成人式
成人式といえば、北九州小倉である。TV局が来て取材している。全国区でON AIRされる。花魁の格好をした女性や、超派手な金ぴかな衣装を着た男たち、この日のためにカネをためて、成人式に挑む。
北九州メディアドームは、この日ばかりは、異様な空気に包まれる。式典に出るのか出ないのかはしらないが、インタビューすれば、みな一様に、もうヤンチャは辞めて、親孝行しますという。
ほんの一部の人たちなのだろうが、それにしてもすごい。誰にも迷惑はかけてはいないので、それはそれでいいのかな、とは思う。
息子も大学のある兵庫県からわざわざ帰ってきて、このメディアドームで成人式の式典に参加したのだが、普通に和装にトンビコートで出席した。その晩、謝恩会で、酔っぱらって、ご機嫌で帰ってきた。
成人式といえば、今年から表現が自治体によって変わっていくらしい。というのも成人年齢が18歳になったからである。18歳といえば、高校3年生である。受験や就職活動で丁度忙しい時期であるはずだ。成人式どころではあるまい。
だから20歳のお祝い、20歳を祝う会、20歳の記念式典など、そんな名前で、存続させるらしい。将来的にはどうなるのか知らないが、多分しばらくは、こういう形でお祝いするのだろう。
僕は成人式の式典に行かなかった。成人式をするなら広島に帰らないといけないところだが、福岡におり、しかも大学の後期試験中であった。よってなにもしていない。記憶もない。多分友達と僕の部屋で炬燵を囲んで酒を飲んでいたのではないかと思う。密かに3人で成人式をお祝いしたのではないか。
そういうことだから碌な成績で卒業できなかった。親不孝者である。あれから40年、トリプル成人、還暦である。
思えば遠くへきたもんだ、今では女房、子供持ち、である。
孫がいても不思議でも何でもない。友人には既に孫がいる奴が何人もいるけれど、うちは望み薄な感じではある。