中央本線愛岐トンネル群旧線跡探訪記
中央本線の愛知県,岐阜県境に位置する高蔵寺~多治見には、単線非電化時代の旧線跡が残っている。
山間部のためトンネルが14か所あり、それらトンネルは愛岐トンネル群と呼ばれている。
そのうち愛知県側3号~6号トンネルは遊歩道として整備され、初夏と晩秋の数日だけ開催される公開イベントの日だけ、旧線跡を歩くことができる。
かねてから、愛岐トンネル群中央本線旧線跡を探訪したい! と思っていたところ、今回イベントの日の12/1(日)に都合が合い、天気にも恵まれそう!、ということで訪ねることにした。
滋賀の自宅最寄り駅からまず米原へ。
米原で一旦下車して「青空フリーパス」を購入、
さらに名古屋まで東海道本線で、名古屋から中央本線に乗り換え、
愛岐トンネル群最寄りの定光寺駅へ向かう。
名古屋から乗った中央線は区間快速電車で、いつもなら定光寺に停車しないのだが、今日は愛岐トンネル群イベントのため、定光寺に臨時停車するのである。
定光寺に到着すると多くの人が降り、少しビックリする。
旧線跡を歩くなんて、廃線跡好きな人と一部ハイカー位なものだろうと思っていたので、これは予想外だった。
区間快速を臨時停車させるほど、多くの人が楽しみにする大きなイベントなんだと理解した。
小さな子供を連れた家族から年配の方まで、訪れている年齢層も幅広い。
鉄道の旧線跡の遺構を多くの人に知ってもらう絶好の機会になっているのだと思う。
狭いホームに人が溢れ、まず駅を降りるのに長い列を並ばなければならなかった。
TOICAの出場改札機が1台しかなく、それに長い列が出来ていたのだった。切符利用者は出張の駅員に切符を渡すまたは見せるだけなので、まだスムーズに降りることができた。
さらに駅を降りると遊歩道入口まで長い列ができていた。
この列に30分ほど並び、入場料100円を払い、ようやく遊歩道に入場することができた。
遊歩道は約1.7kmもの長さがあるので、遊歩道に入ると人混みは分散し、自分のペースで探索ができる。
遊歩道に入ると早速最初のトンネル、3号トンネルが現れる。
木々の中にレンガ造りのトンネルが口を開けている。
明治時代に建設されたもので、長年風雪に晒されてきたレンガが歴史を感じさせる。
昭和41年までここを中央本線の蒸気機関車が行き来したのである。
3号トンネル入口にはかつてここを駆け抜けていた蒸気機関車の実物大の幕が吊られていて、バラストが残るトンネル内を歩くと、蒸気機関車が行き来した様子が思い浮かんでくる。
3号トンネルを出ると、左側に古レールを使った落石除けの柵が現れる。
これも鉄道が走っていたことを示す遺構で、木々の中にたたずむ錆びたその姿が歴史を感じさせる。
よくぞ今まで木々の中で倒壊せずに残っていてくれた!
この柵の一角に旧線跡から見つかった碍子等の残存物が展示されていた。
落石除けの柵を過ぎると、竹林ともみじの紅葉を楽しめる場所を通り抜け、
また木々の中にレンガ造りのトンネルが口を開けている。次は4号トンネルである。
4号トンネルを出るとこの遊歩道の名物となっている大もみじが迎えてくれる。
大もみじ全体がちょうど紅葉し、色づいた紅葉の木漏れ日がトンネル出口を照らしていて、幻想的だった。旧線跡は興味がなくとも、大もみじの紅葉を見るために訪れるに十分価値があると感じた!
大もみじを過ぎると遊歩道沿いのもみじが増え、紅葉を楽しみながらの散策となる。これだけ紅葉を楽しめるとなると、秋の遊歩道公開では紅葉目当ての人も多いのだろう。
5号トンネルと6号トンネルと続いて現れ、6号トンネルは333mもあり、今回通るトンネル群の中で最長のトンネルである。建設時は難工事であったようだ。
長いトンネルなので真ん中付近は真っ暗、今回のイベントではプロジェクターでお化けを映し出して、お化け屋敷を再現していた。
真ん中を通り過ぎると、出口に向かうにつれ光が差し込んできて、だんだん明るくなってくるのがなんともいい感じだ。
鉄道トンネル跡を歩いている実感がして、気分が高まる!
6号トンネルを出たところで愛知県と岐阜県の県境となり、遊歩道はここまでとなる。6号トンネルを出たところは谷間で日陰となって冷えていて、早々に折り返して来た道を戻る。
帰りは行きとは逆方向の眺めとなり、行きには見つけることできなかったものを発見したり、別な角度から紅葉を見て、帰りも旧線跡散策を堪能する。
遊歩道入口まで戻ってきた後は、定光寺駅より少し先にある
愛岐トンネル群保存会の展示会場を訪ねてみる。
遊歩道整備活動の写真を拝見することができた。
遊歩道整備開始時、トンネル群が藪に埋もれている状況の写真があり、現在の状況まで整備するのに大変な苦労があったとうかがえた。
保存会の活動のお陰で、今は旧線線を気軽に歩くことができることに感謝! である。
定光寺駅からの帰りは、昼食がまだだったので、駅近に牛丼店の心当たりがある千種駅で下車。牛丼店は改装工事のため休業中で、横浜家系ラーメンの昼食とした。
12月となって少し寒くなってきた中での旧線跡歩きの後、ラーメンで暖まることができた!
千種駅からは中央本線を金山駅へ。金山駅で東海道本線に乗り換え米原駅へ。さらに琵琶湖線に乗り換え、帰路に就いた。
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以上2024/12/1の私の旧線跡歩き(廃線跡歩き)の記録です。
鉄道の痕跡を探し歩く、旧線跡探訪(廃線跡探訪)皆様もいかがでしょうか!
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