我が人生2
幼稚園の時、お遊戯会で「おむすびころりん」をやった。主役だった。勿論主役なので、おむすびの役だった。
小学校の時、学期末に必ずクラスでお楽しみ会をやった。僕は脚本を書き、友達と一緒に劇を作って、皆を楽しませた。だいたいドタバタ劇であった。内容は忘れたけれど。
中学校の時、新聞部に入った。演劇部があれば演劇部に入ったかもしれない。以降、演劇とは縁のない人生を歩んだ。
息子が高校の時、演劇部に入った。それで思いだした。自分もそういうことをやっていたことを。もっとも僕の場合は遊びで、発声練習さえしていないけれど。
もし中学校に演劇部があって入っていれば、そのまま高校でも大学でもその道に進み、俳優になっていたかもしれない。背が低く、ビジュアルもイマイチなので、2枚目スターは駄目でも、渋い演技派の俳優になっていたかもしれない。それともすぐ挫折して結局は今と変わらぬ人生を送っていたかもしれぬ。多分後者の方が強いであろう。
大学の同じゼミでそういう芸能人に憧れて大学を辞めて東京へ行った奴がいたけれども、それから名前も聞かない。うまくはいかなかったのだろう。
皆それぞれの人生があり、それは努力次第では叶う事もあり、叶わぬ事もある。結局は収まるところに収まる。刀の刃と鞘のように。
もし、たら、れば、と考えれば、人生至る所に分岐点があり、どうなっていたろうかと想像してみるのも楽しいが、僕の場合はこれが正解だったと思っている。