イヌネコ
You tubeで流行の「もちまる日記」をご存じでしょうか。只今妻と娘が夢中です。アップされたらかかさず見るので、ついつい僕も見てしまいます。他愛もない猫が映ってるだけの動画です。しかしこれが何とも愛らしい。ネコ派ではない僕も思わず可愛い、と感じちゃいます。ネコ好きの方にはたまらないでしょう。この動画を毎回アップさせてる御仁は、さぞや儲かっていることでしょう。本当にネコの平凡な日常なのですよ。
小学生の頃、野良の子猫を拾って、友達と遊んだことがあります。小さな川があって、こっち側から友達のいる向こう岸、またげるくらいの川と呼べないほどの川なのですが、に向かって猫をキャッチボールしたら、体をくるっと回転させて、僕の顔を引っ搔いたのです。猫にとってみれば、いきなり恐ろしい目にあったので、防衛本能が働いたといえるのでしょうが、僕にとってみればたまったもんじゃあありません。痛いの痛くないのって、それから僕は猫が嫌いです。
実は犬も嫌いでした。幼稚園から小学校低学年までで、嫌いというより、怖かったのです。チワワかトイプードルみたいな犬ばっかりなら怖くもなかったのでしょうが、小さい頃犬といえば、でかいのしか知らなかったのです。今でこそ見かけなくなったけれど、野良犬がアチコチに跋扈していた時代です。噛まれたら狂犬病かデステンバーになるのではないかと恐れおののいていました。
犬に吠えられて、池に落ちたこともあります。追いかけられて逃げ回ったこともあります。夏休みの登校日に道の途中に犬がいたので、折り返して家に帰ったこともあります。転んで犬の糞が手にベッタリくっついたこともあります。
そんな僕が犬が平気になったのは、ある嵐の夜のことでした。
犬が一匹、我が家に迷い込んできたのです。大きな犬でした。首輪も鑑札もついていましたので、問い合わせれば、すぐに飼い主は見つかると思われました。
飼い主がくるまでの間、我が家で世話をしてやらなければなりません。大人しい犬でした。最初は近づくのを怖がっていた僕なのですが、危害を加える様子もないので、だんだん近づいていってしまいには頭をなでなでしたり、背中をさすったりできるようになりました。何せ全然無抵抗なので、こちらもだんだん調子にのってきたのです。
やがて飼い主が引き取りに来ました。嵐の夜に迷子になってしまったとのことでした。大人しかった犬は飼い主をみると急に態度を変えて全身で喜びを表現しました。大人しかったのは、性格ではなく、淋しかったからなのでした。
それから僕もいつかは犬を飼いたいな、と思うようになりました。数年後、それで拾ってきたのがコロでした。(”コロ”をまだ読んでないかたは、是非”コロ”も読んで下さい)