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不妊治療のハナシ①

不妊治療をしていました、と言うと、「あーだから双子なのか。」と周りは思うと思う。

そして気を遣わせる。

だから、私は自分から言うようにしている。

娘の時も不妊治療をした。
とはいえ、不妊治療をしっかりやっている方からしたらふざけるな!と思われるほどの不妊治療だったと思う。

投薬治療だけで、済んでしまったからだ。

私の友達で、体外受精で苦しんでいる人がいる。

何度も繰り返して、できなくて、お金もかかるし、身体への負担、精神的な負担、経験者じゃないと計り知れないであろう苦労を聞いてきた。

なので、私は不妊治療していました、と言っていいのかわからない。

けれど、投薬治療をしてきたことは事実なので、不妊治療していたことになるだろう。

娘の時は、投薬で妊娠できた。

娘が1歳半になったころ、妊活を開始した。
けれど、なかなかできなかった。やはり、医療機関に頼らないとダメかなあと、通い始めたが、投薬治療でも妊娠できなかった。

結局、娘が2歳になってもできずに職場復帰した。

その後も、妊活を続けていた。
ある時、病院を変えてみようかと思い立ち、県内で有名な病院に変えた。予約が取りづらかったけれど、職場に迷惑をかけながらも受診することができた。
検査結果は異常なし。

腕は確かだけれど、無愛想なおじいちゃん先生だった。
頑張りましょうね、と励ましてくれて嬉しかった。
ホームページに出ているその病院の実績が素晴らしいと思った。
何人も妊娠できているという事実!

信頼できる、と思った。

待ち時間が長いことが辛かった。
仕事を持ち込んで、仕事しながら待っていたら、仕事が終わってしまうなんてこともあった(笑)

スマホを見たり、ゲームしたり、小説を読んだり。手持ち無沙汰で飽きると、人間観察もよくしていた。

夫婦で来ている人もいた。まだ若そうな奥さんと旦那さん。県内でも有名な不妊治療専門の病院なので、おそらく不妊なんだろう。若いのに大変だなあと自分を棚に上げて思う。

そしてそうか、夫も連れてきてもいいのかとこの時、初めて思った(笑)

ネットや漫画で、不妊治療を取り上げている話を読むと大抵、「なんで私ばっかりこんな苦労しないといけないの?!」と夫に詰め寄る妻のシーンがよくある。

たいてい夫は非協力的で、排卵日の日に限って飲み会になって帰ってこない。

なぜいつも飲み会になるのかわからないが、とにかくいつも飲み会になって、帰ってこないのだ。
それが一度だけならまだしも、なぜか何度もそうなる。

後よくあるあるなのが、精子を提出しないといけないことを拒否するとか。
奥さんは何度も恥ずかしい思いをして、不妊治療に取り組んでいるのに、夫は何にも苦労していないというパターン。

なるほど、これは腹立つなあと思う。

うちは、どうなんだろう。
うちの夫は、そもそも飲み会に行くことが滅多にないので、排卵日だろうとなんだろうと、関係なしに仕事が終わればすぐに帰ってくる。

この点はまあいいだろう。

精子云々はどうなんだろう。今まで、投薬治療しかしてこなかったので、夫が不妊治療に関わる機会が無かったのだ。だから、この話をしたことがなかった。

考えてみれば、不妊治療を始めたことも夫に話したっけか、と私は焦り始めた。

私はどうしても2人目が欲しかったので、猪突猛進気味にこの有名な産婦人科に来てしまったが、夫にここに来ることを伝えたのかどうか、自信がなくなってしまった。普通に風邪引いたから内科に行ってくるわ、と言うノリで来てしまった。

夫婦で来ると言う選択肢もあったのか、と私は焦る。これはマタニティフォトでも言える。

私はマタニティフォトを夫婦で撮るという選択肢が無かった。だから1人で撮った。娘を妊娠した7カ月の頃、ある日、街を歩いていたら突然、マタニティフォトを撮りたくなった。

人と待ち合わせまで時間があったので、そのままスタジオアリスを予約して撮った。
そして出来上がった写真を見てニマニマしていた。
でも、これも後から、夫婦で撮るもんだ、と知って驚愕した。

友達に、旦那さん、写真嫌いなの?とか、撮ってくれなかったんだ、とか同情されたが、そもそも私は夫に話していないし、相談してもない。

ただ、街を歩いていたら、たまたまマタニティフォトを撮ろうというポスターを見つけて、撮ってみようと思いたっただけ。夫も一緒に撮ると言う発想がわたしには無かっただけだ。

不妊治療を始めたことと、病院に来てほしいことを夫に話そうと思った。私だけでなく、夫にも恥ずかしい思いをさせてやろうと思った。それだけだった。なぜか私は夫に負けたくないと思っていた。夫婦は対等だと思っている。

そして、フーナーテストをやりましょう!と先生から言われた。

いよいよ、夫にも協力を仰ぐ時が来た!







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