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shigekumasaku
薄給
会社の体制が代わってから、役付きはそれなりに給料があるのだろうが、ヒラは薄給である。これまでは残業手当を貰っていたので、何とかそれなりの給料を貰えたが、残業を一切しないことになって、一気に給料が減った。
まだ副業が認められていない頃、夜中カラオケ屋でアルバイトしている社員を知った。奥さんが鬱で、仕事ができないので、自分がフルに働いているのだ。
奥さんが元気ならパートに出て、幾らかでも家計の足しにすることができるであろうが、健康面で大丈夫なのかな、と不安に思った。
やがて会社は副業を認めることになる。給料が安い事を認めたということだろうか。
僕が会社を辞めた後も、企業努力で人がいなくてもいいように仕組みを変えて行っているようだ。僕が店長だった頃、人件費については喧しく言われていた。こんな給料ではやっていけないと辞める者も続出した。
僕は古株だったので、降格されても、減りはしたが、ある程度給料は維持された。だから辞めたくてもこの給料で新しく雇ってくれるところもないだろうと、しがみつくことにした。
今でも忙しそうに働いている社員たちを見ると、昔はもっと余裕があって、給料もよかったな、と思う。その代わり休みは少なかったけれど。
インフレで薄給がますます目減りしてくる。会社も馬鹿じゃないから、それなりに給料を考えるのではないか。その代わり、人を益々減らしていくのかもしれないけれど。