【観戦録】 堤聖也世界前哨戦&ワタナベのトッププロスペクト横山葵海デビュー戦!
7月に入ったばかりだというのに35℃超えの猛暑日が続いています。
エアコンの電気代を渋って熱中症にでもなってしまったら元も子もない。
格闘技興行のチケットやPPV代は即決で出せるのに、なぜかこういうは渋ってしまいます。
今回は先日のSフライ級統一戦のアンダーカードで行われた2試合について書いていこうと思います。
堤聖也(日本)11-0-2(7KO) vs ウィーラワット・ヌーレ(タイ)
堤聖也選手。男らしい戦いとは裏腹に、SNSで披露している手料理を美味しそうだなと思いながらいつも見ています。
そんな堤選手は昨年末、井上尚弥選手のSバンタム級4団体統一戦の興行のセミファイナルで行われた日本バンタム級モンスタートーナメント決勝戦以来の試合。
相手は噛ませ犬、準備期間も短かったとはいえ、試合感が狂うほどの間隔が空かなくて良かった。
1Rからプレッシャーをかけていく堤選手。お互いパンチはあまり当たらず、静かな立ち上がり。
2Rも同じような展開が続きますが、堤選手は少し圧力を強めてきたか。
3R、堤選手がフェイントをかけながら上下にパンチを散らす。
噛ませだと思われていたヌーレ選手もスピード感が良く、ストレートも伸びてきます。しかしラウンド後半には堤選手がボディからの連打でダウンを奪取。再開後、ボディを攻め続けて2回目のダウンを奪ったところでゴング。
4R、伸びるストレート、アッパーなど多角度から攻め立てる堤選手。強力なプレスから強烈なボディを叩き込み、さらに2回のダウンを奪う。4回目のダウンを奪ったところで試合終了。堤選手の4R、TKO勝利!
WBA世界バンタム級2位をはじめ、主要4団体すべてで世界ランキング入りをしている堤選手。
周囲からは今回の試合は世界前哨戦との声も多く、本人もその意識は少なからずあったでしょう。そのせいか少し動きが硬く、狙い過ぎてしまっていた印象でした。
堤選手の試合後マイクから、「ボクシングを本気でやっている奴らのぶつかり合いって、殴り合いですけど、そのぶつかる姿に人は美しいという感情を抱いてしまう。それがボクシングの魅力だと思うし、その競技を今もこうやって続けられることに凄く感謝して、誇りに思います。(中略)」
堤選手が言うからこそ、重みがあり、心に響く言葉。
毎試合命をかけて戦い、我々に感動を届けてくれるボクサーには尊敬の念しかありません。
世界王者4人全員が日本人という、日本バンタム級黄金の時代。
まだどの王者に絡んでいくのかは分かりませんが、堤選手の世界挑戦が楽しみでなりません。
横山葵海(日本)デビュー戦 vs ワンハオ 1-2(1KO)(中国)
アマ戦績56戦44勝、全日本選手権バンタム級優勝の経歴も持つ横山葵海選手のデビュー戦。
1R、ワン選手を中心に回りながら様子を見る横山選手。その背中の発達具合とバックステップ、素早い踏み込みからのボディジャブはあのモンスター井上尚弥選手を彷彿とさせます。ジャブの上下の散らしがとても良く、そこからのワンツーもキレキレ。ワン選手もジャブからフックまで繋げますが、横山選手の距離感が良く、スレスレのところでほぼ避けられてしまう。中盤、横山選手の左ボディから左フックのコンビネーションがヒット。ワン選手、これは効いたようでジリジリと後退。横山選手はプレスを強めて、ラスト10秒のところで右のカウンタークロスをヒットさせ、ワン選手ダウン!カウントをいっぱいまで使って立ち上がったところでラウンド終了。
2R、初回よりもプレスを強める横山選手。ラウンド開始1分程度のところで打ち下ろし気味のワンツーがヒット。ワン選手は思わず膝が崩れかけます。そこからジャブで顔を跳ね上げ、さらに3つ連続のジャブでワン選手2回目のダウン!レフェリー、ここで試合を止め、横山選手の2R、TKO勝利!
自分のジャブだけ当てて、相手には当てさせない絶妙な距離感設定、素早い踏み込みからのワンツー、相手の返しは当てさせないほど早いバックステップ。完勝と言える内容での勝利でした。これからの活躍が非常に楽しみになるデビュー戦になりました。