【絵本】大きな木を愛した若葉 ~おちばぁとダンゴムシエピソード0~
このお話はおちばぁとダンゴムシのエピソード0です。
おちばぁとダンゴムシは下記からご覧いただけます。
併せてご覧いただけると幸いです。
私は、若葉!
お母さんと一緒に暮らしているんだ。
「お母さん!
今日は体が揺れて気持ちいいね!」
「そよ風というんだよ。気持ちいいね~」
二人は大の仲良しです。
そんなある日事件が起きました。
「顔に穴ができちゃった。。。」
「それは、ムシさんに食べられちゃったんだね。。。」
「私、女の子なのに、、許せない!」
「ムシさんにもいい方もいるからね~」
お母さんはニコニコとしていて全く怒りません。
「お母さんバカなの!?
娘が傷つけられてるのに!
お母さんなんて知らない!」
「ムシさんにもお世話になっているから。
いずれあなたもわかるようになるわ。」
若葉はお母さんを理解できませんでした。
その日の夜、台風がきました。
お母さんに別れも言えず地上に落とされてしまいました。
「私、お母さんに謝れてない、、、
もうお母さんと話せないのかな、、、
寂しいよ、、、」
悔しくて何日も泣き続けました。
ある日、ムシが木の近くで
うんちをしていました。
「あなたたちムシはいつもそう!
迷惑とか考えてよ!!」
「え!僕のうんちって木の
栄養になるのに、、、」
「え!そうなの!?
もしかしてあなたの
うんちのお陰で
私達は生きているの!?」
「そうだよ!」
ムシは少し誇らしげです。
「じゃあ、私のことも食べて!
それでうんちをして!
私、この木の為になりたいの!
ママに恩返ししたいの!」
「ごめんね、落ち葉さん。
私は葉が食べられないんだよ。
ムシはムシでもダンゴムシさんを
探すといいよ!」
そういうとムシは去っていきました。
それから何日も経ちました。
「もうだめかもしれない。」
葉っぱはもう死にそうでした。
「腹減った~。
なんでもいいから食べたーい。」
前からダンゴムシが歩いてきました。
「おい!たべちゃうぞ!」
とダンゴムシは言いました。
思わず笑みがこぼれます。
これが最後。私の最後。
「私はおちばぁといいます。
是非食べてください。」
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