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自閉症における「療法」という言葉が引っかかる

自閉症児へのアプローチであるDIRフロアタイムが好きで、それを取り入れているアメリカの支援学校で働いています。

フロアタイムはアメリカで生まれたのですが、日本ではまだあまり知られていません。私はこのフロアタイムに大きな可能性を感じるので、学校で実践しながら得たインプットをすぐに日本語でアウトプットし、この情報を必要としている人に届けるのも、noteでの狙いの一つです。

なんですが・・・困ったことがあります。言葉選びです。翻訳的には合っている言葉でも、オリジナルのニュアンスと少し違う場合がたまにあり、そこをどう伝えるかと言葉選びにいつも時間がかかるのです(いくら考えてもしっくりこなかったりしますが)。

例えば「療法」という言葉

ABAは自閉症の療法の一つとして知られています。その流れでいくとフロアタイムも療法です。しかし私にはこの療法という言葉がどうしてもしっくりときません。なぜなら「療法」には治療、つまり「治す」という意味合いがあるからです。

DIRフロアタイムは、自閉症を「治療」することも行動をノーマライズ(正常化)することも目標とはしていません。目指しているのは個々が持つポテンシャルを最大限に活かして生きていけるようにサポートすることです。障害のない人たちが自分の個性をそのままに、ベスト・バージョンの自分で生きていこうと日々努力するのと同じような感覚かな。

ただセラピー的に言う療法は、そこまで治療の意が入ってないかもしれません。でもどうしても引っかかる・・・

なので私は「療法」よりも「アプローチ」を使うことが多めです。

「障害者」という言葉

「障害者」に含まれる「害」からくるイメージを懸念して「障がい者」と書かれる場合も多いようですが、役所的には「障害者」で通っているとも聞きます。ここは賛否両論な様子で、そういう言葉ほどどちらを使うべきか迷います。私がこの言葉を使うときは発達障害のコンテクストなので、最近は「ニューロダイバージェント」を使うようになりました。脳の機能や発達が一般的な基準とは異なり、自閉症、ADHD、ディスレクシアなどの脳神経発達の条件をもつ人たちのことを指します。なかなかニュートラルで使いやすいです。

アメリカの場合、障害に関連する言葉は時代の流れと共に意外と早く変化する傾向にあり、何年か前まではOKだった表現が今ではNGということも少なくありません。相手を不快にさせない為にも、言葉の変化には常にアンテナを張っておく必要があります。

日本語の変化はアメリカほどではないですが、隠れた言葉のニュアンスによって意味が大きく変わることがあります。ニューロダイバーシティのような新しいコンセプトや、可能性に満ちたフロアタイムの存在は出来るだけ正確に伝えたいので、頑張って慎重に言葉を選んでいこうと思います〜


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