拝啓、オークラさま
はじめまして。
私はバナナマンでオークラさんを知りました。
バナナマンと東京03が大好きです。
ラジオでは子分のような感じで、
ちょい役でセリフを発していたコント(ルスデン)を見た時は、
「この人が作るコントは、あんなに面白いのに、
どうしてこんなに演技が下手なんだろう」と失礼ながら思っておりました。
私はオークラさんに、とても不器用な印象を抱いていました。
そんな私も、オークラさんが書かれた本
『自意識とコメディの日々』は、1年前に佐久間宜行さんのANN0で
「本を書いている」といったときから、楽しみにしていました。
発売が決まれば、やはりサイン本が欲しくなり、
田舎に住む私は、1回目のサイン本ネット販売をtwitterで知った時、
とても喜びました。
販売開始の18時前から画面とにらめっこしたものの、まったく「在庫有り」にならず、
あまりの人気に震え上がっていた私。
後から見たら、販売は前日だったと知り絶望したものの、
2回目のサイン本ネット販売で、なんとか入手しました。
不器用だったのは、私の方かもしれません。
大事に読んでいこうと思いつつ、
ページをめくり始めたら手が止まらず、あっという間に読了。
読み飛ばしたりもせず、こんなちゃんと本を読んだのはいつぶりだろう?と思いました。
正直、最初はバナナマンと東京03目的で購入していましたが、
ラーメンズやアンジャッシュ、くりーむしちゅー、
アンタッチャブル、さらにはかが屋など
ベテランから若手まで、名が出た芸人が好きになる内容でした。
また、40代といえばごっつえぇ感じをはじめとした、
ダウンタウン一強にもかかわらず、
ボキャブラ天国、爆笑オンエアバトル、はねるのトびらなど
どれも見たことがあるバラエティ番組の数々。
”ちょっとお笑いが好き”程度の人でも
「見たことはない」という人や番組はあっても
「聞いたこともない」「まったく知らない」という人はいないと思います。
中には「この番組、有名じゃないけど好きだった」
「そういえば、この芸人のあのコント好きだったな」
なんて、私の自意識もくすぐられました。
以前、星野源さんのANNに日村さんと一緒に出られた際、
オークラさんは星野さんに歌をプレゼントしていましたよね。
私は本を読んで、あの時の自分を思い出しました。
まるで確認するようなギターの弾き方。
後ろからついてくるような歌詞。
重なったりズレたり、もどったり…
お世辞にも上手とはいえませんでした。
ただ引き終わって、源くんが「感動した」と語り、
日村さんも「一生懸命頑張ったよね」という言葉を聞き、
とても嬉しく思ったのです。
もしあの時、バラエティのように「なんだこりゃ」と笑っていたら、
私は星野源さんも日村さんも、嫌いになっていたかもしれません。
そうなんです。
私はバナナマンや東京03が大好きで、オークラさんを知ったのに、
気が付けば、オークラさんがとても大好きになっていました。
自意識とコメディの日々は、
まわりにいる天才だけでなく、オークラさん自身もまた天才です。
ここまで天才が、自ら絶望する姿を晒した本はあったでしょうか?
くすぐられた私の自意識。
凡人の私にわずかな時間、天才を体験させてくれました。
まだまだオークラさんのことを知りたいので、
ぜひまた連載なり書籍なり、脚本以外のお話を聞かせてください。
敬具
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