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チャンバラ

 幼稚園の頃、団地にすんでいた。そのアプローチにヤツデが生えていた。天狗のウチワに似た葉っぱの植物だ。これを枝ごと折って、両足で葉を踏み、引っ張ると、枝だけになる。これを刀にして、近くの友達とチャンバラをして遊んだ。当たっても怪我をすることなく、枝のほうが折れたりしたので、安全な遊びであった。
 当時流行ったチャンバラは仮面の忍者赤影である。当時もっともかっこよかったヒーローであった。
「赤影参上」
 当然、僕らは赤影ごっこをした。
 他にフジ丸やサスケ、カムイ外伝等の忍者ものアニメも人気があった。
 時代は小学生のころになるが、ドラマでは木枯し紋次郎が好きだった。ただしリアルタイムでは多分みていない。時間帯が遅かったせいかもしれないが、あの上条恒彦の主題歌は憶えていた。
 水戸黄門や大岡越前、銭形平次、その他もろもろ、時代劇は家庭のみんなで見るTVの娯楽番組であった。
 映画では何といっても黒沢映画。用心棒、七人の侍、椿三十郎等々。
 ところが今やTV離れが進み、家庭内みんなでTVをみることが少なくなってしまい、時代劇はどんどん人気がなくなり、番組数も減っていってしまった。再放送を、入院してる暇な老人が、見るだけのものになってしまった。
 今やNHKくらいしか時代劇はやっていないのである。もはや家族団らんで時代劇を見るってことは、各農家ではかつてみんな養蚕してました、くらいの歴史的過去のことになってしまったのである。(大げさで意味がわからんかもしれんが)
 今やっているNHKの朝ドラ「come come everybody」を見ながら、ふと以上のことを感じてしまった。(今、主人公が映画村でアルバイトをしてるシーン)
 映画村も妻のいうには、だいぶさびれてきているそうである。(娘がいるので、コロナ前は、たびたび京都にいっていた)
 このままさびれていくのだろうか。NHKの大河ドラマの視聴率も悪くなって打ち切りなんてことになったら、もはや時代劇は滅び去るのみであろう。
 そんなおりにこの朝ドラで多少でも時代劇ファンが増えればいいが。

 蛇足ながら、僕の祖父はふんどし愛好家であった。というかそれが当たり前の世代であった。その祖父の祖父はもはや江戸時代の人なのである。なんかノスタルジックな気分を感じてしまう。
 

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