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飲酒と下痢とうつと
酒を飲んでいた頃はやけに下痢ばかりしていた。朝からトイレが近くて出勤までに2,3度トイレに行った。通勤距離が長いので、そのくらいいかないと安心しないのだ。それでも途中で便意をもよおすことがある。いつも困っていた。だから途中で用を足せる公園や施設はマークしていた。
ところが得てして、その場所を過ぎたあたりから便意をもよおすことが多かった。最早店につくまで自分の腹と競争である。幸いトイレは大体の店が入口から近くにあり、店の鍵と防犯の装置をOFFにしさえすれば、OKなのだが、そこがラストスパートである。思いっきり走れば漏らすことがある。かといってゆっくり行く余裕もない。ギリギリ間に合ったかと思えば、パンツに少し、お漏らししてしまうことも、稀ではあるがあった。パンツは誰にもわからぬように処分した。
妻と二人で休みの日に皿倉山にドライブに行った時の事。急に便意をもよおし、ケーブルカーの駅に着けば、トイレがあるはず、と思っていってみたらば、なんとケーブルカーはその日、休みであった。シーズンオフだったのだろう。それでも僕は諦めきれずに、駅の回りをグルリと回り、トイレの上の方に換気のための小さな窓の錠が開いているのを見つけた。自分ならばここを通り越せると思い、チャレンジして、どうにか中に入り、用を足したことがある。警備会社と契約をしていなかったのだろう。普通なら警報が鳴って警備員が来るところだった。
酒を止めた途端下痢は止まった。体に酒が合わなかったのだろう。通勤距離が長くてもトイレによることはなくなった。
その代わり、以前はトイレで寄っていた公園でUターンして帰ることが増えてきた。うつである。何となく今日は無理だなと思うけれども、途中までいって、やっぱり無理だと思い引き返すのである。
酒がうつをとめる薬になっていたのかもしれぬ、と思うことがある。そんなことはないとは思うが、今はうつの薬のせいで、酒は一滴も飲んではいない。