見出し画像

試験の公正性について (USCPAの例)

 荒川防火水槽研究会と申します。大学入試の #英語民間試験 で、学校でも受験が推奨されていた #GTEC が中止になるなど、試験の公正性の議論が起きています。

 今の試験は情報管理を厳密にして公正性を保っているのに、民間試験では、情報が漏れてしまう恐れや、採点にばらつきが出る、などの指摘があります。

 この議論を聞いて、私も受験したアメリカの #CPA (公認会計士)の試験を思い出します。とてもユニークな試験だったので、誰の参考になるのかわかりませんが、以下ご紹介します。

 試験はAICPAという機関が実施し、実際の運営は業者が受託しています。期間の縛りはあるものの、1年に複数回受験できます。テスト会場は密室の中にあるブースです。密室に入る前に綿密な本人チェックと身体検査を受けます。ブースではPCに向き合って孤独に解答して行きます。

科目は4科目。1科目当たり3時間から4時間と時間が長い!(途中トイレは行けます)。試験問題は選択式のほか、大問題について穴埋めしたり表を作成する“simulation”、文章を書く”written communication”があります。

 この試験で面白いのが「選択式の回答率が高いと、次から問題が難しくなる」点です。それだと不公平、と思ってしまいますが、実は item response theoryという、選択式につきものの「運」や「問題の難易度」といった要素を排除して正しく評価する理論があるらしいです。採点はこの理論に基づいて行われます。

 またwritten communicationの採点も、computer grading programによって採点する、とあります。機械に採点されてたなんて、近未来的!

 こうしたitem response theoryやcomputer grading programによって、CPAでは公正なテストが通年で受験できるようになっています。一方、日本の今の大学入試は、大学関係者にかなり負担を強いていると聞きます。課題を"誰かが頑張ることでなんとかする"のは日本でよくある現象ですが、こうした便利ツールを使って、日本でも公正かつ無理のない受験が設計できないものか、と感じました。

 

いいなと思ったら応援しよう!