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【PODCAST書き起し】「吉田大八さん山口貴義さん和田尚久さん三浦知之の落語放談」全9回(その4)映画と落語(2)

【PODCAST書き起し】「吉田大八さん山口貴義さん和田尚久さん三浦知之の落語放談」全9回(その4)映画と落語(2)

【三浦】続きをまた始めたいと思いますけど。映画の話をしていて、「落語好きに薦めたい映画」というので、さっき終わっていたんですけど。落語好きとか、落語家に薦めたいとか(笑い)。よく分からないですけど、落語好きにお薦めの映画ってあるんですか? 落語を扱っている映画は少ないと思うので、一般的な映画で……。

 

【吉田】なんですかね?

 

【山口】まあ、落語好きね……。

 

【男性】落語好きって言っても、いろいろいますからね。

 

【三浦】はあ、はあ。

 

【山口】サカタさんはあるでしょ? 今頭の中にもう、10本くらい。

 

【サカタ】『花よりもなほ』。

 

【山口】『花よりもなほ』。

 

【三浦】是枝(裕和)さん?

 

【山口】ああ是枝さんの?

 

【サカタ】あれ、落語のネタが、なんかいろいろ入っているんですよね。

 

【和田】へえ。

 

【三浦】ああ、そうなんだ。だから、映画で落語のネタとか、そういうのが入っているのが落語好きが喜ぶのかどうか、というのもあるんで、もっとこう、一般的に……より難しいと思うんですけど(笑い)。こういうのを立川流好きの人が観たら喜ぶんじゃないか、とか。

 

【和田】そういうの、あるんですかね?

【吉田】古今亭好きには、この落語みたいの、とかね。

 

【山口】古今亭好きには(笑い)……。

 

【吉田】全部山口が考えていますから。

 

【山口】なんでだよ(笑い)。無茶振り、すごいな。

 

【三浦】それが洋画とかだったりするとすごいおもしろいね。

 

【吉田】じゃあ、1個思い出した。思い出したんですよ。そのあいだに山口が考えるんであれですけど。コーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』っていう映画。のラストが……昔から好きだったんですけど。

 

【三浦】コーエン兄弟?

 

【吉田】うん。なんか全然……あの、1番最後に……1番最後、ご覧になりました?

 

【和田】いや、観ていないですね。

 

【吉田】なんかもう、話よく覚えていないんですけど、最後撃ち合いで、男の人が1人倒れて死ぬんですけど、死ぬ間際に……部屋の中で撃ち合いしていて、隣り合った部屋で壁越しに撃ち合うんですよ。で、結局その男のほうが倒れて、倒れたところがたまたま洗面台の裏、下なんですよ。

 

【和田】それ、『粗忽の釘』的なオチになるみたいなことになるんじゃないんですか?(笑い)

 

【吉田】ああ、違う、違う。

 

【和田】そうじゃなくて?(笑い)

 

【吉田】それで、パイプがあるじゃないですか。パイプって水滴が付いているじゃないですか。で、死んで最後に見るのはそのパイプの水滴なんですよね。それで映画の中でいろいろなドラマがあって、最後にそいつは死ぬという。で、最後に見るものが、そのパイプからこう……。

 

【三浦】垂れてくる?

 

【吉田】垂れそうになっている、この水滴を見るわけですよ。で、あとはちょっと、印象はあれですけど、そのアップとその水滴の切り返しなんですよ、ずっと。それで最後にそれがだんだん膨らんでいくわけですよ、水滴が。で、「あ、落ちてくる……」、で、落ちてくるときに、その男が最後に「あ……」、で、顔の上に落ちてくるわけですよね。で、最後男が「ああ……」って、なんかその……、すごい絶妙な「あ、水滴がこれから顔にピチャッとかかる」っていう顔をして。

 

【三浦】かかったら嫌だなっていう。

 

【吉田】そう、そう。

 

【三浦】たぶん、死ぬのに。

 

【吉田】そう、そう。この膨らんだ水滴でバシっと映画を。

 

【男性】わあ、それすごい。おもしろい。

 

【吉田】それってなんか、すごく適当な落語の……適当なんて言っちゃ悪いですけど、全く話の本筋とは関係ない言葉遊びとかいきなり出てきて、「こんだけ長く聴かされて、最後その駄洒落で終わるの?」みたいな、アレにちょっと近いかなって思いました。

 

【三浦】なるほど。

 

【山口】まあ、ギャグだよね。軽みというか。終わる感じはすごく確かにセンスが……。

 

【三浦】死ぬときに、水滴が落ちてくるのを、死ぬより嫌だなと思うんだから(笑い)。

 

【吉田】そう、そう(笑い)。でも、もう死ぬのは決まっているわけじゃないですか。で、最後の最後で顔にかかるなんて……。

 

【三浦】これか、これで死ぬのか、俺はって。

 

【吉田】嫌と思っているかどうかもちょっとよく……定かになっていないですけど。ハッと気がつくと、「あ、なんか落ちてくる、落ちてくる……、ああ、落ちそう」ってとこで終わる。

 

【山口】まあ、それは微妙なところですよね。センス見せつけて、ね。嫌味っちゃ嫌味だしね。

 

【和田】まあ、ばかにしてる……。

 

【山口】いや、いや。

 

【和田】でも談志さんが『ミラーズ・クロッシング』を……あれ、コーエン兄弟ですよね?

 

【男性】そうです。

 

【和田】あれ、絶賛しているんですよ。だから、落語的なセンスを感じたんじゃないかな、おそらく。

 

【吉田】ほら、合ってる。

 

【三浦】コーエン兄弟。

 

【山口】いや、コーエン兄弟はオフビートですからね。落語のセンスある人ですよ。

 

【和田】ああ、そうか。なるほど。

 

【三浦】ああ、そうなんだ。

 

【山口】あれもそうじゃなかったっけ? あの太った探偵って『ブラッド・シンプル』だっけ?

 

【三浦】太った探偵? 

 

【吉田】ああ、そう、そう。太ってたかも。

 

【山口】太った探偵が車の中でさ、ずっと見張りかなんかしているときに、すごい汗かいててずっと待っていてさ、やることなくてずっと待っているのに、蠅が止まってずっと動いているっていうの、ずっと撮っているのよ。

 

【吉田】そうだっけ?(笑い)

 

【山口】あれ確かコーエン兄弟だったような……。あれもう、いつ叩くかっていうのをずっと観客も観て待っているっていうギャグ。

 

【吉田】あ、そういうのがあっての、あれなんだね。

 

【山口】めっちゃ、オフビートな。

 

【吉田】それはちょっと覚えてないけど、なるほど。

 

【山口】オフビートですよ。コーエン兄弟、センス、オフビートで売り出した人ですから。

 

【和田】あ、そうか。

 

【山口】だから、なんだっけ? 『オー・ブラザー!』だっけ? あれなんかもう、コメディーの結構……。

 

【吉田】『オー・ブラザー!』って、あれか?

 

【山口】3人組が、こう……。

 

【吉田】ジョージ・クルーニーのやつ?

 

【山口】うん。そう。あれなんか、お金かかっているんであれだけど、やっぱ呑気なコメディーじゃないですか、言わば。やっぱそういう落語的な、もし日本語分かれば落語好きかなっていう気はしますよね、コーエン兄弟は。

 

【三浦】『オー・ブラザー!』っていうのもコーエン兄弟?

 

【山口】うん。そう。

 

【三浦】へえ。

 

【和田】なるほど。お、なんか、2人名前が出ましたよ。

 

【三浦】談志も志らくもみんな映画好きですもんね、ものすごいね。考えてみると。

 

【男性】うん、そうだね。

 

【吉田】談志さんがよく映画の話をするじゃない? 「この映画が好き」とか。そういうので「趣味が合うな」と思うんですか?

 

【山口】あれはもう本当、僕は全然合わないですよ。びっくりするくらい。

 

【三浦】でも、ミュージカルとか結構あるじゃないですか。

 

【山口】あ、フレッド・アステアは僕も大好きですけどもね。神様……フレッド・アステアのサイン、銀座でサインもらったって談志師匠が言っていたもん。大自慢して。路上で談志師匠がサインもらうのもすごいなって(笑い)。相手がフレッド・アステアっていうのも。

 

【三浦】フレッド・アステアを見つけたってことですか?

 

【和田】そう、そう。

 

【三浦】たまたま?

 

【和田】そう。

 

【吉田】たまたまアステアが歩いてるの?

 

【山口】たまたまアステアが歩いてる(笑い)。すごいよね(笑い)。

 

【吉田】踊っていたのかな。

 

【三浦】それは、来日したってことですよね?

 

【山口】来日したんでしょうね、それで銀座に(笑い)。

 

【三浦】それを見つけた、と。

 

【吉田】踊ってみたりした。

 

【山口】人が集まっているよ。

 

【吉田】あ、背が高かったしね。背が高いから見つけやすい。

 

【山口】ステッキ持っていたりしてね。びっくりするけどね、それ。軽やかに歩いていたらもう衝撃だけどね、日常にフレッド・アステアがいたら(笑い)。でも談志師匠は、やっぱりビリー・ワイルダーが大好きだから。僕はもう本当、あれ分からないんで。ビリー・ワイルダーは神様だからね。

 

【吉田】シネフィルにビリー・ワイルダー、評判悪いですよ。

 

【山口】うん、本当分からない。

 

【吉田】この界隈にはね、ビリー・ワイルダーは評判悪いですよ。

 

【三浦】評判悪い?

 

【山口】いや、評判悪いってことないけど、脚本家としては本当偉大だと思うけど、監督はね……、駄目だろうっていう。あれが分からない。

 

【吉田】そういうとこか。そうすると、落語の話からどんどん離れますよ、たぶん。

 

【山口】ちょっと離れちゃうな。

 

【吉田】そうかな。

 

【和田】いや、でも談志さんがあれだけビリー・ワイルダー好きだったわけですよ。だからそこ、結構おもしろい話ですよね。だから、どの辺が好きだったのかっていう……ビリー・ワイルダーは作品いろいろあるはあるんだけど……ええ、なんだろうな。

 

【山口】でも『情婦』とかも好きでしょ、たぶん。

 

【和田】あ、『情婦』は好きですね。

 

【山口】ね。

 

【和田】『情婦』は好き。ただ『情婦』に関しては、あれは元がいいんだろう、と言っていました。アガサ・クリスティのそもそものネタがいいし。

 

【山口】話がね。

 

【和田】談志さんってね、結構ああいうどんでん返しもの、好きは好きなんですよ。

 

【山口】ああ、そうだね。

 

【和田】『スティング』とか絶賛しているから。

そう、そう。オチっていうか、なんか……。

 

【吉田】そうだね。

 

【山口】それは分かる。

 

【和田】そういうのは……あれって1回目の衝撃なんだけれども、あの辺は褒めていますよね。

 

【吉田】なるほど。

 

【山口】確かに。それは分かるな。どうなんだろうね、だから……。いや、『Ninotchka(ニノチカ)』とかは落語に通じるかな、と思いますよ。脚本で参加して。監督は(エルンスト)・ルビッチだけど。やっぱりアメリカにしろ日本にしろ、落語を好む戦前のセンスがあるんじゃないかと思っていて。だから「落語っぽい映画」とかっていって最初に浮かぶのは、やっぱり山中貞雄とかなんですよ。それはやっぱナガヤマの……ってせいもあるかもしれないけど、時代のね。それじゃなくて、戦前の日本人の持っていたセンスは、ラジオなり、そういう落語とかが浸透していたから、作り手も観客の側も落語のセンスを当然持っていて、落語の教養っていうか、素養としてもあったっていう。

 

【三浦】みんな知っているっていうことですよね。

 

【和田】そうか。

 

【山口】共通認識で、感覚として持っていたから、そういうのはもう自然と出ていたんじゃないかっていう。あるいは、その役者さんの演技とかに関しても、ある種の軽みみたいなのがあったんじゃないかっていう。だからそういう意味で、例えば『鴛鴦(おしどり)歌合戦』だったり、『エノケンの頑張り戦術』であったり、そういう、いわゆる戦前のコメディーの名作は、やっぱり落語的なセンスがだいたい入っているよなっていう。それは、中川信夫っていう監督のタッチであったり、マキノ正博の演出のトントントンっていう感じだったり、コメディーでなくても、成瀬(巳喜男)の『鶴八鶴次郎』なんていうのは、ものすごいテンポ良くトントントンといって……。やっぱり、なんていうのかな、山田五十鈴も長谷川一夫も軽い演技、戦後とは違う軽い演技をしているっていうね。そういう……スタイルとしては、1930年代の日本映画の軽さっていうのは落語に通じると思いますけどね。

 

【吉田】今でも、落語好きの俳優さんっているじゃないですか。

 

【三浦】風間杜夫とか。

 

【吉田】風間さんの落語、聴いたことないですけど、どうなんですか?

 

【和田】風間さんのはね、なんかやっぱり「落語好きの役者さん」って感じ。

 

【吉田】ああ。つまり落語じゃなくて一人芝居って感じ?

 

【和田】いや、落語なんですけど、やっている風間さんもお客さんの側も、「落語をすごく愛好している風間さんが自分で覚えてやってみました」っていうので、平和的な関係なんですよ、そこは。だからなんかほのぼのするし……するんだけど、逆に言うと「こんなもの見せられちゃった」って部分はない。

 

【吉田】ああ、そうなんですか。

 

【三浦】割と自然に聴ける?

 

【和田】だから……自然に聴けますし、なんでしょう……、「落語をリスペクトしている人が落語をやりました」って感じなんですよね。

 

【吉田】昔、なんかの企画で、俳優さんが落語をして、そのあとに志らくさんも落語をする、みたいなのを見たことがあって。俳優さんの落語は、僕が見ても「なんか落語としてはちょっとイマイチだな」と思って。風間さんじゃないですけどね。そのあとに志らくさんが、最後終わって「やっぱり俳優は、感情移入しようとするから駄目なんだよ」って言って。

 

【和田】志らくさんが?

 

【吉田】そう。前の俳優さんの落語を聴いて、なんかそう言っていたのかな。なるほどなって。確かに落語って、感情的な場面でもそんなに……。

 

【和田】そうね。

 

【吉田】俳優のやり方とは違うのかな、と思って。

 

【三浦】落語って登場人物もたくさんいるから、誰に感情移入するかって結構難しいですよね。

 

【山口】でも話の上で、誰にフォーカスすれば……ってあるじゃないですか。

 

【三浦】その時はって。

 

【山口】だから、泣かせる話だってあるわけでしょ、きっと。

 

【三浦】あります。

 

【吉田】でもなんとなく、自分の好みもあるのかもしれないですけど、すごく、そうやって演出だったり、そもそもの話だったりで、「あ、ここは泣かせどころだな」とか、「感情の入れどころだな」っていう落語は、そんなにまあ……好きじゃないっていうのもあるのかもしれないですけどね、その落語を。だからもしかしたら聴く人によっては、よく泣けるいい落語に聴こえるのかもしれないけど。

 

【和田】確かに俳優さんの落語で……風間さんもうまいんだけどそういうんじゃなくて、例えば、僕が立川藤志楼の『道具屋』聴いて衝撃を受けたみたいなものってないかもな。

 

【三浦】落語をやる俳優さんって結構いるんですか? 風間杜夫以外で。

 

【和田】だから、いますよ。あとは、声優さんとかもやるし。

 

【三浦】ああ、そうですか。

 

【和田】うん。あと……例えば、俳優とカテゴリーしていいか分からないけど、モロ師岡さんとか普通にやるし。

 

【三浦】ああ、そうか。松尾貴史とかも、俳優じゃないけどやりますもんね。

 

【和田】そうですね。松尾さんのは、おもしろいですよ。『はてなの茶碗』とか聴きましたけど。あのね、落語……じゃない。俳優じゃなくて……だから今の話で言うと、感情移入のプロじゃない人がやったほうが僕はいいと思う。だから、立川藤志楼さんとか景山民夫さんとか。松尾さんってその中間じゃないですか。そもそもがピン芸人だから。キッチュさんだから。そっちのほうが向くんじゃないかな。感情移入プロフェッショナルじゃないから。

 

【三浦】俳優って、確かに感情移入しないと仕事にならないですもんね。

 

【和田】たぶんね。だから、そっちが逆に……。それで、僕は見ていないけど、談志師匠が、小沢昭一さんがなんかの劇で噺家の役やって……噺家の役ね。「あれだけ達者な小沢昭一でも、なんかやっぱり、ちょっと違うよね」って言っていました。

 

【三浦】小沢昭一さんって、役者? 俳優?

 

【和田】一応そうじゃないですか?

 

【三浦】一応、役者か。

 

【吉田】俳優、俳優。

 

【和田】一応っていうか(笑い)。

 

【三浦】一応、まあ、そうか。

 

【吉田】一応どころか、役者でしょ。

 

【山口】語り芸みたいなこともやっていたよね、なんかね。

 

【和田】やっていました。

 

【吉田】それは余芸ですよね、趣味ですよね。芸能研究家だから。

 

【三浦】仕事はやっぱり役者ですか?

 

【和田】うん。

 

【吉田】映画何百本も出ていますからね。それは、もう……。

 

【三浦】ああ、そうか。大変失礼しました。

 

【山口】『小沢正一的こころ』って、あれラジオ?

 

【吉田】ラジオ。

 

【和田】あれは、もう。

 

【三浦】あれ、おもしろかったですよね、日々やっていて。

 

【吉田】おもしろかったです。夕方やっていたやつね。50年以上続いていましたね。

 

【三浦】ラーラッターターラララー……ってやつですよね(笑い)。あれ聴くの楽しみでしたもんね。

 

【和田】山本直純。

 

【山口】山本直純。

 

【和田】作詞、作曲。

 

【山口】天才、山本直純。

 

【吉田】ああ、そうね。落語……だからやっぱり結局、落語のドラマとか映画あるじゃないですか。落語家の役を演じる人はたくさんいるけど、落語家にそもそも見えないってみんな割り切ってやっている感じのほうが、逆に潔かったりしますよね、きっと。

 

【和田】『寝ずの番』っていう映画があって、津川雅彦さんが監督したのかな。それで「とにかく俳優として、落語家と歌舞伎役者をやれっていうのが一番難しい」って。絶対それに見えないからって言って。歌舞伎役者の役ってくることあるじゃないですか、普通の役者さんが。それはもう難しいって。あと、落語家の役も難しいって。

 

【三浦】ああ、そうなんだ。

 

【和田】仮に羽織着てやったとしても、そういうふうに見えないから。基本見えないんで。

 

【男性】そうか、そうか。

 

【和田】なんかもう、最初から負け戦みたいな。

 

【山口】ミュージシャンの役に似ているのかもしれないですよ。

 

【和田】ああ、そうですかね。

 

【山口】それって、ある程度素養がないと。落語もリズムとメロディとかっていうけど、なんていうのかな、ふり……。

 

【三浦】落語家って、見た目がもう落語家ですもんね。

 

【山口】……だし、もう、ちょっとした仕草ひとつにしても、やっぱりもう全然……。

 

【三浦】それが、やっぱり俳優だと、どうやったって見えないっていうこと?

 

【山口】見えない。形だから、時間をかければコピーできそうな気もするんだけど、やっぱりある程度の修練を経ないと。楽器を演奏したりだとかってことに近いのかな。

 

 テキスト起こし@ブラインドライターズ
 (http://blindwriters.co.jp/

担当 青山直美

いつもご依頼ありがとうございます。落語ファンが好む映画の傾向は、あるのでしょうか。今回のお話の中で、話の本筋とは関係のないところで、自分なりの楽しみどころや、そのオチを見つけてしまうことがありましたが、それはとてもよく分かります。コーエン兄弟の映画や戦前の映画で、それを探してみたくなりました。次回も楽しみにしております。

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