迷う人はやさしい
浅生鴨さんのエッセイ『どこでもない場所』を読み返した。日常の何気ない話が胸にギューンと来る。
書店で探して初めて読んだときは、読み終わって出版社へのアンケート葉書に応援メッセージまで書いてしまった。
何せ、この鴨さんときたら、NHKの番組制作・広報までやったのに偉そうなところがない。
受け身で方向オンチな性分から生まれる、日々のちょっとしたトラブルをおかしくも切なく描いている。
感じるのは、人へのやさしさだ。
受け身だから迷い、ときに傷つく。
読むと胸の痛みが少しずつほぐれていく。