母親について
母親が来年90歳になる。卒寿だ。今の所健康でボケの兆候もない。まだしばらくは大丈夫だと思っているのだが、いつ何時、ポックリいかんともかぎらん。
その場合、あの6DK+物置?の家の処分をどうするか非常に憂鬱なのである。業者に丸投げの手もあるが、幾らくらいかかるものなのであろうか。流石に母親が健在のうちに見積もりなど取る訳にもいかず、途方に暮れている。土地にしても我が家の隣に道があるのだが、それも我が家の土地なのだ。最早公道となっているので「ウチの土地やけんね」と叫ぶこともできまい。
昭和の40年代に家は立てたのだが、前の家から、不必要な箪笥等を持ってきて、物置にしまっている。箪笥の引き出しを開けると、古い和服や50銭とか古い小銭が出てくる。戦後捨てられたものを拾ったのか、サーベルも何鞘か出てきた。
押し入れには、一番人が来ていた頃の数の布団が沢山しまってあり、閉口する。仏壇の床下には数えきれないほどの花瓶がある。
母親は自分が死んでから処分してくれという。そりゃあそうしますよ。でもできたら少しずつでも処分したい気持ちではある。
広い家にポツンと一人、住んで、頻繁に電話は掛けるのだが、淋しくないのかな、と思う。それでも同世代でまだ元気な老人はいるようで、頻繁に電話のやりあいこをしているから淋しくないそうだ。
でも流石に90歳である。いつまで元気でいられるか、死んだ後の事を考えると憂鬱になる。
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