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あちら側にいけるだろうか

歳を取ると、羨ましいとか嫉妬とかそういう感情が段々と希薄になってくる。カップルがイチャイチャしても、暖かい目で見られるようになる。お金持ちだからといって嫉妬することも羨ましいと思うこともない。歳を取ると物欲も段々なくなっていくから。人脈がすごいからといって嫌いになる感情も羨ましいと思うこともない。それ相応の年齢になって『羨ましい』という感情がなくなったと思ったが、ある男にあって久々に『羨ましい』という感情が表れた。

私より6歳年下で、20代後半の男。自分の店を持ち、アルバイトだけど何人かの人を雇い経営している。同じ名字のためか親近感が湧いた。目標を持ち、夢を持ち、楽しそうに仕事をしている姿に『羨ましい』と思ってしまった。仲間を作り、お客さんを楽しませそうとする姿に心揺さぶられた。もちろん、敵もいるだろうし、嫉妬する人間もいるだろう。うまくいかないときもあるだろう。時として大失敗して涙を流すときもあるだろう。それでも、諦めず仕事する姿を見ているとコイツを応援したくなる。お金も大事だと考えているが、何より人を楽しませる姿を見て、コイツを心から『羨ましい』と何度思ったことか。

20代の頃は何気なく生きてきた。普通にサラリーマンをして人生が終わるのだろうと。30の頃痛い思いをした。2年間必死に考え方と精神面と体を鍛えた。精神も肉体も鍛え上げた少し後になってコイツにあった。今思えば出会わなければ良かった。コイツに出会わなければ、私も『あちら側にいきたい』という考えも思いも浮かばなかっただろうに。

目標を持ち、夢を持ち、仲間を作る。お客さんを楽しませて人生を生きていく姿を真似したくなった。あれから何年かたった。ブログやTwitterを見て、目標を持って、夢を持って、お金を稼いでいる人の記事や言葉を聞いても心揺さぶられない。結果も出しているし、仲間も多くいる。頑張ってもいるんだけど何一つ心から『羨ましい』と感じない。なぜだろう?

私も目標を持ち、夢を持ち、仲間を作る。ただ、今まで何気なく生きてきた人間だ。結果を出すのは相当時間がかかるだろう。だが、それでも行きたい。あちら側へ。

私も行けるだろうか?あちら側へ。


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