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【遠景】と【近景】

新宿のパチンコ屋の軒先で生きるウツボの気持ちを考えたことはありますか?
何をどうしたらそんなに数奇な運命を辿れるんでしょう?

先週末はわりかし調子が良くて、インターネットを介して人が曖昧に集まる場でお酒を飲んだり、酔った勢いで怖い映画を見たり、好きなアイドルをライブハウスで応援したりした。

映画はホラーというより、神話を見ているように感じた。村に着いた序盤の頃が一番しんどく、それ以降は案外耐えられた。もう二度と見ない。

クマリデパートかわいいしノれる

世界が大変な騒ぎになっていて、上記の行動はどれも今週末なら怒られる可能性が高いのだと思う。

東京が封鎖される前でよかった。(こんなことを考えるのも怒られそう)

反動なのか水木は一日中意識がぼんやりしてつらかった。

体調を安定させたい。



【遠景】

さて、世界は本当に大変なことになっていて、僕は何かの専門家ではないけれど、これは少なくとも2〜3年のスパンで長引くと思う。

ワクチンやら治療薬やら集団免疫やらって1年じゃどうにもならない。

世界の仕組みが今のままなら、未知のウイルスによるパンデミックはまた起きる。
コ◯ナ騒動が去っても、そのリスクを抱え込んだ形に社会は変わらざるを得ない。
シン・ゴジラのラストみたいなもんだ。
ゴジラと共に生きるしかない。

泊まったホテルの朝食ビュッフェは料理にラップが被せられ、従業員に「これが食べたい」と伝えて取ってもらう形式になっており驚いた。普段ならガツガツ食べるのだが、いちいちお願いするのは気が引けてあんまり食べなかった。けれど、これからはこの心踊らぬ方式がスタンダードになるんじゃないか?

スポーツ観戦とか音楽イベントの形も変わるのかもしれない。2座席おきに観客が座って、飛沫を飛ばさぬよう静かに眺めるようになるかも。

不要不急の娯楽が消えて何にも熱狂しない世界。大災禍を乗り越え、みんながみんなの健康を最大限に尊重する退屈なユートピア。
伊藤計劃の『ハーモニー』っぽいね。


悪い予言ばかりしていても仕方がないのだけど、良い予言が思いつかない。

良い予言を見つけたくてニュースを眺めると、グローバルエリートたちが
「企業にとって最高にストレステストですね!」だの
「リモートワークでホワイトカラーの9割が不要になる」だの
「課税して日本を見捨てるような富裕層なんか最初からアテにしなきゃいいんです!」だの
のたまわっており最悪な気分になった。

僕も「自分が生き残る側、必要とされる側」だって盲信できたらよかったのに。

コ◯ナに自分が感染することを怖がってない節がある。なんなら夜行バスで格安に遠くへ行きたいくらいのことを思う。
同じように鬱で休職してる人でも怖い人はちゃんと怖がっているみたいで不思議だ。
罰則のない自粛要請に素直に従う人が多いことに驚いている。
みんな空気を読むのが上手だ。



【近景】

昼食を外で済ませ、ぼんやりして気乗りしない中、無理矢理自転車を走らせ郊外の公園に行く。
行ってみたら案外悪い気分じゃなかった。

桜が咲き、子どもや犬が駆け回っている。
なんてのほほんとした光景なのだろう。

春ってこんなに眩しかっただろうか。
日差しというより、そこら中を漂う空気そのものが白っぽく少しずつ輝いているみたいだ。
花粉で目がイカれているのかもしれない。
だるくて暖かくて埃っぽい。

帰りにスーパーでコーラを買って飲む。
今日ほど甘ったるくて適度にぬるいこの飲み物が似合う日もない、そんなことを思う。

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