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映画「メイクアガール」感想
見てきました、安田現象氏の初監督作となるこの作品、個人的にはYouTubeショートから劇場版としてどのように落とし込むのか気になってはいましたが、想像より良質なものとなっていました。
予告から若干SF味があるとは思っていましたが、後半からのメカニック怒涛のラッシュが凄かったですね。
全体を通してみた感じかなり良かったですね、ちょっと主人公が0号を作る時のきっかけというか、動機づけが少し弱いかなと感じましたが、多分この主人公に関してはあまり視聴者としては好感を得られないと思います、それはそれでいいんですよ、主人公が気に入らないとかそういう感覚的なのってどうにもできないですからね、でもこの主人公って説明はなかったですけど人間ではないんですよ、回想とかで幼少期の頃の主人公が出るんですけど、喋り方が年不相応に理知的だったりや、初めて母親と会話する時もそういう意味深さがあったりしたので多分主人公は0号と同じタイプの人造人間だとみて間違いないと思います。良かったとは言っても、釈に対して設定とかを後半になって一気に押し込んでる感じが少しあった感じですね、中盤くらいから「第三人類」という単語が2回程度出てくるんですが、多分単語だけで意味を理解しろって感じで説明が何一つなかったんですよね、映画では突如出てきた単語ですから少し理解が追いつきませんでしたが多分言葉のまんまだと思いますね。前半は結構ゆったり進んでいくんですが、中盤の0号を拉致した犯人が出てきた辺りでかなり展開が早くなっていった感じですね。これ結構怖いことがあって、主人公の母親的存在の稲葉博士って、主人公をただの息子としては見てないわけなんですよ、そのせいで主人公自身も自然と母性を求めがちになってる、ここで恋愛感覚を持った0号との齟齬が生じるわけです、だから最終的に主人公は0号を「一緒にいて安心できる存在」として落ち着こうとした訳です。でも0号としては他のソルトみたく主従ありきの関係が嫌なわけですよ、0号が欲しているのは主人公を好きだという前提の上での対等たる関係であって、母親というわけでも家族というわけでもないんですよ、しかも主人公はそれが分かっても尊重はできないですからあの滅多刺しが起こったわけですね、最後に関してはかなり考察に幅があるので、この作品自体続編は出ない感じもありますから、ちょっと物足りない感じもありましたね。今回は雑でしたがこれで以上となります。