パスポート
20数年ぶりにパスポートを取りに行った。どこで発行しているかどうかは知っているので、20数年ぶりだとはいえ、迷うことはない。
さいわい障害年金を取得しようと用意した戸籍謄本があった。丁度6か月前のものだ。障害年金は詳しい説明は省くが、6か月前ではダメだったようで、新しく取り直したので、こいつが浮いてしまっていたのである。幸運にも無駄にならずに済んだ。
写真は無帽は勿論の事、眼鏡まで外されて撮った。まるで僕ではないみたいにいい出来栄えである。遺影にするのに丁度いい。大きさは小さいけれど。
来年飛行機に乗るのに縁起でもない話である。事故率を考えると、飛行機は世界で最も安全な乗り物なのだ。新幹線の方が安全な気もするが、そうではないようだ。どこで得た情報かは忘れたけれど。
パスポートセンターには老若男女、さまざまな人がいた。どうみても80歳近い婆さんもいたし、赤ちゃん抱えているお母さんもいた。高校生みたいなのもいたし、作業員みたいな人もいた。
「あまり皆カネ持ってなさそうだけど、海外旅行に行けるんだからカネ持ってんだろうなあ」
なんてふと思ったりする。そういう己はどうなのか。別に無理をして海外に行く訳ではないので、お陰様で裕福に暮らしているのだろう。これも阿弥陀如来のご加護のたまものである。(家が浄土真宗だから)
手続きは済んだ。1週間後、パスポートをまたここに取りに来なければならない。それにしても20年前も思ったものだったが、発行手数料がべらぼうに高い。5年物で11000円である。10年だと16000円なんだそうだ。
僕は老い先短いので、5年で申請した。どうせあともう1回、行くか行かないかだろう。
それにしてもパスポートの写真、色が白くて仏さんみたいだ。それ用の撮り方があるのだろう。白いテーブルを顔の前に置く。それがミソに違いない。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。