![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/155062618/rectangle_large_type_2_3874f9b86f2d00650ec0f9315e078a2e.jpeg?width=1200)
TVアニメ「小市民シリーズ」 春季限定いちごタルト事件
どうもです、遅くなりながらもこちらのアニメにつ
いて語りたいと思います。
まずこの「小市民シリーズ」はあの「氷菓」を原作
とした米澤穂信先生が著作した「春季限定いちごタ
ルト事件」と「夏季限定トロピカルパフェ事件」が
原作となっております、こちらは有名な「氷菓」と
比べるとキャラクターの交わりによるギャップがあ
まり無いので似ているようで似つかない作品となっ
ています。全10話で5話ごとに区切られていますので
割と見やすい部類ではあると思います、2期も決まっ
ておりますので非常に楽しみですね。
さて、まずは春季限定いちごタルト事件パートです
が、最初は船戸高校の合格発表から始まります、原
作では小鳩常悟朗の夢で中学時代での自分の行いが
端的に表現されていましたが、この描写はカットさ
れており、アニメでは別の話に差し込まれておりま
した。ここで、スマホでの連絡により小佐内ゆきと
合流します、ここで相方合格を確認すると、小佐内
さんが中学での同級生を見かけ、小鳩くんに隠れる
が、ここで小鳩くんは「僕は小市民失格だね」と言
いますが、これは恐らく彼らの約束による発言で
す、彼らはお互いに小市民になるために助け合うと
いう互恵関係なるものを構築していますが、それは
正確には自分たちが慎ましく暮らすための努力を怠
らず、もしそれが脅かされそうになったらお互いを
楯にしてそれを回避するというのが主です、ここの
発言から見えてくるのは、小佐内さんの過去からそ
の同級生と顔を合わせたくない理由があるとされ、
それを回避するために行動できなかったことによる
ものとされるでしょう、彼らの約束というのは固い
誓いとも言えませんがただの口約束とも違います、
こうしていざ危機にひんしたときの策がすでに掲示
されている点を見てみると、おそらくゴールの無い
約束で、継続することに意義がある約束だと思われ
ます、慎ましくあるというのは承認欲求や自己顕示
とは無縁の目立たず静かにあることでもあるので常
にそういう状態でないといけないので、何かしらの
抑制剤が必要です、それがこの2人の互恵関係そのも
のです、この関係に関して相方が必要としているの
は欲求が自分で抑えられないのを自覚した上でやっ
ています、小鳩くんに関してはそれを理解はしてい
ますが、小説内では小鳩くんを中心として展開され
るので、小佐内さんが実際はどう思ってるかが分か
りにくいですが、恐らく心理的には小鳩くんと同じ
だとは考えられます、ですが自分的にはこの約束の
内容を完全に理解するには少し難しかったです、普
段こういうタイプのアニメは見ないので約束って聴
くと誓いとか軽い約束とかの二極を想像しやすいん
ですよ、こういう合理的すぎる約束っていうのを見
てしまうと正当性がありすぎるんですよ、基本感情
なしの誓いだったりは絆とかの人単体での繋がりが
ないのでとことんビジネスなんですよね、まぁでも
これがストーリーと結びついていたりしたりしっか
り作品の中に機能したりしてはいるので大丈夫だと
は思ってはいるんですけどね、こればっかりはただ
の不平不満でしたね。そしてここで小鳩くんの知り
合い?である堂島健吾が登場しますが、小佐内さん
は後に初対面の彼に対しての警戒を吐露しますが、
全話見た後この警戒をよくよく考えてみると、単に
小鳩くんを心配したんじゃなくて、約束による面倒
事が自分にも襲いかかってくることを恐れての発言
だということが分かりました、後になってそれは正
確だったことも分かりますが、流石に少し不憫には
感じましたね。合格発表の後でのポシェットの盗難
では映像の方向性だったりとかも見てみると、かな
り分かりにくく感じます、意図的に映画の画面作り
を意識しているので心象風景と現実での映像との区
別がつきにくかったりや、回想描写の分かりにくさ
などが顕著でした、心象風景に関しては悪い手法と
は感じませんでしたし、後になってそれも効いてき
たりするので大丈夫かとは思います。1話の終盤で、
高田くんが「付き合ってるならわかるだろ?俺がどう
いう気持ちでラブレターを入れたか…」と言います
が、その勘違いを彼らはあえて指摘しませんでし
た、彼らの互恵関係には相方が相手のための楯とな
るとありますが、これもその一つです、お互いが交
際関係であると他人に周知させれば色々と都合が良
いからでしょう、自分の考察として言ってみると、
「班決めなどで必ず一緒になるための相手」
というのに近い感じです、かなり曖昧な関係です
が、考えてみると有効的な関係とも言えます。
「おいしいココアの作り方」
の話では、今話はあまり事件とは関係のない感じ
ですが、小鳩くんの変化に対して堂島くんが指摘す
ることによるキャラの深掘りがあったので、関連性
ゼロとは一概には言えませんね、ここらへんは
「氷菓」の里志がこだわりをなくした経緯と若干似
ていますね。それで、本題の謎解き要素ではありま
すが、なかなか杞憂なことにただの行動予想とな
り、健吾くんがどうやってシンクを汚さずにココア
を作ったかについてでした、小佐内さんと小鳩く
ん、それに加えて健吾くんの姉千里さん、
リコリスつながりかはよくわからないですが声優が
安済知佳さんでしたね、偶然。この3人は事前に牛乳
入りのカップやら何やらを用意してココアを作った
のではと試行錯誤していたわけですが、姉千里さん
は「バカ健吾」と連呼してた割に中々手間のかかる
手法をバンバンだしていたりなどで、結局健吾くん
が牛乳パックを最初から丸ごとレンチンするほどの
人間だと気付けたのは、過去を知ってる小鳩くんで
した、健吾くんはそれなりに頭が利くほうだとは見
てる感じは思いますが割とガサツなところもあるよ
うです、「おいしいココア」自分も少し試そうと思
います。
「ハンプティ・ダンプティ」、
この話ではテスト中の小佐内さんが突然掃除ロッカ
ーの中で花瓶が割れ、それがノイズとなってしまい
小鳩くんをまたしてもスイーツ巡りに誘う話となっ
ています。ノイズとは正確には突如起きた過敏割れ
によって小佐内さんが生物のテストで考えていた問
題の答えが一瞬でパーになってしまい、腹いせに
小鳩くんを、行くのを封印した過去がある
「ハンプティ・ダンプティ」というお店へと
ヤケ食いに行きますが、食事の途中で小鳩くんが
スマホを学校に忘れたことを思い出し、一時的に
その場を退去し、学校に戻ることとなります。
この辺りは原作ではスマホではなく古いガラケーと
なっていますが、小鳩くんのガラケーは古く、カメ
ラ機能すらついていない代物となっているので彼が
あまりそこら辺に詳しくないところが描写されてい
ます。学校へ戻り無事携帯を見つけた小鳩くんは、
その推理したがりな性格からさっき小山内さんから
聴いた花瓶割れの事を解き明かそうとします、結果
的にはそれが花瓶が割れたのを利用してテストをカ
ンニングしたい人が行った行為と判明しましたが、
「氷菓」に慣れ親しんだ人なら不可解にみえるとこ
ろがあります、結局のところ小鳩くんが解いたのは
花瓶を割った動機を明かしただけで、肝心のどうや
ってロッカーの中で自動的に花瓶を割ったかは明か
しませんでした、恐らくそれは意図的なことで視聴
者側から見て映像でどうやって花瓶を割ったかが描
写されていましたが、それでも今ひとつ謎です、
決められた時間に意図的に花瓶を自分の手でなく自
動的に割るのはかなり難しいことのはずですが、そ
こらへんの手段や計画は全く触れられませんでし
た、ここらへんは少し疑念が残りましたね。アニメ
では少し前に小鳩くんが学校から戻った時は、退去
したときにあったモンブランがなくなっていました
が、これは単純に小佐内さんが食べたのだと考えら
れますが、この描写と思われるものが先の原作には
ありました、これは暗に彼女のスイーツ好きがそ
れほどだということなのでしょう。ハンプティダン
プティの帰りで、小佐内さんの自転車を盗んだ
「サカガミ」を見かけますが、小佐内さんはこの時
点で彼の苗字を知っています、見たところかなり調
べた様子とも見れます、彼を追いかけようとした小
佐内さんを小鳩くんは誓い通り止めようとします
が、彼女はそれほどタルトへの恨みが大きかったの
でしょうか、完全にヤル気です、これに小鳩くんは
危機感を覚え、小佐内さんへの被害を心配してか
堂島健吾への協力を求め、彼女を止めようとします
、堂島健吾は復讐なんてあの小動物のような小佐内
さんからは考えられないと動揺しましたが、それを
知る小鳩くんからは、彼女はスイーツ好きなのと加
えて、かなりの復讐好きなことを教えます、それは
物理的なものではなく、「社会的に抹殺する」を地
で行くほどの巧妙なものだと主張しました、結果的
には穏便には終わったものの、しっかり制裁は加え
たのでした、正直彼女自身後悔の念を隠しきれては
いなかったようでしたが、遅すぎるとも言えます、
今話では小佐内ゆきの執念深さが知らしめられたも
のではなかったのでしょうか。
4話の「狐狼の心」では前話での帰りで、小佐内さん
の自転車を盗んだ「さかがみ」を見かけますが、
小佐内さんはこの時点で彼の苗字を知っています、
見たところかなり調べた様子とも見れます、彼を追
いかけようとした小佐内さんを小鳩くんは誓い通り
止めようとしますが、彼女はそれほどタルトへの恨
みが大きかったのでしょうか、完全にヤル気です、
これに小鳩くんは危機感を覚え、小佐内さんへの被
害を心配してか堂島健吾への協力を求め、彼女を止
めようとします、堂島健吾は復讐なんてあの小動物
のような小佐内さんからは考えられないと動揺しま
したが、それを知る小鳩くんからは、彼女はスイー
ツ好きなのと加えて、かなりの復讐好きなことを教
えます、それは 物理的なものではなく、「社会的
に抹殺する」を地で行くほどの巧妙なものだと主張
しました、結果的には穏便には終わったものの、し
っかり制裁は加えたのでした、正直彼女自身後悔の
念を隠しきれてはいなかったようでしたが、遅すぎ
るとも言えます、今話では小佐内ゆきの執念深さが
知らしめられたものではなかったのでしょうか。
次の話は5話の「伯林あげぱんの謎」ですが、
驚いたことにこの話は四季シリーズとは別の
「巴里マカロンの謎」という原作からのものです、
この本の中では話しごとの時系列がバラバラでし
て、その内の「春季限定いちごタルト事件」と「夏
季限定トロピカルパフェ事件」の間に位置する話を
アニメ化したものとなります、この話では新聞部部
室にアンケート用紙を届けに来た小鳩くんが、新聞
部に所属する堂島健吾に頼まれて新聞部内であるは
ずのパンがないことの原因を探ることになります、
ここで部室内にいる新聞部メンバーの紹介がされま
す、健吾含めて4人で、真木島さんと、門地くん、
そして五日市くんとなりますが、五日市くんは
原作では初登場が「秋季限定栗きんとん事件」とな
っており、ここは本来は杉さんという女の子になる
はずでした、2期での布石により先に登場させたこと
により清楚系女子の枠がなくなったのは至極残念な
限りですが仕方ないでしょう、これ以外の原作改変
は、これまた秋季限定で活躍予定の瓜野くんが出て
きました、本来の原作では飯田という1年生が出てき
ますが、ここでも2期への布石ということで先の登場
となりました、この話は原作が別にあるので箸休め
的なものとなりますが、かなりエンタメ性に富んで
ますので、かなり氷菓味のある話となっています
ここらあたりで評価が上がったりもしたでしょうね
、さて、キリのいいところなのでここで終わりにし
ておきましょう、次は「夏季限定トロピカルパフェ
事件」となります。