよね。
【三浦】あとは、日本経済新聞と読売新聞が大手町に。
【山下】あっ、大手町の。
【三浦】ええ。それ両方とも。
【山下】よみうりホールでしたっけ?
【三浦】いや、よみうりホールは有楽町で結構広いので、あそこはあんまり好きじゃないです。個人的には。
【山下】あっ、そうだ。あのビッグカメラの上ね。
【三浦】うん。
【山下】大手町のなんだっけ? サンケイホール? じゃなくてなんでしたっけ?
【三浦】日経ホールとよみうり大手町ホール。
【山下】あっ、日経ホールとよみうり大手町ホールか。
【三浦】両方ともそこそこ広いですけど、結構……。
【山下】新聞社のホールなんですね? あれ。
【三浦】そうですね。
【山下】日経新聞社と読売新聞社のね。
【三浦】結構いい会やりますよ。
【山下】大手町に行くと、三浦さんは飲み屋をよく知ってるんですよ。ここはいいとか、あっちのお店はここがいいとか。
【大野】いいですね(笑)
【三浦】ホール落語に行くと必ず酒を飲みたくなっちゃうので。
【山下】たぶん聞いた後も飲みたくなってると思いますよ(笑)
【三浦】やっぱり落語を聞いた後って真っすぐ帰れない感じがどうしてもあって。
【山下】酒飲みも落語に登場してきますからね、本当に。
【三浦】観客としてはホールによって決めるっていうのもありかもしれないですね。
【大野】はい。
【三浦】まあ、あちこちちょっと行ってみないと分からないっていうのもありますけど。
【山下】そうですね。まあ大野さんは一番割とミニマムな落語の初体験を。20人ぐらいで見てましてからね。
【大野】あれはやっぱりだいぶ特殊なパターンになりますか?
【三浦】すごい特殊です。
【大野】すごい特殊になりますか?
【三浦】もう本当に特殊です。
【山下】あれはたぶん主催者は儲からないんじゃないかっていうね。
【三浦】間違いなく儲かってないです。
【山下】持ち出しでやってるような感じですよね、本当に。貴重な体験でした。
【三浦】そのお金はどこから出てるんだろうっていうのは言いっこなしぐらいな感じじゃないですかね。
【山下】働いたお金でそれを補填しているみたいな感じで大変ですよ、本当に。
【大野】そうですよね。そっかあ。
【三浦】あと、ホールじゃないですけど半蔵門にある国立演芸場っていうのはいいところですね。
【山下】国立劇場の横ね。
【大野】横。はい。
【三浦】300人ぐらいかな? 小さいところ。
【大野】ちょうどいいんですかね?
【山下】駅はどこだ? 麴町? 半蔵門か。
【三浦】半蔵門と永田町の間ぐらいです。
【山下】結構歩くんですよ。
【大野】駅のちょうど真ん中ぐらい?
【山下】そう。10分ぐらい歩くかな?
【三浦】そうですね。まあ半蔵門が近いかな。
【大野】はい。
【山下】あそこはいいですね。
【三浦】いいところですよ、とっても。寄席もやっていますしね。
【山下】あれ毎月定席でやってるんですか?
【三浦】上席と中席はやってるのかな? ただ末廣亭みたいに昼席・夜席の二交代制じゃなくて一回しかないですけどね。
【大野】そう考えると、結構お話の中に出てきたアレですといろんなところでやってますね。
【三浦】ホール落語はもうあちこちで。
【大野】一回だけのところはあっても。やってますね。
【山下】いろんなところで普通にやっていますよね、定期的にね。この前、三浦さんが東横落語会の話をされてましたけど、紀伊國屋とかね。三越もやってません?
【三浦】三越もたまにありますね。三越劇場で。
【山下】あと有楽町の朝日ホールとかは。
【三浦】そうですね。あそこはでかいですね。朝日名人会ってやってますね。
【山下】朝日名人会だ。それ行くのもいろんな人が見られるからいいかもですね。
【三浦】日本橋三越のホールで一回だけ見たのは、松之丞時代の伯山が刀剣の人と一緒に出てましたね。刀の。今結構刀剣ブームだったりするじゃないですか?
【山下】刀剣乱舞とか。今はやってる。
【三浦】そうそう。
【山下】刀剣女子が増えてるらしいですね。
【三浦】そう。それと抱き合わせでやった会があって。
【山下】でも、そういえば伝統芸能って『鬼滅の刃』なんかもまさにそうなんじゃないですか?
【大野】そうなるんですかね?
【三浦】そうですね。
【山下】昔の話だもんね。
【大野】大正時代。
【三浦】伯山さんは割と他の古典芸能に結構すごく関心が深いみたいで、どこだっけな? 新宿の箪笥町っていうところがあって、そこで……。あれは確か朝日カルチャーセンターが主催してる会で、ゲストで能の人を呼んだりとか文楽の人を呼んだりとかやってるみたいですね。
【山下】そうですか。いいですね。能と講談、文楽と講談。
【三浦】でももうすぐ売り切れちゃうから。伯山さんがやっぱり……。
【山下】チケットのいい取り方があるといいですけどね、本当に。
【三浦】万人にちゃんと回るようにしてほしいですね。
【山下】ちょっと話が脱線しますが、チケットを高値で転売したりする人はいまだにいますか?
【三浦】いまだにいますね。
【山下】いる!?
【三浦】ええ、いまだにいます。チケットなんとかサイトとか見ると結構……。
【山下】そうですか。
【三浦】いまだにあります。もう防ぎ切れないんじゃないですかね。ただ、今スマチケって言うんでしたっけ? もうスマホでしか入れない。あれはもう無理ですよね。転売。
【山下】あれいいですよね、譲渡しやすいから。行けなくなったら他の人に渡せるんですよ。
【三浦】あっ、そうなんですか?
【山下】そうそう。だからデータを送るからってやったらその人が行ける。
【三浦】そうですか。
【山下】行けなくなっても転売しやすいから、それはいいかもしれない。ただその代わり値段が同じみたいな感じなんですけど。
【三浦】ぴあはリセールっていうのをやってますね。ぴあは行けなくなったのをリセールに出すと手数料を取られるんですけど。
【山下】ぴあから?
【三浦】ええ。例えば3000円だったら一応3000円でぴあ内で転売できて、手数料が300円だか450円だか取られる。
【山下】そりゃあ手数料取られるね。そりゃあそうだよね。
【三浦】でも無駄になることはなくなりますよね。
【山下】いいですよね。本当に、平日とかは特に無駄になりそうで怖いですよね。なかなか取るのがね。
【三浦】そう。だからホールのこととか、あと自分の予定を……。結構先のが出るじゃないですか。
【大野】はい。一月。
【三浦】一月先、二月先ぐらいまで出てるので。だから平日に取るときは自分のスケジュールをとにかく確保することですね。
【山下】大野さん、異動したばっかりだから大変ですね。
【大野】ちょっと今(笑)
【三浦】そうか、大野さん異動したんですね。
【大野】そうなんですよ。
【三浦】「そこはちょっとお客様との約束が」とか言えばいいんですよ、上司に。
【大野】なかなか(笑)。
【三浦】「そこは外せないんです、ちょっとどうしても」って。
【大野】つらいですねー。
【山下】ここ編集でカットしたほうがいいですよ(笑)。
【三浦】「お客様との約束があるって言え」って部下に言ってましたけどね、僕は。おまえ行けないのかー!って。
【山下】まあ、でもこういうリベラルアーツって言うんですか? 教養を広めるっていうのがこれからのたしなみみたいになってくると思うから。それがないと新しいイノベーションも起きないとか言われてるので。
【三浦】そうですね。こういうのって知ってたほうが絶対に面白いし、仕事をやっていく上でもね。
【山下】あと人間が豊かになるのでお客さんとかとしゃべっていても「おまえおもろいなあ!」って言われるわけですよ。だから三浦さんとか古川裕也さんとかすごいいいお客さんと一緒に仕事したり白土謙二さんもやっていらっしゃったし。本当にそう思いますよ。
【三浦】単に好きなだけなんですけど、私の場合(笑)。
【山下】好き者が集まったっていう感じ?
【三浦】うん。勉強するっていうほどのことでもないんですけど、日々何か落語的なネタっていうかな? そういうことにアンテナを張っておくと、くすぐりっていうか……。ダジャレにしても、そういうのに敏感になっておくとすごく楽しく日々が過ごせる。
【山下】それはあるかもしれない。最初に何か落語の本をなんでもいいから。談春さんの『赤めだか』とか面白いですよね。
【三浦】そうですね。談春の『赤めだか』は真面目な本ですからね。
【大野】そうですか。
【三浦】談春の修行時代の話です。
【山下】あれはもうお薦めします。本として面白い。
【三浦】うん。
【山下】僕、人生の108冊っていう本をコロナ禍で選んだんですけど、そのうちの1冊に入ってますよ、『赤めだか』。
(※ブックカバーチャレンジ https://haruharuy.exblog.jp/31198970/ )
【三浦】本当ですか。要は談春一門って築地の場外で働かされるんですよ。「おまえ働いて来い!」って言って。
【山下】そう。上納金を納めないといけないので。
【大野】あっ、はい。
【三浦】志らくはそれを免除されたんですよ。
【山下】嫌だって本人が言ったんでしたっけ?
【三浦】そう。そしたら「じゃあおまえいいや」って言って。それを談春がすごい恨んでるんですよ。
【山下】そうそう。談春のほうが志らくよりちょっとだけ後輩なんでしたっけね。年は上だけど。
【三浦】うん。シューマイ屋で配達するとか、そういうバイトしてたんです。バイトじゃないですよね。バイトは生活の糧にするのがバイトだとしたら、それは修業ですね、シューマイのなんかやって来いっていうのは。もう立川流の修業の一つです。
【山下】すごいですね。でも今、談春さんがそれがもしかしたら役に立ってるのかもしれない。
【三浦】立ってるんじゃないですか。
【山下】ネタになってるから、だいたい。まくらとかでお話されるので。
【三浦】『赤めだか』は面白いですよ。
【山下】面白いですよね。
【大野】分かりました。
【山下】だから、そういうのを読んでいるといいんじゃないかな。
【三浦】落語の速記本っていっぱいあるんですよ、今。
【大野】速記本ってなんですか?
【山下】速記本って、だから口で演じたものを全部そのまま。
【山下】速く記すの速記ね。口伝じゃない。
【三浦】そうそう。それをそのまま本になっているっていう。『古典落語大系』っていう。講談社のが一番有名かな。文庫で出ていたりする。
【山下】そういうのを読むとなんか面白いかもしれない。
【三浦】一回ハマると面白いですよ。読みものとしての落語っていうね。
【山下】なるほどね。
【三浦】なかなか聞く機会、行く機会がなかったりCD借りて来るのもちょっと面倒くさいなと思ったら、本は電車の行き帰りでも読めるし。
【山下】あとは耳だけで聞くとかね。
【三浦】そうですね。私はあんまりいわゆるスマホとかiPodとかから聞くっていうことはしてないんですけど、よく電車とかでもニヤニヤしてる人……。
【大野】いますね。
【三浦】結構、落語を聞いたりする人いますよね。
【山下】寝る前に落語を聞きながら寝る人、結構いるらしいですね。
【大野】よく聞きましたね。
【三浦】吉田大八さんもそう。
【山下】大八さんもそうなんだ?
【大野】おっしゃってましたね。
【三浦】大八さんもそうで、最後まで聞かないで寝るって言ってましたね。
【山下】そうなんですか。じゃあサゲが分からないみたいな(笑)。
【三浦】そうです。
【大野】寝るために聞いているっておっしゃってましたね。
【山下】寝やすい噺家さんってあるんですかね?
【三浦】寝やすい噺家は……誰だろうなあ?
【山下】今度大八さん呼んで聞きますか(笑)。
【三浦】まあでも夜暗い中で聞いていたら誰でも。だから『圓生百席』とか聞いてると、やっぱり念仏みたいに聞こえてくるし。
【山下】そういう人の声ってやっぱりいいんでしょうね。
まあそんな感じですかね。なんか全く……3問しか進みませんでしたけど、また今日もね。
【三浦】すみません。
【山下】三浦さんが生きてる限りは続けていきたいと思いますので。
【三浦】なんか死ぬみたいでいいですね(笑)。
【大野】カウントダウンみたいで(笑)。
【山下】サゲがないのか!? みたいな話ですが…。っていうことで、本当に今日もありがとうございました。
【三浦】こちらこそ、ありがとうございました。
【大野】ありがとうございました。
【山下】『集まれ! 伝統芸能部!!』では、noteというテキストベースのやつで皆さんのこの言葉を文字起こししてもらってるんですね。
(※ このことです)
【三浦】すごいですね。
【山下】ブラインドライターズさん、いつもありがとうございます。ブラインドライターズさんっていうのは視覚障害の方がこの音声を聞きながら文字を起こしてくれるっていうサービスがあって、そこに文字起しをお願いしているんですね。
【三浦】素晴らしい。
【山下】ちゃんとすごくいつもきれいな文字起こしをしていただいて、この前ちょっとそれを、皆さんとやった話のやつを見たんですね、一回目のやつ。そしたら文字で読むとものすごく早く読めるんです。
【三浦】そうですね。
【山下】一回聞いてるから、編集もしてるのでそれはよかったです。っていうことでnoteのほうもぜひチェックしてみてください。あとYouTubeチャンネルにもこの番組は掲載をしていきますので、見やすいところで見てほしいと思います。っていうことで大野さん、三浦さん今日もありがとうございました。
【三浦】こちらこそ、ありがとうございました。
【大野】ありがとうございました。
【山下】では、また次回よろしくお願いします
【三浦】はい。よろしくお願いします。
【大野】お願いします。
【三浦】ありがとうございました。
【山下】ありがとうございます。
テキスト起こし@ブラインドライターズ
(http://blindwriters.co.jp/)
---- 担当: 前田 愛 ----
いつもご依頼ありがとうございます。
毎回楽しく聞かせていただいております。
三浦さまのお話がとても好きです。
コロナが落ち着きましたら寄席に行きたいと思っております。
またのご依頼よろしくお願いいたします。