想像力と組織の話
本記事は、Stockmark Advent Calendar 2023 の 25日目の記事です。
本日はストックマークの VP of Finance & Strategyの田中ブラッドリーが執筆させていただきました。
今日はアドベントカレンダーの最終日、12月25日、クリスマスの日です。キリスト教の典礼年の中心的な祝祭とし、恋人や家族が集まります。プレゼントを交換し、将来を祈る。皆様、どのような将来を想像してお過ごしでしょうか。
私は直近の約20年ほどアメリカで過ごす事が多く、大学や大学院、MBA取得後は米系投資銀行のパロアルトオフィスに就職、投資家としてシアトルの投資ファンド、ビッグテックやシリコンバレーのユニコーンスタートアップ勤務を含め、日米を行き来してきました。英語で会話することが多いながら、普段は、はんなりとした純ジャパで、幼少期は京都で過ごしました。
小児喘息を患い、体の弱かった小学校低学年の私は、開業医である祖父の経営する京都市の病院で育ちました。京都駅からも近く、昼になると耳鼻科にかかりにくる患者さんで賑わう1階とは対照的に、私の居住空間の3階はひんやりと静かで、天井まで積み上げられた祖父の本棚がありました。千夜一夜物語、江戸川乱歩の明智小五郎シリーズや、モーツァルトのハードカバー、ジュール・ヴェルヌの十五少年漂流記や地底旅行など、ホコリと古い紙の匂いのする物語を読みふけっていました。十五少年漂流記は面白く、孤島に流れ着いた15人の少年が島を脱出するまでの冒険に想像をかきたてられ、興奮してページをめくっていました。
1888年に十五少年漂流記を発表したフランス人作家のジュールヴェルヌは、父親へ送った手紙に「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」(Tout ce qu'un homme est capable d'imaginer, d'autres hommes seront capables)と名言を残したとされています。
京都の田舎で小児喘息を患う幼少期の私は、冒険ものの小説を読み「もっと大きな世界で、世界中の人と友達になりたい」と将来を想像していました。
思い返すと、人間とは想像力で発展してきた生物です。サピエンス全史には、「10万年前にいた6種類のヒト種のうち現代まで生き延びたのはホモ・サピエンスのみ」「虚構の事物について語り、天地創造の物語や神話を紡ぎだす能力が、無数の他人と協力することを可能にさせた」とあります。私は、想像力とは組織力につながるものと解釈しています。
つまり、「会社組織も想像力が全て」ではないでしょうか。ストックマークの創業CEOである林も「人類を前進させる」というビジョンを掲げ、賛同する社員を増やし、投資家の支援を集め、事業を拡大して参りました。本日、林との今年最後の1on1で「ストックマークを拡大した先に何をしたいのか」と質問をしたところ、「引き続き、ディープテックを社会実装することで、社会が変わり前進していく世界を見たい」との回答でした。
私は、長く過ごしたアメリカの影響もあり、経験や実績、スキルに注目してきましたが、最近は「組織を動かす力」に注目しています。
まとめますと、弱いホモサピエンスが個の力では圧倒的に強い人種を倒し、島国である日本から世界トップの製造業が育ち、十五人の少年が凶悪なウォルストン一味をせん滅し、20代後半の若手IT起業家が会社組織を拡大できる魔法の裏部隊には、一見、虚構のように思える壮大なビジョン・想像力に賛同するヒト、モノ、カネが集まった結果、大きな組織力に繋がっているから、ではないかと思います。
今日はアドベントカレンダーの最終日、12月25日、クリスマスの日です。
皆様、どのような将来を想像してお過ごしでしょうか。
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