災害時のトイレのにおい
今年は関東大震災から100年と言う事でこの本を読み返してみました。
後半に避難民の事が書いてありました
江東、隅田、台東、文京(一部)、港(一部)が大火災で、焼け出された人たちが上野公園、皇居前広場、日比谷公園、芝公園などに避難して来ました。
〖ここから引用〗
避難民は、大火災の発生後、安全と思われる場所に集まって難を逃れた。が、それら避難所には便所が無く、公衆便所の数ヶ所設けられていた上野公園などでもそれらはたちまち使用不能になった。
人々はやむなく野天で用を足す。男も女も生死の境をさまよってきただけに羞恥心もなく随所で排泄をした。その為それらの避難所は、糞尿に隙間なく覆われてしまった。
そうした糞尿の充満は、避難所のみではなく火災の難にあわなかった山の手方面の住宅街にも起こっていた。
〖引用終わり〗
と書かれています。
東京都のハザードマップを見ると港区は比較的安全の様です。
しかし葛飾区、足立区、江戸川区など関東大震災と被った所で
大火災の恐れがあるとみることが出来ます。
もしも関東大震災と同じような経過を辿るとすると、
他人ごとではすみません。
1人一日何回トイレに行くか。
ある統計では五回から7回とされているそうです。
(私は高齢者なのでもう少し多いように感じています)
港区から現在配布中の簡易トイレは一人20回分です。
約3日分しかありません。
是非、備蓄品として買い増しをお願いします。
この本の中には町中が糞尿の匂いに苦しめられたとあります。
マンションの換気について考えてみましょう。
トイレに窓はありますか?
建物にもよりますが、私が住んでいるマンションには
臭い抜きの窓は無く
換気扇で「におい」を抜くようになっています。
停電では機能しません。「におい」がいつまでも充満します。
洋式トイレは水の中に大便が落ちますのでにおいは少ないです。
簡易トイレを使うとかなりの悪臭が充満します。
ベランダトイレのススメ
もしお住まいのマンションでベランダがある場合には
簡易テント使ったトイレを導入しては如何でしょう?
お部屋中ににおいがこもるのを防いでくれるのではないでしょうか。
最後に能登半島沖地震のニュースから気になった記事を転載しておきます。
「トイレが本当にもう…」声落とす女性「トイレの臭いが嫌で、飲まず食わずの被災者が現れる」震災関連死リスク心配、あふれるトイレ問題
【石川県能登半島地震:取材リポート】
自宅が全壊した夫婦に、「いま一番困っていることは何でしょうか」と聞く。妻が即答する。「トイレ。ここには簡易トイレが設置されていない。トイレが本当にもう…」と声を落とす。地震発生まもない避難所には、被災者の気持ちを折りかねない、深刻なトイレの問題が立ちはだかっていた。
「衛生的に不安」の声高まる避難所
私は1月2日から5日にかけて石川県輪島市などで取材しました。避難所にはまだ十分な物資が届いていない状況でした。 ほぼ全域で断水した輪島市では、トイレの水が早々に流れなくなってしまっていて、3日輪島市内の公共トイレでは、便やトイレットペーパーが便器からあふれ出ている状況でした。話を聞いた避難者の多くも、「トイレに困っている。衛生的に不安」と声をあげていて、ボックス型の仮設トイレや、組み立て携帯型の簡易トイレが、一刻も早く求められる状況でした。
待望の仮設トイレだが、問題点もあった
一方で、仮設トイレの問題点も目にしました。避難所の一つ、輪島市ふれあい健康センターでは、3日時点で仮設トイレが設営されていましたが…。トイレに入りたくても入れない高齢女性がいたのです。 女性は足が不自由で、トイレに入るための数段の段差を上がることができませんでした。私が補助して女性はようやくトイレを済ますことができました。 被災地が抱えるトイレの問題。大阪市で仮設トイレを製造する会社「ビー・エス・ケイ」に聞きました。同社は経済産業省から要請を受けて、珠洲市と輪島市の避難所に仮設トイレ10棟を設置。さらに携帯トイレ10万回分の発注を受けて、石川県に出荷したということです。
トイレの臭いが嫌で、『飲まず食わずの』被災者がいる
株式会社ビー・エス・ケイ代表取締役 三谷彰則さん「災害関連死を予防するためにも、リスクを減らすためにも、命を守るためにも、”使える”トイレを増やした方がいい」 三谷社長によりますと、トイレは、被災者の健康に影響を及ぼす可能性もあるといいます。 三谷彰則さん「被災地のトイレの臭いが嫌、などの理由で、被災者に『飲まず食わず』がまんなどが発生する。」「和式トイレやと、お歳を召された方や、足腰が悪い方が、そのまま便座に座ってしまう。そこから感染症になってしまうことがある。」
「簡易トイレの段差は、何のためにあるのか」
私は避難所で目にした課題、段差が上がれず仮設トイレに入れない高齢女性の話を、三谷社長に尋ねました。 三谷社長によりますと、仮設トイレは汲み取り式で、便をためる空間をつくるため、段差がどうしても必要になってしまうということでした。しかし三谷社長は、「フラットなトイレは必ず必要」と話し、災害関連死のリスクを減らすための『使えるトイレ』が必要だとしました。 11日現在、輪島市の断水は、ほぼ全域でまだ続いている状況です。また仮設トイレはすべての指定避難所に行き届いていて、輪島市内で191個設置されているということです。 目にしたトイレの光景、避難者の声。災害関連死リスクや衛生的な観点からも、トイレのいち早い復旧や快適トイレの導入、簡易トイレの備蓄は、優先順位を高くすべき支援だと考えられます。(MBS報道情報局 記者 田中万結香)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?