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#011 Agoraファブリックの耐光・耐水圧を検証[曝露実験 後編]2年間、屋外に放置したソファクッションの汚れを一般家庭によくある洗濯洗剤でメンテナンスしてみる。

こんにちは。こちらは、弊社bp international tokyoがメール配信しているニュースレターを公開・ストックするnoteとなっています。

bpが取り扱うテキスタイルブランドの中から『Aquaclean / アクアクリーン』『Agora / アゴラ』をメインに、各ブランドの特徴や本国での最新情報、環境への取り組みなどについてご紹介いたします。


本記事は、2年間 屋上に出しっぱなしにしたAgoraファブリックを使用したソファクッションを観測した曝露実験の[後編]です。

耐光性や耐水圧、中材の汚れ具合などをチェックした[前編]に続き、今回お届けする[後編]では、お手入れの簡単さを実感するため、2年間、屋根のない屋上で放置して付着したさまざまな汚れを、ドラッグストアなどで手に入る市販の洗剤や漂白剤を使ってメンテナンスします。

100%Solution Dyed Acrylic(アクリル原着糸)を使用し、高い耐久性と機能性、意匠性を備えた新しい高機能ファブリック「Agora / アゴラ」のメンテナンスのリアルをご覧ください。

Agoraファブリックの特徴は、note記事「#009 Agoraの特徴を簡潔に説明!」でご紹介しています。

実験環境のおさらい。2年間放置・観察した都心のルーフトップは、生地にとって過酷な環境

生地や中材を数種類、止水加工の有無など、条件が異なるクッションを用意して、比較実験をスタートしました。

[後編]では比較観察をしないため、生地や中材などの仕様の一覧は省略します。汚れ方の観察や中材とファブリックの組み合わせ、止水加工の有無による比較観察は[曝露実験 前編]をご覧ください。

◼︎実験の条件や環境
◎期間:2022年11月初旬~
◎場所:都内某所屋上(5F)
◎日照環境:屋根はなし。周囲に日光を遮る建物やパラソルなどもなく、日照はなかなかに過酷。

直射日光に照らされ続け、強い風で吹き飛ばされたり、雪が積もったり、大雨が降ったり、鳥のフンが落ちたりと、室内ではあり得ない環境です。

写真は、実験したルーフトップの前室(屋内)に敷いているラグ。 太陽光が当たる表面(左側)と、太陽光が直接当たらない裏面(右側の折り返した部分)の退色具合の違いからも、過酷な日照環境であることがわかります。

想定以上に付着する土汚れは、水とブラシでらくらくメンテナンス

コンクリートやタイル素材でも、屋外の床には土がたくさん落ちているものです。風が強い日だけでなく、うっかりクッションをソファから落とすなどして想定外につきやすい土汚れは、さっと払って、水とブラシで擦り、濡れタオルなどで拭えば跡形もなくすっきりです。

汚れとその周辺に水を垂らして
ブラシですりすり……
濡れタオルでやさしく拭えば
とってもキレイーー!

鳥のフンもブラシと水だけですっきり。漂白剤を使って衛生面もクリア

以下は、一般的に落としにくい印象がある鳥のフン。いつから付着しているのか分からないほど乾いていましたが、ブラシと水だけで簡単に取り除くことができました。

フンとその周辺が湿る程度に水をかけて
ブラシで小刻みに擦ること数回
乾いてしまったフンでしたが、どこに付着していたのかすら分からなくなるほどすっきり。

衛生面を考慮して、仕上げに漂白剤で消毒・殺菌を。色落ちを気にせず漂白剤を使用して殺菌・消毒ができるのは、アクリル原着糸を素材として使用しているAgoraファブリックならではの魅力です。
(アクリル原着に関しては、後述します)

高温多湿の日本で発生しやすいカビ。漂白剤で殺菌・消毒もOK!

雨に晒されるアウトドア家具では、避けることが難しいカビ汚れ。防カビのAgoraファブリックといえど、長期の出しっぱなしでは少なからずカビは付着します。2年の歳月で少しずつ溜まったカビ汚れを落としてみましょう。

【Before】

2年間の歳月で蓄積した小さなカビが点在しています。
少量の漂白剤をたらして
ブラシで軽くゴシゴシ...…
今回は、右下部分にのみ漂白剤を塗布し、ブリーチしていない部分と比べてみます。
タオルやキッチンペーパーなどで軽く拭って、
水ですすぎます。
はい、キレイーー!
こちらは乾かした後のようす。 ブリーチした部分だけ、すっかりカビが見えなくなっているのが分かります。

漂白剤を塗布した部分は、カビ以外の汚れも取れてすっかり元の生地色に。色落ちも発生しておらず、Agoraファブリック最大の特徴であるアクリル原着糸が活きています。

漂白剤を入れた洗濯機で、全体をクリーンに

この後、2年間同じ環境で屋上に出したままにしていた2枚のクッションカバーのうち1枚のみを洗濯用中性洗剤と漂白剤を使用して洗濯機で洗ってみました。

違いは歴然です。カビや汚れが取れて全体がキレイになっていると同時に、風合いも損なわれていません。

左/漂白剤を入れて洗濯機で洗濯したクッションカバー、右/2年間屋上で放置したままのクッションカバー
上/2年間屋上で放置したままのクッションカバー、下/漂白剤を入れて洗濯機で洗濯したクッションカバー

意匠性の高い生地でも安心して漂白剤を使えるだけでなく、太陽光による褪色・風合いの劣化が見られないのは、Agoraファブリックが素材にアクリル原着糸を使用しているからにほかなりません。

アクリル原着は、世界でも限られた数社だけが生産ができるテキスタイルの新しい素材、新しい技術です。

【Solution Dyed Acrylic (アクリル原着糸)とは?】
アクリルの原料(溶液)に顔料や染料等の色材を加え、着色された状態で製造された糸のことです。

アクリル原着糸が染色堅牢度に優れているのは、白い糸を染料に漬け込んで着色する一般的な先染め糸と違って、繊維と色材が一体化しているから。

また、薬品に対する耐性も高く、漂白剤を使用しても生地の傷みや退色の心配がありません。

アクリル原着糸の詳細やメリットは、こちらの記事をご覧ください。

ちなみに…「カビには漂白剤」とはいっても、漂白剤は非常にパワーが強く、一般的な生地では色柄への影響があるため安心して使用することは容易くありません。

下の写真は、一般的な綿素材のタオルに、上記の洗濯実験で使用したものと同じ漂白剤をかけたようすです。

漂白剤をかけた直後から退色がはじまり、あっという間に色が変わってしまいました。

漂白剤を使って洗濯をした濃色のAgoraファブリックのようすは、[曝露実験
 前編]
に掲載しています。併せてお確かめください。

鳥のフン、土汚れ、カビと、さまざまな汚れが付着する屋外環境に放置したソファファクッションも、Agoraファブリックなら中性洗剤、漂白剤といった市販の洗剤のみでメンテナンス可能ということがわかりました。

Agoraファブリックのお手入れの動画は、bp international tokyoのYouTubeチャンネルでもご覧いただけます。

お客様の事例_
3年間 屋外で放置して苔が発生したクッション

🔳Case study
・ソファ張地:Agora
・中材:無膜ウレタン(アウトドア仕様のウレタン)

3年間、屋外に放置していた座クッション。
まったくお手入れをしていなかったこともあり、全体に苔がついている。

bp Internationalによる曝露実験期間は2年ですが、3年ともなると、環境によってはカビだけでなく苔が発生することもあります。

このような場合は、漂白剤をかけてブラシで擦る or カバーを外して漂白剤とともに洗濯機にかけるという方法をお勧めしていますが、今回は薄めた中性洗剤のみを使用し、ブラシをかけるという対応ですっかりキレイになりました。

Agoraファブリックなら、特別な洗剤を使わなくてもメンテナンスが可能であるということがわかる事例です。

屋外への出しっぱなし期間も3年となると、汚れ方がイメージする範囲を超えることもあるでしょう。Agora本社のプロダクトマネージャーからも『環境によっても異なりますが、ここまで汚れる前、例えば2年を目安にメンテナンスをすることで、長く美しく使っていただけます』とアドバイスがありました。

2年間の曝露実験を経て

「実際に日本で屋根がないアウトドア環境で出しっぱなしにした場合、どのような汚れ方をするのか? ついた汚れはいかに簡単に落とせるのか?を、実際にこの目で確かめたい!」という思いから、曝露実験を開始して早2年。

時にはこのルーフトップで食事をしたり、台風で飛ばされないように対策をしたり、リアルな日常を崩すことなく観察を続けてきました。

結果、屋外使用では予想外の種類の汚れがつくこと、その汚れが室内と比較して手強いものであることなど、データだけでは分からない“出しっぱなし”ならではの汚れを体感し、同時に、イメージした以上に高いAgoraファブリックの機能性を実感することになりました。

bp international tokyoでは、これからも曝露実験を継続し、新たな発見や結果、Agoraの魅力ををみなさまにシェアしていきたいと考えています。

Agoraファブリックの強みや特徴は、以下の記事でもご紹介しています。アウトドア・インドアを問わず、生地選びの参考に是非ご活用ください。

弊社bp international tokyo が取り扱うファブリック『Aquaclean』『Agora』の特徴は、bp international tokyoのブランドページでご覧いただけます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた次回!