フェードカット
幸いにして?髪が伸びてきたので、散髪に行かなければなるまい。後ろ髪が首の下に当たって気持ち悪い。
カネがある時は髭まで剃ってくれる、至れり尽くせりの理容店に行くのだが、そうでない時は(ほぼそっちだが)平日12時~13時カット¥690の美容室に行くことにしている。
「どういう風にカット致しましょうか」そう聞かれる。どこも一緒だ。「フェードカットで」と若者に対抗するかの如く、ツヤつけて(方言。カッコつけての意)答える。最近はこればかりである。我ながら気に入っている髪型だ。乱暴に説明すれば、頭の側面は刈り上げ、頭のてっぺんは髪を残す切り方だ。これによりギリの所が、白く広範囲に広がっているのを(つまりハゲ)他の髪で胡麻化すことができるはずであった。
しかし幾ら伸ばしても、昔みたいには髪にボリュームがない。そのため3面鏡で覗いてみると、ギリの辺りの白い部分が気になってしようがない。頭のてっぺんがフェードしているのである。普段帽子を被っているので、そう気にすることもないのではあるが、老いていく自分を感じて、切なくなってくる。
いっそのこと男らしく坊主にした方が、いいか、などと悩んでいる。歳をとるとどこもかしこもフェードして、いろんなところに悩みを抱える。