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【活動レポート】 初めての点字ワークショップ開催!

こんにちは。8月28日に、初めてブレイリーず企画の点字ワークショップを開催したので簡単にその体験についてレポートしたいと思います!

1.概要

初めての自主開催ワークショップは、ご縁があって東京都でボランティア活動をしているviolet!!さんの定例会にて、開催させていただきました。今回は白杖歩行体験+点字ワークショップで、45分間のうち15分を歩行体験、30分を点字の体験にしました。約30名の高校生を対象に、指導者の大人の方々も交えて白杖や点字を通して、視覚障害というテーマに親しみを持ってもらえるといいな、と考えていました。

歩行体験は、まっすぐな廊下をアイシェードをして歩いてもらいました。白杖の機能や使い方を説明してから、順番に歩くという流れでみんなが白杖に触れることができるようにしました。音や感触で壁や床の質感を感じ取ってもらう体験ができたのでよかったと思います。

点字ワークショップは、まず点字の定義、仕組みについてざっくり説明をした後、点字盤で好きなように打ってもらい、最後に習ったことでクイズに挑戦してもらいました。今回は初めてだったため、あ行〜さ行だけを教えました。

2.わかりやすく点字を教えるには?

この問いは、二人でワークショップの内容を議論しているときにぶち当たった大きな壁でした。次のセクションでも詳しく説明しますが、聞き手に興味を持ってもらえるように、わかりやすいように、さまざまな工夫を取り入れました。

点字には6つの点がありますが、その全てに1~6まで番号がふってあり、説明をするときに「1の点が〜」などとスムーズに話すためにも最初に点の名前を覚えてもらいました。振り返ってみて、最初に共通理解を得ておくというステップはかなり重要だったと思います。

点字の点の名前を紹介したスライド。
左上から下に向かって1,2,3の点、右上から下に向かって4,5,6の点です。

ワークショップの最後には、簡単なクイズを出題し、あ〜さ行の文字だけで構成された単語の解読を各班で取り組んでもらい、最後までアクティブに点字について考えてもらえるようにしました。クイズも楽しかったという声が多かったので、大成功だったと思います。

私は初めて点字を学んだ時、マンツーマンで手取り足取り教えてもらったので飲み込みやすかったのですが、多数に向けた講演となるとそうはいきませんでした。それでも事後アンケートではスライドがわかりやすかった!といってもらえたので、とても励みになりました。

3.今回得られたこと

私は、教えることは難しいということを体感しました。時間を考慮しつつ、自分達の資料用写真を撮りつつ、歩きまわってどの班も追いついているかを確認しつつ、質問対応しつつ…やることが多すぎる!作業の時間にどの班もあーだこーだやっているのを見つつ、次はどうするんだっけ?と段取りが頭の中でぐるぐるしていました(笑)

今回の講演で得た大きな学びは、聞き手を興味深々にさせる工夫ができるということです。みんなが初めて知ることだったので、できるだけ面白くしたいという思いがありました。

今回の講義の一番初めに、黒点の羅列にひらがなの対応がついたものを表示し、どこに法則性があるだろうか?という問いかけから始めました。これによって聞く人の集中度が上がったように感じました。
その次に、か行ならば6の点、さ行ならば5と6の点の色を変えて、ここが違うんだということと、あ行がベースだということを一緒に確認しました(画像2参照)アンケートなどをみても、この工夫は大成功であったと思いました。

画像1:講演会のスライド(あ〜さ行の点字の表)
最初はあ〜さ行の墨点字を見せて、どんな法則性があるか考察してもらいました。
あ行〜さ行の点字表。母音に追加する点の色を変えることで法則性を可視化した
画像2:講演会のスライド(あ〜さ行の解説)
か行では6の点、さ行は5と6の点の色をそれぞれ変えて法則性を可視化しました。

時折進行がもたついてしまったことがあり、自分達が準備して練習してきた通りにはいかないともどかしさを覚えました。同時に、それが教えるということなのかもしれないと思いました。次に開催するときはもっと段取り良く、スムーズにできたらいいなぁと考えています。これは反省点の一つです。

そして、私が一番驚いたのは聞いてくれたみんなの積極性です。聞いてくれた子の中には、ブレイリーずのインスタであらかじめ勉強してきてくれた子もいました。

私の中でとても印象的だったことを紹介します。
今回は「点字と点字を打つための道具について触れてもらう」という目的がメインだったため、幾つかの内容を省くことにしました。特に、点字において一番重要とも言える打つ時と読む時で反転するという点を、時間の都合もあり泣く泣くカットしました。点字は打つ時は右から、本来の左から読む点字(凸面)の反転した点を打ちます。

ワークショップでは「とにかく自由に好きな模様を打ってみよう」という指示を出しました。心の中で、打つ時に反転させないといけないことに気づいてくれたら嬉しいな〜程度に考えていました。
すると、一人の子が駆け寄ってきて言いました。
「すみません。さっきのあ〜さ行の一覧のスライドを表示してくれませんか?」
私は心底感心しました。これほどまでに好奇心を持って取り組んでくれたことにとても嬉しくなりました。そして、その子の近くで打っている様子をみていました。
その子は最初そのまま打ってみて、そして点字用紙をひっくり返したときにあれ?となりました。この時点で私は心の中で、いいぞ!!!あとちょっと!!とワクワクしていました(笑)そして、「これ、反転するから鏡文字で書かないといけないんですね!」と言いました。(大正解!!!!!!)
人が学びの途中で「気づく」プロセスのその瞬間に立ち会ったことに感動しました。他の班でも、反転することに気づいてくれた子がいたのでとても嬉しかったです。自分が物事に気づく時とはまた違った種類の喜びでした。

ある子が学んだあ〜さ行を使って点字を打って持ってきれくれたやつ。
ちゃんと反転させていて正しく打てている。
おかし、しか、おかか…ワードチョイスがかわいい。

つい熱くなって語り過ぎてしまったのですが、こんな感じで初めてのワークショップは反省あり、楽しさあり、学びありと、自分自身も成長できたとても有意義な経験でした。また、みんなの理解度に合わせて今度からは少し時間をかけて点字が反転することについてもレクチャーしたいと思いました。

※点字盤(点字を打つための道具)は、簡易的なものをボランティア団体で持っているということだったのでそれをお借りしました。2人一組で使ってもらえるくらい数がありました。

4.今後の展望

今回のワークショップは初の試みだったので、うまくいくのかな、わかりやすいかな、と不安がたくさんありました。私自身人に教えるというあまりない経験を、大変だと思いつつ、楽しみました。これからもっとたくさん講演をやって、経験値を上げていきたいです!!

アンケートでは、もっと視覚障害を持つ人たちの日常が知りたいという声がありました。点字を教えるついでに、あるあるを紹介したら面白いかなーなどと次の機会へのアイデアがどんどん湧いています!みんなの声を反映していきたいと思います。

少しでも視覚障害に対する偏見が少なくなるように、今後もたくさん啓発活動をしていきたいと思います。今回の機会を頂けたことに感謝しつつ、より良いものを作り上げていきたいです。

ここまで読んでくださってありがとうございました!
Let's Brighten the future with braille!
ブレイリーず

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