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嫌な作業

 ホームセンターに入社して、嫌な作業が2つあった。1つはグラスウールといって、いわゆる壁の下地に入れる断熱材。それが入荷する時は42枚がビニールの中に入った状態で来る。単品で売るから、それを破って、1つ1つ丸めて、プライスラベルを貼らなければならない。
 軍手を嵌めて丸めるのだが、グラスウールのグラス、いわゆるガラスの粉が体に引っ付き痒くなるのだ。おまけにそれを吸ったら肺にもよろしくない。あれは嫌だったなあ。
 もう1つは天井の電球交換である。今やLEDになったので、交換作業はほぼ皆無になったが、蛍光灯はよく切れた。というよりも、数が半端ないから、次から次に切れては交換しなくてはならない。
 園芸脚立12尺を使ってもギリギリ届く高さである。高所恐怖症の僕にはとても無理だと思った。足がガクガクするのである。しかし郷に入れば郷に従えである。いつの間にか慣れてしまった。怖いのは怖いのだが。
 しばらくしてローリングタワーが導入された。ローリングタワーといってもピンとくる人はいないと思うが、単管の足場にキャスターをつけたものである。なるほどこれなら怖くはない。(こともなかったけど)
 ただし当時、広い店なら乗り回しも効くが、狭い店では移動するだけで大変であった。もっとも僕が経験した店では、それより高い天井の店があり、単管を継ぎ足して、高くして使ったことがある。
 階段式の背の高いアルミでできたハシゴも導入されたことがあるが、これも移動に結構戸惑った。なんといっても4m以上ある天井に触れることができないといけないのだから、ベースはしっかりと、幅広く造られている。1350㎜の通路を曲がったり進んだりするには障害物が多すぎた。天井からぶら下げてあるものも避けて通っていかないといけない。
 結局園芸用脚立に落ち着くのである。あれなら引っ担いで、移動も楽だ。
   会社側とすれば社内の安全を優先して導入したのであろうが、現場にはなかなか通じないものである。

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