老い
ここしばらく妻は仕事が入ってなかった。冬はどうしても仕事の数が少ない。例年そうだ。
それでしばらく美容院へ髪を染めに行っていなかったので、白髪が目立ちだした。567のせいでマスク着用が義務化され、どうせ見えないからと化粧もしなくなり、老いた姿を晒している。
特段それを非難している訳ではない。経済的には大助かりだし、スッピンで白髪だからといって、僕の妻に対する愛情が変わることなどはない。
それよりは自分の方だ。妻が老けたということは、同様に自分も老けているということである。最近は若い男性も化粧なんかしちゃったりしているようだが、芸能人でない限り、50,60代の男性で化粧をしている人を僕は知らない。特別な趣味の人は除くが。
白髪。そこが気になる。女性と違って顔の方は、多少皺があった方が渋くていいのだろうが、耳近くの両脇に伸びる白髪だけは、帽子を被っても隠せない。そうかと思うと、髪を染めるのも面倒だし、絶対違和感がある。道行く壮年男子が髪を染めているのを見ても、一目瞭然でわかり、却って、老けて見えるものだ。だいいち経済的にもったいない。
美容室でフェードカットにして貰って、幾分か白髪が目立たなくなるかと思ったら、そうでもなかった。
もっとも今さら若作りをしてもどうしようもあるまい。貧乏くさい年寄りにさえならなければ、それでいいのではないか。そのためには背筋を伸ばして、姿勢から意識するのが大事であろう。その点僕は合格点であろう。金持ちには見えないが、貧乏くさくは見えないだろうと思う。
意識が大切である。お陰様で、膝等は大丈夫なので、階段の昇り降りなど平気だ。もっとも腰痛が時々起こるので、その時はしようがない。うつ病といっても傍目からはそう見えないだろうし(多分)清潔で健康そうな老人であればいいのではないか。今さら色気づくこともないし。