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蛾衆。

そこはバリュエーション豊かな
20〜70代の男女が集まる場。
結婚している者、結婚していない者。
彼氏彼女がいる者、居ない者。
独身バツイチ、独身未婚。

幾度の夜を、数多の男女が行き交う。
女はタダでお酒と料理を。そして
景品をGETすべく男の時間を奪って
男は女を自分のものにすべく口説き
店外へ連れ出そうと躍起になる。

うまく行った男は、店内でも
店員に隠れて女に口付けし熱い抱擁を。
ソファーでは腰や肩に手を回し
しなだれる女の頭に手を置く者も。

うまく行かない男は、無情。
時間とお金を奪われた挙句何の成果もなく
ただただ、無碍にされ、悲しい結末を。
女は男を選びに来たのではない。
タダで御飯を食べれて、なおかつ
ブランド品やギフト券を貰うべく
毎夜そこへ集まるのだ。

中には依存症の人間もおり
今宵のパートナーを見つけるべく
そこに集うものも。怪物みたいな
物怪のようなものでも若ければOK。
男は何も知らずにホイホイと。

興味本位でくる者もあれば
駆け引きを楽しむために来る者も。
さてはて今夜はどんな夜になるやら?
それは行った者にしかわからぬ世界。
その日その日の、烏合の衆。

運が良ければ美人なやり手女経営者に。
運が悪ければ見た目も中身もアイタタタ…
お金を払えば見目麗しい夜の蝶がいる中で
素人集団まるでルーレットのようなゲーム。
プロではないからこそのやりとりが。

代表性ヒーリスティック
ラグジュアリーに似せられた空間
スタッフも黒い制服で統一されており
まるで高級クラブを彷彿させる店内。
ただ違うのは10分数百円の世界。

禍々しいもの美しいもの。
毒々しいメンガタススメガ、
美しいイザベラミズアオや
可愛いウスタビガやクスサン。
まるで多種多様な蛾の集まり。

さて、今夜はどんな蛾が?

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