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ラッキーな1日

   誕生日の朝、ハローワークにいくべく、マンションの部屋を出てエレベータに乗ろうとボタンを押した。少ししてエレベータは僕の部屋のある4Fでとまり、開いた。
   開いた瞬間、エレベータの床の真ん中に、なんと10円玉が1個落ちているではないか。僕は躊躇いもなくジーンズのポケットにそれを入れた。何やらハッピーな誕生日になる予感がした。
    9時に砂津のバスセンターで妻の待ち合わせの約束をしていた。今日は誕生日祝いに妻と二人でハウステンボスに行く予定にしていたのだ。それに間に合うようにハローワークもいつもより早めにいったのだが、開く時間よりも早くに着いてしまった。待たなければいけない、と思っていたら、何と自動ドアが開くではないか。フライングOKなんや、と思って手続きをしてもらった。ラッキーだった。
    ハローワークでの手続きを終えると僕はバス停に向けて歩き出した。これも幸運なことにバスは早く来てくれて、9時前にはバス停に着いた。そしたら妻も丁度着いた所だったようで、横断歩道で鉢合わせになった。  実にスムーズに事が運んでいる。
    福岡市の天神までバスで行き、そこから佐世保行きのバスに乗り換える。そこまでは予定通りにことはすすんだのだが、佐世保のバスセンターからJRに乗り換えるのに8分しかなかった。何事もなければギリギリセーフのところであったのだが、僕らは知らなかった。佐世保駅ではICカードNIMOCAが使えないということを。切符を買わなければならない。それでギリギリ遅れて、列車に手がタッチできるのに、振り切られて行ってしまった。次の列車は1時間待ちである。ここまでスムーズにいったのに、とんだ落とし穴があった。ICカードが使えないJRの駅はまだけっこうあるようだ。
    僕らは諦めて待合室に向かった。そこに消防週間かなんかのポスターが貼ってあった。當真あみが微笑んでいた。それが僕にはささやかな慰めだった。

    ちなみに最初からJRで行けば早く着いたのだが、バスは精神障害者割引があるのだが、JRにはなかったので、バスにしたのだ。かえって相当時間が掛かってしまった。なおもいうと、結局バスも天神から佐世保はなぜか精神障害者割引がなくて、これならJRで博多駅から行ったほうが良かったというオチであった。
   

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