人形供養
人形の処分というのはちょっと神経を使う。信心深い性質なので、祟りとかそういうのをつい意識してしまう。
娘のお雛様の人形を、どう処分するかわからぬまま、押し入れにずっと仕舞い込んだままにしていた。ところが断捨離を断行するにあたり、とうとう処分することにした。
インターネットで調べると、近くの人形屋で3000円でご供養をしてくれるということなので、持って行ってお願いすることにした。
それが10年くらい前の出来事。
現在また、人形の処分で悩んでいる。妻と結婚した時、僕の母親が作った高砂の翁と媼の人形をプレゼントされた。その人形はガラスケースの中に入れられて部屋に飾っていた。
やがて息子が生まれ、悪戯盛りの頃、ガラスケースを落として割った。息子は怪我1つなく無事でよかったのだが、ガラスケースは粉々になった。
それでしばらくこれも押し入れに締まったままにしていたのだが、割と最近になって押し入れから取り出し、素のままで飾ることにした。すると今度は、僕が下手をして、翁を落としてしまった。すると首がもげた。
しばらくは首をくっつけて飾っていたが、気が付いたら、首が落ちていた。そういう事が何度もあり、致し方なくこの人形もご供養することにした。
ところが人形屋がない。廃業したらしい。どうしよう。妻と相談した挙句、八坂神社に2体とも納めることにした。
ちゃんと念入りにご供養することにする。僕の首がもげたら嫌だから。
つづく