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田舎のホームセンター(地域振興券編)
偶数月の15日、年金支給日である。この日はホームセンターに限らず、小売店はどこも忙しい。この日に合わせてチラシを打ってくる店もあるほどだ。
特に田舎は年金受給者が多いので、都会よりも忙しいという現象が起こるのである。
それとは別に地域振興券なるものが、いつからか、不定期に景気刺激策の為に商工会議所等で発行されることがある。
これがまた忙しくなる。田舎の方は都会と比べ、選べる店が少ない。特に僕がいた田舎の店は他にライバルらしき店もなく(現在はあるが)ウチの店の独擅場となる。
もはやホームセンターというよりも地域の総合デパート化している感がある。
地域振興券を手に入れて嬉しさあまりに、そんなこれいります?なんて思うものを買っていく年配の方もおられる。たとえばウッドデッキくらいならいいのだが、あずまやとか。よっぽど広い庭があるのね、と思う。家族の人に怒られやせんかなあなんて心配したりする。
店が閉店してから、その地域振興券を数えるのが、またやおいかんのである(大変なのである)。数が多すぎる。冊事使っている人も多いのだが、念のため確認しなければならない。昔は金券関係は後ろに店番を鉛筆で記入して、本部に送るシステムになっていたのだが、そんなことできる量ではないので、この店を嚆矢としてその作業は中止となった。
またこれを一月に一回、商工会議所まで持って行って、小切手にしてもらわなければならない。それもまた一苦労ではあった。枚数が多いので、結構待たされるのである。
しかしその地域振興券のおかげで、売り上げは上昇傾向だったので、文句を言うつもりは毛頭ない。
この店に約3年ほどいて、僕は都会の住宅街の店へ異動になった。いろんなことがあった3年間だったが、実は田舎の店は初めてだったので、いろんな経験をさせてもらい、それについてはまたおいおい書いていきたいとは思うけれど、ホント思い出深い店であった。
僕が異動になり、すぐにライバル店が近くにできて、売り上げは激減した。