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おでかけ記 #07 … 灯台レンズ等見学説明会

こんにちは。
今回のおでかけ記は 2024年6月1日(土) に参加した『灯台レンズ等見学説明会』についてのお話。ふだん一般には公開されていない「海上保安庁 海上保安試験研究センター」(東京都立川市) への訪問記となります。
前半は見学会の様子を写真多めで、後半には拙い解説を記しましたので、ご興味のある内容だけお読みください🙇‍♂️💦



はじめに

私の趣味紹介やこれまでの「おでかけ記」にあるように、のぼれる灯台を見学したり、夜の灯台を訪問して眺めることが好きです。
そんなある日の夕方、海上保安庁の X (旧Twitter) にこのようなポストを見かけました。

予約すれば行列に並ばずに入場できる…このようなイベントは大好物ですので、すぐに予約サイトでチケットを入手 (なんと 0円!) 。
6月1日の午前中はすぐ近くにある「国立極地研究所 南極・北極科学館」を見学、午後から『灯台レンズ等見学説明会』の見学としました。

『灯台レンズ等見学説明会』

海上保安試験研究センター
受付を済ますと早速各種展示品 (写真集、パネル、模型等) とご対面
海上保安庁のキャラクター「うみまる(兄)」と「うーみん(妹)」
センター所長のご挨拶に続き、
モニターで灯台レンズ製造のダイジェスト動画を視聴
その後、実際にレンズを製造していた「加工室」へ

「加工室」扉の曇りガラスに中で展示されているレンズや灯器の光りが漏れ出ていて、期待が高まります。

各種レンズ (灯器にはLED使用の物も)
左下はモーターでレンズを直接回転させる「回転式ビーコン型」
港内の防波堤灯台や浮標でよく見かける航路標識たち
電球の球切れが起きた際の交換機構

防波堤灯台や導灯などのような航路標識の塗色や光り方などは、国際的な勧告に沿って海上保安庁によって定められています。
基本的には港へ入る方向を見て左側が「緑 (塗色は白)」、右側が「赤」に光ると覚えておけば (私の覚え方)。

光源の変遷
ガス・石油灯器から電球、そしてLEDへ
電球の寿命は500時間だそうです
ガラスを熱してレンズの形にする「加工炉」(下画像手前)、
加工したレンズを冷ます「除冷炉」(下画像奥)
各種の加工機械
ガラス材料と加工されたレンズ
灯台図面各種
第一等単閃光レンズ (=犬吠埼灯台のレンズ) の図面は本邦初公開だそう
工場入口にあったと思われるプレート
各機器に貼ってあった製造銘鈑

「加工室」での見学は約1時間半、あっという間に過ぎてしまいました。
職員さんの解説を聞きながら写真をいっぱい撮っていたので、一部説明に誤りがあるかも知れません。
センター玄関前で職員の皆さんや参加された皆さんで記念撮影となり、解散となりました。

雑なマスクで申し訳ありません💦
最後列でピースしているのが私です🤓

見学会のまとめ

レンズ製造は "失われた技術"

  • レンズは灯台ごとのオーダーメイドであり、海上保安庁自らが製造していた。

  • 今回見学した「加工室」。こちらでの灯台レンズ製造や補修は数年前に終了している。国内各地にある灯台レンズも、壊れたらもう直すことはできない。

  • 今年の能登半島地震で被災した禄剛埼灯台も、レンズを直すことができないのでLEDに置き換えることが計画されている。

禄剛埼灯台 (石川県珠洲市)
(2006/9/19)

見学会は初めての試み

今回の『灯台レンズ等見学説明会』、ふだん近隣の小中学生の社会科見学などで案内することはあっても、一般に入場者を募るというのは初の試みだったようです。職員さんたちも「こんなマニアックなイベント、果たして来てくれる人はいるのだろうか?」と心配だったようです(笑)。
解散時にも「次回、このようなイベントあったら来て下さいますか?」とのお話があったので、私は「入場料払ってでも来ます!」とお答えしました。

海上保安試験研究センター

今回訪問した「海上保安試験センター」についての組織概要や略歴については、リンクを参照してください。
🔽 海上保安庁HP よりhttps://www.kaiho.mlit.go.jp/soshiki/soumu/center/center.html

センター所長が仰るには、業務内容は「海の科捜研」とのことです。

横浜との関わり

「海上保安試験センター」のリンクに記載があるように、もともとは横浜にありました。
開国後に諸外国から国内の灯台整備を求められた政府は、明治2年7月、現在の横浜市中区北仲通に"燈明台掛"を置いて、灯台用の木工・鍛冶工関係の製作を開始したのが始まりです。

「海上保安試験センター」中庭にある、横浜から移設された門柱
関東大震災でもこの門柱だけは被害を免れたそうです
北仲通北第一公園 (横浜市役所向かい) にある「灯台発祥の地」

また今回の見学会で "日光弁" (暗くなったことを検知して灯器への燃料供給弁を開閉する装置) の説明がありました。この展示品、今回の見学会前に試しに作動するかどうか確認したところ、なんと正常に作動したとのこと。
そんな "日光弁" が、横浜ベイブリッジ下「横浜外防波堤灯台」の中に今でも残っているかもしれないとのことです。
「横浜外防波堤灯台」は平成31年に灯台としての役割を終え、今では横浜市認定歴史的建造物となっています。そんな灯台内の中で、今でも日夜 "日光弁" が作動しているかもしれない…というお話が大変心に残りました。

横浜外防波堤灯台
(手前の赤灯台:北灯台、画像奥の白灯台:南灯台)

灯台好きが、その背景にある技術的な解説を聞き貴重な展示品を見学する……ますます灯台の魅力に取り憑かれた (沼に沈むとも…)、そんな一日になりました。

【6/6 追記】
海上保安庁の公式Xにこの見学会の様子がポストされていました。記事作成中にまったく気付かず……💦

🤓最後までお読みいただき、ありがとうございました😇


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