筑豊のお菓子
息子が「会社の人から香川に行ってきたお土産にチロルチョコをもらったんだけど、なんでチロルチョコなんかね」といってきたので、すかさず僕が「それは香川ではなくて、田川だろう」と聞き間違いをただした。
福岡県の田川市にチロルチョコのアウトレットがある。筑豊のホームセンターに長く勤めていたので、その辺はよく知っている。今はだいぶうまくなったが、僕が幼い頃は、ヌガーが中に入っていて、嚙み切れなくて、よく歯にくっついた。
田川をはじめ筑豊一帯は昔炭鉱の町で栄えた。労働者がいっぱい集まってきていた。その分、甘いものが欲しかったのだろう。お菓子産業が栄えた。東京銘菓といわれているひよこ饅頭ももとをただせば、筑豊の飯塚が発祥の地である。チロリアンや千鳥饅頭、丸ぼうろで有名な千鳥屋も飯塚だ。幼い頃のおやつにはだいぶお世話になった。
当時おやつといえば、他に鹿児島のボンタンアメ、兵六餅とかである。ポテトチップスとかポッキーなんてえものはなかった。マーブルチョコレートとフェリックスの当たり付きガムくらいはあった。金のエンジェル銀のエンジェルのチョコボールはあったかな。
今はお菓子もディスカウントストアなんかに行くと山積みで売っている。僕は幼少のころから、あまりおやつは食べさせて貰わなかったので、今もあまりお菓子には関心はない。だからディスカウントストアの山積みされたお菓子も素通りである。それを名残惜しそうに妻があとに続く。でも何故か饅頭系は好きである。筑豊のお菓子に慣れ親しんでいたからであろうか。