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1時間で7人のイケメンが横に座った話。
お、
お、
お姫様
なりテェ〜〜〜!!!!
女児なら一度は憧れる、プリンセス。
かく言うわたしも、将来の夢がストレッチマンからお姫様に変わったことがある女児の1人です。
年末に祖父の家に帰る途中、山の中に佇むラブホテルをお城だと勘違いし
親に大きくなったらあそこで王子様と舞踏会をするんだと毎年言っていたことを思い出します。
残念ながら、白馬に乗った王子様は迎えに来ず。
私はあこがれのプリンセスの継母くらいの年齢になりつつあるこのごろ。
あ~~~~~プリンセスなりてぇ
お姫様って呼ばれてえ~~~~~~
普通に生きてたら玉の輿に乗るか、石油王が突然バキューン決闘の視聴者になり
わたしを一国の王女にしてくれるかしか方法はありません。
なにか、なにか、ないのかいい案は。
高らかに笑うラビュリンスの姫を脳内から追い出し、立派なプリンセスになるため頑張るマドルチェプディンセスを追い出し、集団で集まるワイトを追い出し……
さあ、いざ。
下調べは済んでいます。
ホストクラブ!!!!
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手っ取り早く、お姫様になるためホストクラブに行ってきました。
お姫様と呼んでくれる場所=ホストクラブ
という安直な考えです。
私の持ちうる全てのコスメデッキを総動員し
最近買ったデパコスを大切に使い
お嬢様という響きに恥じぬ世界で一番可愛い女にならねばなりません。
いつもはつけない顎とかにもチーク多めにつけちゃって。
さぁ!!!!この世で一番プリンセス!!!!!!!
皆さんも一番可愛い気持ちになって
お時間ありましたら是非みてってください。
到着早々入り口がわからないと言うアクシデントはあったもののなんとか建物へ侵入。
薄暗い中、ジャカジャカとなる音と青と赤のLED🟥🟦
ほ、ホストクラブぽーーーい!!!
わらわらと、スーツ姿の男がカウンターで談笑しています。
スーツじゃない人もちらほら。
あー。アウトロー?な感じも取り揃えてる店舗なのかな?
ズボン破けてるよ。
よくわからん赤色の席、ふっとコメダ珈琲が頭をよぎるも、目の前の黒服に初めてであることを伝えると、まず千円の前払い。
黒服の方にどんな顔が好みかと聞かれ
あー、かっこいい顔はみんなですもんね。
じゃあ、濃いめで。
と良くわからないお願いをし、飲み物選びへ。
LINEでメニューをみる方式。場の空気に呑まれまくってしまい、とりあえず一番上のオレンジジュースを頼む。
しばし待つと1人目のホストが現れる。
どうやら、本指名(永遠に変えることは出来ない)を決めるために次から次へとホストが代わる代わる来るシステムのようだ。
1人目
唯一対面で座った
ビールとグラス片手に現れ、名刺を渡され乾杯を促される。
ホストクラブが初めて本当に1人目だと伝えると、光栄だけど照れるなと言っていた。
何に照れるのか。
その後、◯◯さん3-Aへお願いしますと店内放送で呼ばれて去っていく。
学校の呼び出しみたいだ。
2人目
ここから横へ座ってくる。
面接官の気持ちになりつつ名刺を受け取ると
え〜めっちゃかわいい、フィーリングが合う
めっちゃいい。めっちゃ笑顔かわいいと
ボディタッチでめっちゃ攻めてきた。
顔はイケメンだが、めっちゃ話の内容がめっちゃマジで無すぎた。
絶対に俺選んでな!と言い残して去っていく。
ここでお店をしっかりとみると、1人の客っていないの?と思う。
周りはなんと二人組ばかり。わたしだけか?わたしだけ1人なんか?
男と喋りに女2人でくるんか?と疑問に思う。聞けばよかった。
遊戯王好きな人とかいたらいいなと、わざわざiPhoneケースをスケープゴートへ変更して
わざわざ机の上にわざわざ置いておいたのだが
反応されず。
残りの誰かが気づいてくれたらいいなぁと続投。
3人目
名前がデスノートに出てくる名前で身構えた。
めっちゃ硬い名刺を渡されながら、俺のも硬いでと下ネタを挟む。
あ、ホストも下ネタ言うんやなとひとつ発見。
名刺は他にも持っているらしく、選んでくれたら他のもあげるよと見せびらかす。
いや、何枚もおんなじ人のはいらんのちゃうか?と思ったが、トロイメアユニコーンの絵違い欲しかったしそういう感じなのかもしれない。
やたらとハイボールを勧めてくるも、自分は嫌いらしい。嫌いなものは人に勧めるべきではない。
4人目
名刺が切れているらしく手書きのを渡される。これはこれで覚えてもらえていいのか?と思ったが、やはり顔を薄ぼんやりとしか思い出せなく勿体なく感じた。ぜひホストには全員顔写真付きで名刺配って欲しい。
やたらとハイボールを勧めてくるも、自分は嫌いらしい。嫌いなものは人に勧めるべきではない。
5人目
やたらとハイボールを勧めてくる。
この店はハイボールのノルマでもあるのか?
聞いてみるとそうでもないらしい。そして自分は嫌いとのこと。やめろ。
待ってる間に名刺を眺めていると硬さ故かシャカぱちをしそうになる。
危うかった。
6人目
名刺よりも本体のがかっこいい人が登場。
名刺の画像ミスったなーと言っていた。
ここで疑問だったお酒について聞いてみる。
ここまで全員グラスと空いていない缶のお酒を持ってきていたのだが、飲み切らずに持って帰る。この残りはどうしているの?
「はいき(小声にっこり微笑)」
ちょっと勿体無いなと思った。
7人目
役職者登場。
ホストクラブって主任とか役職つけるの好きなの?一気に現実に引き戻される感じがあって、あまりいい気はしない。
米版のホイール加工みたいな名刺を渡された。見にくくないか?
2年目らしく、お前だけだよ、愛してるよとかは1年目で卒業。もう使わないらしい。
どうもホストは30歳くらいまでの人しかいないらしい。本当に期間限定のお仕事って感じ。その為か2年目ですでに落ち着いてるよう。
ここでこの人が役職者たる由縁を感じる出来事があった。
近くの席でグラスを落としガシャン!!と結構しっかり音がした。
飲食店であれば全ての従業員が「失礼しました。」と言うだろう、私もそう思っていた。
が、この隣に座っている男、何事もなかったかのように、いやほんとになんの反応もせず私の方を見て話を続けていた。
あ〜そうか、ここは私とあなた、2人だけの空間か。プロだ。
さて、こんな感じで約1時間の面接が終わり、今後の担当を決める送り指名と呼ばれるフェーズへ。
とりあえずやたらとハイボールを勧めてきた人たちは候補から外す。
最後の人か、顔は良かっためっちゃ無の人か。
悩んだ末に最後の役職者に。
周りのものとかじゃなくて、自分の話だったり上手いこと喋るなぁと。後、顔も良かった。
するとスルスルと横から選んだ7人目が登場し、
選んでくれてありがとう。なんで選んでくれたん?
と先ほどとは違う、甘ぇ雰囲気を漂わせながら微笑んでくる。
あっ〜〜あっあっ〜〜!!!!!!
なるほどな。完全に理解
完理
そこからさくさくとLINEの交換、そして今後のことについて甘めに話される。
一万円でこの本指名と延長できるらしかったが、Apexの予定があるため辞退。
そうすると出口までエスコートされる。
今日は忙しいんだよね、でも、また会いにきてね、まだほら、半月しか経ってないから。と横でにこにことされながら言われる。
わたしは今からバトルロイヤルの世界に行くだけなんだけどね。
ここで最後に
餅岡「この名刺って、カードゲームみたいですよね。TCG的な?」
ホスト「そうだね。集めてる人もいるよ。」
エレベーターに乗せられ本日のホストはおしまい。
不思議な空間だったなぁ。カードゲームはやってなさそうだなぁ。
結論
大阪のホストではお姫様になれない
なんと一度もお姫様と呼ばれなかった!!!!!!え!!!!!!!!
ホストって全員お姫様って言うてくるんじゃねぇの!?!?!?
お姫様0
スケゴ0
本名3
ハイボール10
くらいでしか呼ばれなかったよ。
びっくりしながらエレベーターから出て家路に着いた。
まぁ。よくよく考えれば、確かに。
わたしはまだ彼らのお姫様ではなかった。
ただの客である。
ここから本指名をし、お姫様になっていくのだ。
王子様だって武道会に来る、自称ガラスの靴の持ち主を全員お姫様と呼んでいたわけではない。
なんて、浅はかだったのだろう。
帰宅すると、指名ホストからラインが来ていた。
「今日は選んでくれてありがとな
顔がかっこいいってもっといって笑」
私はヘッドホンから微かに聞こえる
PS4の起動音を聞きながら、
LINEを閉じディスコードに切り替えたのだった。