テニスボールの内圧を手間なく精度よく測る方法
概要
部活動やスクールで大量のテニスボールを使っている場合、ボールの品質を保つことは重要な作業です。柔らかいボールは飛びが抑えられ、簡単にコントロールできてしまいます。試合球との違いが大きいほど、テニスプレイヤーにとっては成長の足枷となります。
そこでテニスボールのへたり具合を仕分けて、品質の高いボールを厳選する訳です。代表的な方法は、次の2つです。
手で押して硬さを判断する
利点:素早くできる
欠点:感覚的なばらつきが出やすい
バウンドした高さで仕分ける
利点:公式球の判定基準でもあり精度が高い
欠点:作業スペースや高さの見極めなど手間がかかる
どちらも一長一短があります。本稿では、精度と簡単さを両立した硬度計(デュロメーター)による測定方法を紹介します。
硬度計(デュロメーター)とは?
硬度計は、金属・プラスチック・ゴムなどの硬さを評価するための試験装置です。計測対象となる素材の硬さ応じて、いくつかの規格があります。代表的な規格と対象素材を以下に記載します。
タイプD:硬い素材が対象
硬質ゴムやプラスチックなどタイプA:中間の硬さの素材が対象
ゴムやシリコンなどタイプO:柔らかい素材が対象
軟質ゴムや発泡スチロールな
硬度計には単位がなく、規格ごとに0〜100の値で硬さが表現されます。硬さ(Hardness)のイニシャルを使い、タイプDならHD、タイプAならHAと単位を付けている場合もあります。
こちらの動画が硬度計について詳しく解説しているため、興味のある方はご参照ください。
硬度計でテニスボールの内圧を測る
今回は、以下のデジタルデュロメーターを使って計測を試みます。計測機器ではあるものの、3000円程度で購入できます。
テニスボールは、DUNLOP FORTを使用しました。ボールの種類や計り方によっても数値が変わるため、読者が実際に試す場合は自分なりのやり方を模索いただけると幸いです。
では、実際に計測してみます。計測手順は、次のとおりです。
ボール番号の位置に計測用の押針を当てる(位置によってもばらつきが出るため、できる限り同じ箇所で計測)
押針が沈みきるまで、ボールの中心に向けて垂直に力を加える(ボールに対して斜めに力がかかると値が小さめに出るため注意)
値を読み取る(値はリアルタイムで表示されるため、測定には1秒もかからない)
測定のばらつきがあるため、数ミリだけずらして2〜3回程度計測する
DUNLOP FORTで数十球を計測したところ、以下のような目安となりました。
NEWボール
平均 60 HA以上セットボール(1〜2回使用済み)
平均 55〜60 HA練習球として使えるものの、柔らかさを感じる
平均 50〜55 HAへたっていて練習球には不適切
平均 50 HA 未満
まとめ
本稿では、テニスボールの内圧を硬度計で計測した例をまとめました。硬度計での計測メリットは、次の2つです。
感覚ではなく、定量的に計測できる
バウンド計測よりも遥かに短時間で計測できる
もしテニスボールの品質管理でお悩みの方がいましたら、手間なく精度よく測れる硬度計を一度お試しください。
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